コグノスケ


2019年8月10日

独自のaptサーバー - その1 - ディレクトリ構成

目次: apt

会社で独自のDebianパッケージを配布する際に、難しくてかなり困ったので、下調べの結果を兼ねてメモしておきます。

やりたいこととしては、独自に作成したDebianパッケージ(*.debファイル)を、

  • 複数のOS: Debian, Ubuntuなど
  • 複数の版: stable, testing, nightlyなど
  • 複数のアーキテクチャ: amd64, arm64など

この3つをどのように組み合わせても対応できるような、ディレクトリ構成と、aptサーバーの設定を作成することです。

Dockerが参考になる

ディレクトリ構成は、最初から考えるのは大変なので、参考としてDockerのaptリポジトリリンク)を見てみます。

Dockerのaptリポジトリサーバー
debian/
    dists/
        buster/ : Debian 10.0
            edge/ : なんだろ?
            nightly/ : 1日ごとにビルドされた版
            pool/ : *.debが入っているディレクトリ
            stable/ : 安定版
            test/ : テスト版?
        jessie/  : Debian 8.0
        stretch/ : Debian 9.0
        wheezy/  : Debian 7.0
    gpg : GnuPGの公開鍵、apt-keyで追加する

ubuntu/
    dists/
        artful/  : Ubuntu 17.10
        bionic/  : Ubuntu 18.04 LTS
        cosmic/  : Ubuntu 18.10
        disco/   : Ubuntu 19.04
        trusty/  : Ubuntu 14.04 LTS
        xenial/  : Ubuntu 16.04 LTS
        yakkety/ : Ubuntu 16.10
        zesty/   : Ubuntu 17.04
    gpg : GnuPGの公開鍵、apt-keyで追加する

こんな作りになっています。debian/distsもしくはubuntu/distsの下に各バージョンのコードネームが並んでいます。例えばdebian/dists/busterであればDebian 10.0用です。

コードネームのディレクトリの下には、各版stable, test用のディレクトリが並んでいます。poolディレクトリは版名ではなくて、パッケージファイル *.debを格納するディレクトリです。

Debian 10.0用のディレクトリ以下
debian/
    dists/
        buster/ : Debian 10.0
            edge/ : なんだろ?
            nightly/ : 1日ごとにビルドされた版
                binary-amd64/ : PC, 64bit用パッケージ情報
                    Packages   : パッケージ一覧
                binary-arm64/ : AArch64用パッケージ情報
                binary-armhf/ : AArch32用パッケージ情報
                Contents-amd64 : PC, 64bit用
                Contents-arm64 : AArch64用
                Contents-armhf : AArch32用
            pool/ : *.debが入っているディレクトリ
                edge/ : stableと同じ構成
                nightly/ : stableと同じ構成
                stable/
                    amd64/ : PC, 64bit用 *.deb
                    arm64/ : AArch64用 *.deb
                    armhf/ : AArch32用 *.deb
                test/ : stableと同じ構成
            stable/ : 安定版
            test/ : テスト版
            InRelease   : GnuPGの署名が追記されたReleaseファイル
            Release     : Contents, PackagesのSHAハッシュ一覧が書かれたファイル
            Release.gpg : GnuPGの署名だけ書かれたファイル

Debian向けとUbuntu向けはほぼ同じ構成です。

編集者:すずき(2021/08/05 12:11)

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2019年8月11日

独自のaptサーバー - その2 - apt-ftparchiveの設定、実行

目次: apt

WebサーバーあるいはFTPサーバーでDebianパッケージを配布する場合、*.debファイル以外にContents, Package, Releaseファイルが必要です。これらのファイルを作成するためのツールがapt-ftparchiveです。

今回はHTMLサーバーで配布することを考えます。Debianだと /var/wwwがルートディレクトリになっていることが多いと思います。以降 /var/wwwがルートディレクトリだとします。

ディレクトリ構成は前回紹介(2019年8月11日の日記参照)したDockerのディレクトリ構成に習うとします。Debianパッケージはどんなファイルでも良いです(後ほどテストするときのためamd64向けのパッケージのほうが良いです)が、今回はDockerのパッケージを1つダウンロードしてきて試します。

HTMLサーバーのルートディレクトリ、*.debファイルの置き場所
# cd /var/www

# tree linux

linux
|-- conf
|   |-- apt_generate_debian_buster.conf
|   `-- apt_release_debian_buster.conf
`-- debian
    `-- dists
        `-- buster
            |-- pool
            |   `-- stable
            |       `-- amd64
            |           `-- docker-ce_19.03.1~3-0~debian-buster_amd64.deb
            `-- stable
                `-- binary-amd64

9 directories, 3 files

Debianパッケージのみを配置した後のディレクトリ構造は上記のようになります。

apt-ftparchiveの設定ファイル

設定ファイルはapt_generate_debian_buster.confとapt_release_debian_buster.confと2つを使います。前者はディレクトリ構造を指定するファイルで、apt-ftparchive generateの引数に指定します。後者はリリース情報(ラベル、オリジナルなど)を指定するファイルで、apt-ftparchive releaseの -cオプションに指定します。

各設定ファイルの書き方を紹介します。

apt_generate_debian_buster.conf

Dir::ArchiveDir ".";
Dir::CacheDir   "dists/buster";
Default::Packages::Compress   ". gzip bzip2";
Default::Packages::Extensions ".deb";
Default::Sources::Compress    ". gzip bzip2";
Default::Contents::Compress   ". gzip bzip2";
Default::FileMode             0644;
TreeDefault::Directory        "dists/buster/pool/stable/amd64";
TreeDefault::Packages         "dists/buster/stable/binary-amd64/Packages";

Tree "dists/buster" {
    Sections "stable";
    Architectures "amd64";
};

BinDirectory "dists/buster/stable/binary-amd64" {
    Packages "dists/buster/stable/binary-amd64/Packages";
    Contents "dists/buster/stable/Contents-amd64";
};

この設定ファイルにはいくつかディレクトリパスが登場します。パスはapt-ftparchiveを実行するディレクトリ(/var/www/linux/buster)からの相対パスで記述します。

Tree::SectionsとTree::Architecturesは少し特殊で、ディレクトリパスの一部を構成します。{Tree}/{Sections} ディレクトリにContentsファイルが作成され、{Tree}/{Sections}/{Architectures} ディレクトリにPackagesファイルが作成されます。

apt_generate_debian_buster.confで複数のSectionsを指定

...

Tree "dists/buster" {
    Sections "stable testing";
    Architectures "amd64";
};

上記のようにTree::Sectionsには複数のセクションが指定でき、Tree::Architecturesには複数のアーキテクチャが指定できるはずですが、今のところTreeDefault::Packagesとの対応がよくわからず、使いこなせていません。複数のセクションを同時に指定する手段が見つかったら、また日記で書こうと思います。

apt_release_debian_buster.conf

APT::FTPArchive::Release {
    Architectures "amd64";
    Components "stable";
    Label "Test Label";
    Origin "Test";
    Suite "buster";
};

リリース情報を記述するファイルは上記のように書きます。APT::FTPArchive::Releaseには他のフィールドも記述できます。apt-ftparchiveのreleaseコマンドのヘルプ(リンク)によると「Origin, Label, Suite, Version, Codename, Date, NotAutomatic, ButAutomaticUpgrades, Acquire-By-Hash, Valid-Until, Signed-By, Architectures, Components, Description」が指定できるとのことですが、意味が説明されておらず、何を書くべきなのかわかりません……。

apt-ftparchiveの実行

設定ファイルを記述した後はapt-ftparchiveを実行して、Debianパッケージの情報について記述したContents, Packages, Releaseの各ファイルを作成します。

apt-ftparchiveを実行

# export TARGET=debian
# export DIST=buster
# export SECT=stable
# export ARCH=amd64
# mkdir -p /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}/${SECT}/binary-${ARCH}
# mkdir -p /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}/pool/${SECT}/${ARCH}


### *.debファイルをコピーする(モジュールによってコピー元は違うと思うので、これは一例)
### cp *.deb /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}/pool/${SECT}/${ARCH}


### Packages, Contentsファイルを作る
### linux/debianの下でapt-ftparchiveを実行しないと *.debが見つからないといわれる

# cd /var/www/linux/${TARGET}
# find . -name "Contents-*" -or -name "Contents-*.*" | xargs rm -f
# find . -name "Packages" -or -name "Packages.*" -or -name "packages-*" | xargs rm -f
# find . -name Release -or -name Release.gpg -or -name InRelease | xargs rm -f
# apt-ftparchive generate ../conf/apt_generate_${TARGET}_${DIST}.conf


### Releaseファイルを作る
### linux/debian/dists/busterの下でapt-ftparchiveを実行しないと、
### 後ほどapt-getを実行した際にパッケージが見つからないといわれる

# cd /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}
# apt-ftparchive release -c=../../../conf/apt_release_${TARGET}_${DIST}.conf . > Release

作成手順は以上のような感じですが、かなりパスに依存した動きで癖が強いです。正直言ってわかりにくいです。

apt-ftparchiveの実行後
# tree linux

linux
|-- conf
|   |-- apt_generate_debian_buster.conf
|   `-- apt_release_debian_buster.conf
`-- debian
   `-- dists
        `-- buster
            |-- Release
            |-- packages-amd64.db
            |-- pool
            |   `-- stable
            |       `-- amd64
            |           `-- docker-ce_19.03.1~3-0~debian-buster_amd64.deb
            `-- stable
                |-- Contents-amd64
                |-- Contents-amd64.bz2
                |-- Contents-amd64.gz
                `-- binary-amd64
                    |-- Packages
                    |-- Packages.bz2
                    `-- Packages.gz

コマンド実行後、Contents, Packages, Releaseファイルが生成され、上記のように配置されます。

独自aptサーバー完成ならず?

Contents, Packages, Releaseファイルがあればapt-getにaptサーバーとして認識してもらえるはずです。

/etc/apt/sources.listに独自aptサーバーを追加

deb [arch=amd64] http://192.168.1.1/linux/debian/ buster stable

適当なDebianマシンのaptの設定ファイルに、さきほど作成した独自aptサーバーを追加し apt-get updateを実行します。HTTPサーバーのIPアドレスは192.168.1.1とします。

独自aptサーバーに対してapt-getを実行
# apt-get update

Ign:1 http://192.168.1.1/linux/debian buster InRelease
Get:2 http://192.168.1.1/linux/debian buster Release [3233 B]
Ign:3 http://192.168.1.1/linux/debian buster Release.gpg
Hit:4 http://ftp.jp.debian.org/debian testing InRelease
Reading package lists... Done
E: The repository 'http://192.168.1.1/linux/debian buster Release' is not signed.
N: Updating from such a repository can't be done securely, and is therefore disabled by default.
N: See apt-secure(8) manpage for repository creation and user configuration details.

残念ながらエラーになりました……。

Contents, Packages, Releaseファイルを作成しても終わりではありません。aptには悪意ある者がDebianパッケージを改変しても検知できる仕組みが搭載されていて、その対応をしないと「信用できないリポジトリ」だといわれてエラーになります。

(追記)下記が間違っていたので直しました。

apt_generate_debian_buster.confの修正

(誤)
TreeDefault::Directory        "dists/buster/pool/stable/stable/amd64";

(正)
TreeDefault::Directory        "dists/buster/pool/stable/amd64";
編集者:すずき(2021/08/05 12:12)

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2019年8月12日

独自のaptサーバー - その3 - aptの信頼システム

目次: apt

Packagesには各Debianパッケージのハッシュ値が記述されていて、悪意ある者がDebianパッケージを改変しても検知できるようになっています。ReleaseにはPackagesのハッシュ値が記述されていて、Packagesを改変されても検知できるようになっています。

Releaseの改変に対しては、サーバーの作成者が署名を付け、Releaseが作成時から改変されていないことを保証します。

パッケージ(*.deb) <--(ハッシュ値)-- Packages <--(ハッシュ値)-- Release <--(署名)-- InReleaseもしくはRelease.gpg

保証の関係を図示すると上記のとおりです。前回のapt-get updateのエラーメッセージはInReleaseもしくはRelease.gpgが存在しない、もしくは、あっても信頼できない署名だと言って怒っているのです。

秘密鍵、公開鍵の作成

最初からapt-getに信頼されている鍵は公式サーバーが使っている鍵ですが、当然ながら私は知りません。ですので、

  • 秘密鍵、公開鍵を作成
  • 自作した鍵をaptに信用してもらう
  • 自作した鍵でReleaseファイルに署名

という手順を取ります。

自分用の秘密鍵、公開鍵を作成
# gpg --gen-key

gpg (GnuPG) 2.2.12; Copyright (C) 2018 Free Software Foundation, Inc.
This is free software: you are free to change and redistribute it.
There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law.

Note: Use "gpg --full-generate-key" for a full featured key generation dialog.

GnuPG needs to construct a user ID to identify your key.

Real name:
...

名前やメールアドレスを聞かれるので適宜答えてください。途中でパスフレーズを聞かれます。今回はテストなので、名前はTest User、パスフレーズはabcd1234にしました。

自作した鍵をaptに信用してもらう

自作した鍵をaptに信用してもらうには、公開鍵(秘密鍵ではありません)をaptの信頼済み鍵束に登録します。

自分用の公開鍵をエクスポートしaptに登録
# gpg --list-keys

/root/.gnupg/pubring.kbx
------------------------
pub   rsa3072 2019-08-11 [SC] [expires: 2021-08-10]
      A24D479395FF7F2B4A787D29439D445DCA4AF8F6      ★このIDを指定する
uid           [ultimate] Test User
sub   rsa3072 2019-08-11 [E] [expires: 2021-08-10]


# mkdir /var/www/linux/debian/gpg
# gpg --export A24D479395FF7F2B4A787D29439D445DCA4AF8F6 > /var/www/linux/debian/gpg/public.key


# curl http://192.168.1.1/linux/debian/gpg/public.key | apt-key add -

# apt-key list

/etc/apt/trusted.gpg
--------------------
pub   rsa3072 2019-08-11 [SC] [expires: 2021-08-10]
      A24D 4793 95FF 7F2B 4A78  7D29 439D 445D CA4A F8F6    ★自作の鍵が追加された
uid           [ unknown] Test User
sub   rsa3072 2019-08-11 [E] [expires: 2021-08-10]

/etc/apt/trusted.gpg.d/debian-archive-buster-automatic.gpg
----------------------------------------------------------
pub   rsa4096 2019-04-14 [SC] [expires: 2027-04-12]
      80D1 5823 B7FD 1561 F9F7  BCDD DC30 D7C2 3CBB ABEE
uid           [ unknown] Debian Archive Automatic Signing Key (10/buster) <ftpmaster@debian.org>
sub   rsa4096 2019-04-14 [S] [expires: 2027-04-12]

/etc/apt/trusted.gpg.d/debian-archive-buster-security-automatic.gpg
-------------------------------------------------------------------
pub   rsa4096 2019-04-14 [SC] [expires: 2027-04-12]
      5E61 B217 265D A980 7A23  C5FF 4DFA B270 CAA9 6DFA
uid           [ unknown] Debian Security Archive Automatic Signing Key (10/buster) <ftpmaster@debian.org>
sub   rsa4096 2019-04-14 [S] [expires: 2027-04-12]

...

自分で作った鍵ペアのうち、公開鍵をgpg --exportでファイルにエクスポートし、HTTPサーバーに配置します。公開鍵ファイルをapt-key addで信頼済みの鍵束に追加します。

今回作成した鍵はテストが終わったら不要なのでapt-key del ’キーID’ で削除してください。apt-key listで出てきたキーIDをコピペすれば良いです(スペースもそのまま入れてOK)。

自作した鍵でReleaseファイルに署名する

最後にReleaseファイルに署名します。Releaseファイルの署名には2種類あって、署名をReleaseファイルと一緒に書くInReleaseファイルと、署名だけを別に書くRelease.gpgファイルがあります。

InReleaseだけ作成すれば機能するようですが、とりあえず両方の作り方を紹介しておきます。

Releaseの署名を作成する

### GnuPGでReleaseファイルに署名

# echo -n "abcd1234" | gpg --batch --passphrase-fd 0 --pinentry-mode loopback --clearsign -o InRelease Release
# echo -n "abcd1234" | gpg --batch --passphrase-fd 0 --pinentry-mode loopback -abs -o Release.gpg Release
# chmod 644 Release InRelease Release.gpg

署名が完了したらapt-get updateしてみましょう。

Releaseの署名を作成する
# apt-get update

Get:1 http://192.168.1.1/linux/debian buster InRelease [3941 B]
Hit:2 http://ftp.jp.debian.org/debian testing InRelease
Get:3 http://192.168.1.1/linux/debian buster/stable amd64 Packages [1752 B]
Get:4 http://192.168.1.1/linux/debian buster/stable amd64 Contents (deb) [1242 B]
Fetched 6935 B in 0s (25.7 kB/s)                               
Reading package lists... Done

うまくいきました。apt-get install docker-ceを実行すると、、、

apt-getを実行
# apt-get install docker-ce

Reading package lists... Done
Building dependency tree
Reading state information... Done
Package docker-ce is not available, but is referred to by another package.
This may mean that the package is missing, has been obsoleted, or
is only available from another source
However the following packages replace it:
  docker-ce-cli

E: Package 'docker-ce' has no installation candidate

どうやら依存関係を無視してDockerのパッケージを1つしか登録しなかったため、依存関係のエラーが出てしまったようです。

他のパッケージ(docker-ce_cli, container.io)もダウンロードしましょう。pool/stable/amd64の下に追加し、apt-ftparchiveと署名をやり直します。

依存するパッケージを追加
linux
|-- conf
|   |-- apt_generate_debian_buster.conf
|   `-- apt_release_debian_buster.conf
`-- debian
    |-- dists
    |   `-- buster
    |       |-- InRelease
    |       |-- Release
    |       |-- Release.gpg
    |       |-- packages-amd64.db
    |       |-- pool
    |       |   `-- stable
    |       |       `-- amd64
    |       |           |-- containerd.io_1.2.6-3_amd64.deb
    |       |           |-- docker-ce-cli_19.03.1~3-0~debian-buster_amd64.deb
    |       |           `-- docker-ce_19.03.1~3-0~debian-buster_amd64.deb
    |       `-- stable
    |           |-- Contents-amd64
    |           |-- Contents-amd64.bz2
    |           |-- Contents-amd64.gz
    |           `-- binary-amd64
    |               |-- Packages
    |               |-- Packages.bz2
    |               `-- Packages.gz
    `-- gpg
        `-- public.key

10 directories, 16 files

以上のようなディレクトリ構成になるはずです。もう一度apt-get install docker-ceしてみましょう。

再びapt-getを実行
# apt-get install docker-ce

Reading package lists... Done
Building dependency tree 
Reading state information... Done
The following additional packages will be installed:
  aufs-dkms aufs-tools cgroupfs-mount containerd.io docker-ce-cli
Suggested packages:
  aufs-dev
The following NEW packages will be installed:
  aufs-dkms aufs-tools cgroupfs-mount containerd.io docker-ce docker-ce-cli
0 upgraded, 6 newly installed, 0 to remove and 0 not upgraded.
Need to get 0 B/88.0 MB of archives.
After this operation, 390 MB of additional disk space will be used.
Do you want to continue? [Y/n]

Selecting previously unselected package aufs-dkms.
(Reading database ... 325385 files and directories currently installed.)
Preparing to unpack .../0-aufs-dkms_4.19+20190211-1_all.deb ...
Unpacking aufs-dkms (4.19+20190211-1) ...
Selecting previously unselected package aufs-tools.
Preparing to unpack .../1-aufs-tools_1%3a4.14+20190211-1_amd64.deb ...
Unpacking aufs-tools (1:4.14+20190211-1) ...
Selecting previously unselected package cgroupfs-mount.
Preparing to unpack .../2-cgroupfs-mount_1.4_all.deb ...
Unpacking cgroupfs-mount (1.4) ...
Selecting previously unselected package containerd.io.
Preparing to unpack .../3-containerd.io_1.2.6-3_amd64.deb ...
Unpacking containerd.io (1.2.6-3) ...
Selecting previously unselected package docker-ce-cli.
Preparing to unpack .../4-docker-ce-cli_5%3a19.03.1~3-0~debian-buster_amd64.deb ...
Unpacking docker-ce-cli (5:19.03.1~3-0~debian-buster) ...
Selecting previously unselected package docker-ce.
Preparing to unpack .../5-docker-ce_5%3a19.03.1~3-0~debian-buster_amd64.deb ...
Unpacking docker-ce (5:19.03.1~3-0~debian-buster) ...
Setting up aufs-tools (1:4.14+20190211-1) ...
Setting up containerd.io (1.2.6-3) ...
Created symlink /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/containerd.service -> /lib/systemd/system/containerd.service.
Setting up docker-ce-cli (5:19.03.1~3-0~debian-buster) ...
Setting up aufs-dkms (4.19+20190211-1) ...
Loading new aufs-4.19+20190211 DKMS files...
Building for 4.19.0-5-amd64
Building initial module for 4.19.0-5-amd64
Done.

...

以上のようにapt-getもうまくいきました。良かった良かった。

編集者:すずき(2021/08/05 12:12)

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2019年8月13日

独自のaptサーバー - その4 - まとめ

目次: apt

まとめです。

ディレクトリ構成、設定ファイル

ディレクトリ構成は下記のとおりです。Dockerのパッケージサーバーを参考リンク)にしています。

HTMLサーバーのルートディレクトリ、ディレクトリ構成
linux
|-- conf
|   |-- apt_generate_debian_buster.conf
|   `-- apt_release_debian_buster.conf
`-- debian
    |-- dists
    |   `-- buster
    |       |-- InRelease
    |       |-- Release
    |       |-- Release.gpg
    |       |-- packages-amd64.db
    |       |-- pool
    |       |   `-- stable
    |       |       `-- amd64
    |       |           |-- containerd.io_1.2.6-3_amd64.deb
    |       |           |-- docker-ce-cli_19.03.1~3-0~debian-buster_amd64.deb
    |       |           `-- docker-ce_19.03.1~3-0~debian-buster_amd64.deb
    |       `-- stable
    |           |-- Contents-amd64
    |           |-- Contents-amd64.bz2
    |           |-- Contents-amd64.gz
    |           `-- binary-amd64
    |               |-- Packages
    |               |-- Packages.bz2
    |               `-- Packages.gz
    `-- gpg
        `-- public.key

10 directories, 16 files

パッケージの情報ファイルを作成するapt-ftparchiveの設定ファイルは2種類あり、下記のとおりです。

apt_generate_debian_buster.conf

Dir::ArchiveDir ".";
Dir::CacheDir   "dists/buster";
Default::Packages::Compress   ". gzip bzip2";
Default::Packages::Extensions ".deb";
Default::Sources::Compress    ". gzip bzip2";
Default::Contents::Compress   ". gzip bzip2";
Default::FileMode             0644;
TreeDefault::Directory        "dists/buster/pool/stable/stable/amd64";
TreeDefault::Packages         "dists/buster/stable/binary-amd64/Packages";

Tree "dists/buster" {
    Sections "stable";
    Architectures "amd64";
};

BinDirectory "dists/buster/stable/binary-amd64" {
    Packages "dists/buster/stable/binary-amd64/Packages";
    Contents "dists/buster/stable/Contents-amd64";
};
apt_release_debian_buster.conf

APT::FTPArchive::Release {
    Architectures "amd64";
    Components "stable";
    Label "Test Label";
    Origin "Test";
    Suite "buster";
};

Tree::Sections, Tree::Architecturesに複数の値を指定したとき、他の設定をどのように書けばよいのか?についてはこれからの課題ですね。

apt-ftparchiveの実行と署名

設定ファイルを作ったらapt-ftparchiveコマンドを実行し、Releaseファイルに署名します。

apt-ftparchiveを実行、Releaseファイルに署名

export TARGET=debian
export DIST=buster
export SECT=stable
export ARCH=amd64
mkdir -p /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}/${SECT}/binary-${ARCH}
mkdir -p /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}/pool/${SECT}/${ARCH}


# *.debファイルをコピーする(モジュールによってコピー元は違うと思うので、これは一例)
# cp *.deb /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}/pool/${SECT}/${ARCH}


# Packages, Contentsファイルを作る
# linux/debianの下でapt-ftparchiveを実行しないと *.debが見つからないといわれる

cd /var/www/linux/${TARGET}
find . -name "Contents-*" -or -name "Contents-*.*" | xargs rm -f
find . -name "Packages" -or -name "Packages.*" -or -name "packages-*" | xargs rm -f
find . -name Release -or -name Release.gpg -or -name InRelease | xargs rm -f
apt-ftparchive generate ../conf/apt_generate_${TARGET}_${DIST}.conf


# Releaseファイルを作る
# linux/debian/dists/busterの下でapt-ftparchiveを実行しないと、
# 後ほどapt-getを実行した際にパッケージが見つからないといわれる

cd /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}
apt-ftparchive release -c=../../../conf/apt_release_${TARGET}_${DIST}.conf . > Release


# GnuPGでReleaseファイルに署名

echo -n "abcd1234" | gpg --batch --passphrase-fd 0 --pinentry-mode loopback --clearsign -o InRelease Release
echo -n "abcd1234" | gpg --batch --passphrase-fd 0 --pinentry-mode loopback -abs -o Release.gpg Release
chmod 644 Release InRelease Release.gpg

GnuPGの鍵ファイルの作成と、aptへの登録方法については、その3をご参照ください。

編集者:すずき(2021/08/05 12:12)

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2019年8月16日

スマホ買い換え

スマホを買い替えました。Zenfone 6が出るとか出ないとか言われているなか、あえて型落ちのZenfone 4 (ZE554KL) を買いました。Amazonで32,000円でした。

高性能処理が必要なゲームなどはしませんし、CPU/GPUともに最高性能のいわゆるハイエンド機種は不要です。ハイエンド機は値段も高いですし……。

CPU/GPUはそこそこで電池持ちが良く、メモリが多くて動作が快適な、いわゆるミドルハイと呼ばれる機種が欲しいのですが、世の中的に人気がないらしく、作ってくれるメーカーはどんどん減っています。

最初はZenfone 5の購入を検討していましたが、ASUSもZenfone 5からミドルハイ(Snapdragon 66xクラス)の機種を出さなくなったようで、購入したい機種がありませんでした。

そんななか、Zenfone 4はSnapdragon 660と6GB RAM搭載で、ドンピシャの機種でした。もう今後、このタイプのミドルハイ機種は出ないかもしれないですねえ。

おおSIMカードよ、大きさが違うとは情けない

今日Zenfone 4が家に届いたのですが、SIMカードがnano-SIMしか対応していませんでした。

現在使っているZenfone 3 Deluxe 5.5 (ZS550KL) はmicro-SIMなので、そのまま差し替えという訳にはいきません。困ったなあ。

ドコモショップに行かないとnano-SIMは手に入らないようです。ドコモショップは行きたくないんだけど、今回ばかりは仕方ないか……。

メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。

編集者:すずき(2021/04/01 22:00)

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2019年8月21日

ROCKPro64とアナログオーディオ - その1 - linux-nextのドライバ

目次: ROCK64/ROCKPro64

ROCKPro64でRockchipの公開しているLinux(以降、Rockchip Linux)ではヘッドフォン出力できるのに、linux-nextだとできないのはどうして?と思って調べていたところ、悲しいことがわかりました……。

ROCKPro64はEverest ES8316というDACを搭載しています。ドライバはsound/soc/codecs/es8316.cです。なんとこのドライバはですね、Rockchip Linuxに実装されているドライバ(Rockchipの人が書いた)と、linux-nextのドライバ(Everestの人がUpstreamした)が全然違う実装になっています。

ES8316のドライバが全く違うお陰で、Rockchip Linuxからdevicetreeを持ってきてもウンともスンとも言わないのです。まさかES8316のドライバ実装が全く違なんて想像していませんでした。どうしてこんなことに……。

しばらく戦ってみましたが、linux-nextのES8316ドライバの動きは良くわかりませんでした。clocksプロパティにダミーの12MHzクロックを指定すると、とりあえずドライバは文句を言わなくなるものの、肝心の音は鳴りません。

残念ながらRK3399側の問題(例えばMCLKが出力されていないなど)なのか、ES8316側の問題なのか切り分けができていません。

各端子に来ている信号をオシロスコープで見れば、原因の切り分けができるのはわかっていますが、ROCKPro64はプローブを当てることなど考慮して作っておらず、端子に名前が書いてないし、非常に細かいです。変にプローブを当てるとショートさせてしまいそうです。

編集者:すずき(2020/10/30 00:52)

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2019年8月25日

安くて良いヘッドフォン

AKG K240に似ていることで有名(?)なSuperlux HD681Bを買いました。Amazonで3,000円程度です。噂通り音は良いです。

残念ながら数万円する高級ヘッドフォンを使った経験はほぼないので、高級な音かどうかまではわかりません。

現在使っているaudio-technica ATH-TAD500はかなりシャリシャリ気味の音ですが、HD681Bはさらに輪をかけて高音が強いです。かなりキンキンしています。

普段聴いている音楽をHD681Bで聴いてみると、今まで聞いたことのない「キーン…、キーン…!」という音が聞こえます。こんな音鳴ってたのか…??

感想

大きさの割に軽いし、圧迫されるような感じはしませんが、長時間使うとちょっと耳が痛くなります。

この製品に限った話ではありませんが、レザータイプのイヤーパッド(=汗を吸わない)、セミオープンエアー型(=音漏れが激しい)なので、室内用に最適だと思います。

メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。後半を追記。

編集者:すずき(2019/08/25 15:06)

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2019年8月29日

独自のaptサーバー - その5 - 複数のセクションに対応する

目次: apt

前回、Tree::Sectionsには複数のセクションが指定でき、Tree::Architecturesには複数のアーキテクチャが指定できますが、TreeDefault::Packagesとの対応がよくわからない。と書きましたが、複数のセクションを同時に指定する手段が見つかったので、メモしておきたいと思います。

書き方は簡単で、前回TreeDefaultのパスに出現するセクション名をstableと決め打ちで書いていました。これを $(SECTION) に置き換えるだけです。アーキテクチャ名なら $(ARCH) です。

apt_generate_debian_buster.confで複数のSectionsを指定

Dir::ArchiveDir ".";
Dir::CacheDir   "dists/buster";
Default::Packages::Compress   ". gzip bzip2";
Default::Packages::Extensions ".deb";
Default::Sources::Compress    ". gzip bzip2";
Default::Contents::Compress   ". gzip bzip2";
Default::FileMode             0644;
TreeDefault::Directory        "dists/buster/pool/$(SECTION)/$(ARCH)";
TreeDefault::Packages         "dists/buster/$(SECTION)/binary-$(ARCH)/Packages";

Tree "dists/buster" {
    Sections "stable testing nightly";
    Architectures "amd64";
};

それともう一つ差分がありまして、BinDirectoryの指定はなくても動くことがわかりましたので、削除しています。

セクションを複数指定できるようになりましたので、スクリプトも若干変わります。

apt-ftparchiveを呼ぶスクリプト

export TARGET=debian
export DIST=buster
export ARCH=amd64

for SECT in stable testing nightly
do
    mkdir -p /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}/${SECT}/binary-${ARCH}
    mkdir -p /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}/pool/${SECT}/${ARCH}
done


### *.debファイルをコピーする(モジュールによってコピー元は違うと思うので、これは一例)
### cp *.deb /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}/pool/${SECT}/${ARCH}


### Packages, Contentsファイルを作る
### linux/debianの下でapt-ftparchiveを実行しないと *.debが見つからないといわれる

cd /var/www/linux/${TARGET}
find . -name "Contents-*" -or -name "Contents-*.*" | xargs rm -f
find . -name "Packages" -or -name "Packages.*" -or -name "packages-*" | xargs rm -f
find . -name Release -or -name Release.gpg -or -name InRelease | xargs rm -f
apt-ftparchive generate ../conf/apt_generate_${TARGET}_${DIST}.conf


### Releaseファイルを作る
### linux/debian/dists/busterの下でapt-ftparchiveを実行しないと、
### 後ほどapt-getを実行した際にパッケージが見つからないといわれる

cd /var/www/linux/${TARGET}/dists/${DIST}
apt-ftparchive release -c=../../../conf/apt_release_${TARGET}_${DIST}.conf . > Release


### Releaseファイルに署名する

echo -n "abcd1234" | gpg --batch --passphrase-fd 0 --pinentry-mode loopback --clearsign -o InRelease Release
echo -n "abcd1234" | gpg --batch --passphrase-fd 0 --pinentry-mode loopback -abs -o Release.gpg Release
chmod 644 Release InRelease Release.gpg

これで粗方、やりたかったことができたのではないかと思います。

動作確認

今回もDockerのリポジトリから *.debを拝借します。セクションStableにはcontainerd.io、Testingにはdocker-ce-cli、Nightlyにはdocker-ceを配置するなど、各セクションに全く違う *.debを配置すると後で見やすいです。

テストに使うディレクトリ

# tree linux/

linux/
|-- conf
|   |-- apt_generate_debian_buster.conf
|   `-- apt_release_debian_buster.conf
`-- debian
    |-- dists
    |   `-- buster
    |       |-- InRelease
    |       |-- Release
    |       |-- Release.gpg
    |       |-- nightly
    |       |   |-- Contents-amd64
    |       |   |-- Contents-amd64.bz2
    |       |   |-- Contents-amd64.gz
    |       |   `-- binary-amd64
    |       |       |-- Packages
    |       |       |-- Packages.bz2
    |       |       `-- Packages.gz
    |       |-- packages-amd64.db
    |       |-- pool
    |       |   |-- nightly
    |       |   |   `-- amd64
    |       |   |       `-- docker-ce_0.0.0-20180901050402-e5babb2-0~debian_amd64.deb
    |       |   |-- stable
    |       |   |   `-- amd64
    |       |   |       `-- containerd.io_1.2.0-1_amd64.deb
    |       |   `-- testing
    |       |       `-- amd64
    |       |           `-- docker-ce-cli_18.09.0~3-0~debian-buster_amd64.deb
    |       |-- stable
    |       |   |-- Contents-amd64
    |       |   |-- Contents-amd64.bz2
    |       |   |-- Contents-amd64.gz
    |       |   `-- binary-amd64
    |       |       |-- Packages
    |       |       |-- Packages.bz2
    |       |       `-- Packages.gz
    |       `-- testing
    |           |-- Contents-amd64
    |           |-- Contents-amd64.bz2
    |           |-- Contents-amd64.gz
    |           `-- binary-amd64
    |               |-- Packages
    |               |-- Packages.bz2
    |               `-- Packages.gz
    `-- gpg
        `-- public.key

18 directories, 28 files

上記はリポジトリ情報を生成した後の状態です。各セクションの下にContentsとPackagesが生成されます。ファイルが生成できたら /etc/apt/sources.listにこのサーバーを指定して、apt-get updateを実行します。

/etc/apt/sources.listに独自aptサーバーを追加

deb [arch=amd64] http://192.168.1.1/linux/debian/ buster stable
  -> containerd.ioがインストールでき、他のdocker-ce-cliやdocker-ceはインストールできないはず

deb [arch=amd64] http://192.168.1.1/linux/debian/ buster testing
  -> docker-ce-cliがインストールでき、他のcontainerd.ioやdocker-ceはインストールできないはず

deb [arch=amd64] http://192.168.1.1/linux/debian/ buster nightly
  -> docker-ceがインストールでき、他のcontainerd.ioやdocker-ce-cliはインストールできないはず

指定の方法は上記のとおりです。セクション名stableの部分をtestingやnightlyに入れ替えても、apt-get updateが成功すれば、複数セクションの扱いはうまくいっています。

また、セクションstableを選んだときはcontainerd.ioがインストールできて、他のものはインストールできないはずです。testingだとdocker-ce-cli、nightlyだとdocker-ceがインストールできて、他の2つはインストールできなくなります。セクション指定が機能していることがわかると思います。

編集者:すずき(2021/08/05 12:12)

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2019年8月31日

ROCKPro64とアナログオーディオ - その2 - Headphone Mixerボリュームのバグ

目次: ROCK64/ROCKPro64

ROCKPro64に搭載されているCODEC(※)はEverest ES8316というICです。このICをlinux-nextのドライバで制御すると、異常な動作をします。

具体的には、Headphone Mixerのボリュームを5以上に変更すると、突然、ほぼ最大音量の馬鹿デカい音になり、バリバリというノイズが載ります。あまりにノイズがひどくて、聴くに堪えないレベルですし、音がうるさくてたまらないです。

ボリューム5〜7は使い物にならないようなので、ボリュームを4にリミットするパッチをLinux Kernel MLに投稿したところ、ドライバの作者が現れ「今の実装の設定値はおかしい」とアドバイスをくれました。作者曰く現在のドライバは、禁止された設定値をレジスタに書いているそうです。正しい設定値も教えてくれました。

教えていただけるのはありがたいんだけど、既に知っていたなら直してほしかったな……。さておき、正しい設定値を入れたパッチを再作成して、投稿しました。

動作テストしているときに、左右のボリュームの「効き」が反転しているバグにも気づいたので、問題を修正するパッチも合わせて投稿しました。

両パッチともに、先日Linux ASoCツリーに取り込まれたようです。このままLinux 5.3に取り込まれると思われます。良かった良かった。

(※)LinuxではI2Sなどのデジタルオーディオとアナログオーディオ間を変換するDAC/ADCをCODEC と呼びます。

確かにCode/Decodeを行うため、使い方としては合っているし、こちらの方が一般用語かもしれないが、テレビ系SoCとの関わりが深かったので、codecと言われるとMPEG2やAACのような動画像、音声圧縮展開の方を思い浮かべてしまう……。

メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。全体的に小修正。

編集者:すずき(2020/10/30 00:54)

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