だいぶ周回遅れですが、リコリス・リコイルの最終回を見てました。最終回に限らず銃撃アクションはどの回も良かったな〜と思います。設定はイマイチ良くわからないですけど、あまり気にしても仕方ないです。それはさておき。ニコニコ動画は、
があって、有料版はちょっと変わってるらしいので、試しに契約してみました。サブスクリプション方式でした、月額440円だそうです。
現在のニコニコ動画の配信方式はHLS(HTTP Live Streaming, 規格は RFC8216 にて規定)といいまして、MPEG2-TSファイルを細かく(3〜10秒程度)分割して、クライアントから再生要求された位置から順に送るだけのシンプルな方式です。MPEG2-TSの弱点はインデックスなどの情報が一切なくてサーチが大変なことですが、あらかじめ分割しているため苦労してサーチをする必要がありません。
ちなみにリコリス・リコイルの無料放送版の場合、コーデックは見ての通りでFull HDじゃないです……。有料版でもHD 720pですから、画質が気になる方にはイマイチかもしれません。他のアニメも同じなのでしょうか?調べていないのでわかりませんけど。
HLSではプレイリスト(ファイル名が*.m3u8)も一緒に送られてきて、リストにTSファイル名が全て載っています。プレイリストにあるTSを順番にダウンロードし、単純連結するだけで動画全体のTSファイルが引っこ抜けます。これはセキュリティホールとかではなく元々HLSはこういう仕様です。
有料版も同様にHLSで配信されていますがAES-128-CBC暗号化されていて、TSファイルを引っこ抜いても再生できません。しかしなぜか無料版は暗号化されておらずTSファイルを引っこ抜くと再生できてしまいます。設定ミス……?わざと?まあどっちでもいいですけど。
キャプチャだとわかりにくいかもしれませんが、右下に「ニコニコ」の透かしが入っています。有料版は入っていません。
TSファイルのサイズを比較(AES-128-CBC暗号化でファイルサイズは変化しないので、この比較には意味がある)してみましょうか。使ったのはリコリス・リコイル最終話です。
有料版(dアニメ支店版)は100MBくらい小さいです。無料版は先ほど説明したように右下に透かしを入れるために再エンコードしていると思いますが、再エンコードだけでは説明できないほどサイズが違います。なんで?と思って調べてみたら、どうやら、
になっているようです。オープニングのエレベータが降りていくシーンが非常にわかりやすいです。高速(120fpsとか)で動画が撮れるカメラを使うと、無料版は5コマに1回、画が止まることがわかります。
有料版(24fps)が
1 2 3 4 5 6 7 8
このような出方だとして、無料版(30fps)は
1 2 3 4 4 5 6 7 8 8
みたいな出方をします。
意図通りか間違えたか知りませんが、無料版だけ30fpsに変換しているためファイルサイズがやたらデカいようで、暗号化もされていません。どちらかといえば無料版の方が不思議な作りですね。
メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。色々と加筆修正。
ニコニコ動画の24p → 30pの変換の仕方と、テレビなどが行っている24p → 60iの変換の仕方(2-3プルダウン、3-2プルダウンとも呼ぶ)を図示してみました。もうちょっとわかりやすくしたかったけど……絵心が足りませんでした。
24pから30p, 60i(2-3プルダウン), 60pへの変換
24p → 30p変換は非常にシンプルで、24pフレームの表示すべき時間(PTS: Presentation Timestamp)に到達していたら表示、まだだったら前と同じフレームをリピート、という非常に単純な処理です。利点は画が自然なことで、欠点はカクつくことです。縦や横に一定速度でスクロールするシーンは進んで止まってを繰り返すためガクガクします。
2-3プルダウンは若干ややこしく、インターレース(偶数ラインと奇数ラインが交互に更新される)の特徴を使います。60iの3コマ目(5-6フィールド)に24pの2, 3コマ目の偶数、奇数ラインを混合した画を出します。4コマ目(7-8フィールド)は24pの3, 4コマ目の混合です。利点はカクつきが少ないことで、欠点は画が不自然になることです。例えば24pの2コマ目にリンゴ、3コマ目に突然オレンジが映る場合、60iの3コマ目はリンゴとオレンジが縞々に合わさったキメラ画像になります。
このように2-3プルダウンは良くできているものの完全無欠ではないので、テレビによって扱われ方が違います。最近のテレビであればおそらく画像が24pだと検知すると自動的に2-3プルダウンが発動すると思いますけど、製品によっては「映画モード」とかに変えないと発動しないかもしれません……。
最後に24p → 60p変換ですが、何の工夫もないのにほぼカクつきなしで不自然な画もありません。24pは下手に30pとか60iに変換せず、60pで殴りなさいという悲しい結論ですね。細かく見れば2コマ、3コマ、2コマ、3コマ……と繰り返されるので1/120秒の揺らぎがあります。でも人間にはわからないと思います。たぶん。とりあえず私はさっぱりわかりません。
メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。色々とマージ&加筆修正。
興味本位で調べていたんですが、ニコニコ動画のHLSの暗号化の仕組みがわかりました。基本的には暗号化HLSと同じです。m3u8ファイルにEXT-X-KEY Tag(仕様は RFC8216 4.3.2.4 EXT-X-KEY にあります)があって、METHOD=AES-128(暗号化方式がaes-128-cbc方式)、鍵のありかを示すURI、IV(Initial Vector)が書いてあるタイプです。他のAttributesは使っていません。
暗号化自体はaes-128-cbcですが、復号用の鍵の扱いはHLSの規格と異なっておりURIに示されたファイルを使っても復号できません。暗号化の仕組みを見た限り、コスト度外視でガチガチにガードするDRMというより、ffmpegなどのHLS再生に対応した有名ツールを使ってお手軽ダウンロードされなければヨシ!という作りに見えます。HLS規格から大改造すればするほど既存ライブラリが使えなくなったり、クライアントもサーバーも作るのが大変になるからではないかと推測しています。
AESは鍵さえわからなくすれば復号できませんから、基本的にはHLSに準拠して扱いを楽にしておき、鍵だけ規格から外した扱いで実装してある、なかなか面白いバランスでした。商用サービスの設計を垣間見た気がします。なるほどなあ。
鍵の取得方法も調べましたが詳しくは述べません。RC2から(※)のニコ動ユーザーとして、これからも末永く利用したいので、ニコ動の不利益になることは本意じゃないです。ニコ動がんばって。応援してるぜー。
改正著作権法ではDRM回避行為そのものも違法(今は罰則はありませんが……)です。回避装置の譲渡には懲役刑や罰金刑といった刑事罰があります(参考: 私的リッピングも違法!?いよいよ改正著作権法が一部施行 - 週刊アスキー)。
「再現可能なレベルの回避手段の解説」=「回避装置の譲渡(懲役刑や罰金刑といった刑事罰がある)」とみなされて当然だと思うので、私は絶対にDRM解除方法は公には書きません(方法を知っても他人に教えません)。皆様もパズルの答えの感覚で「DRMの解き方がわかった!方法はこうしてこう!」ってその辺に書かないようにしましょう。
(※)ニコニコ動画の変遷を見るとRC2は2007年〜2008年頃だから約15年経ちましたか。早いもんですね。
Microsoft Edgeは独自のHTMLレンダリングエンジンを捨てて、Google Chromeと同様BlinkというHTMLレンダリングエンジンに切り替えました(2020年くらい)。という経緯を知っていたので、今までEdgeとChromeは大差ないと思っていたのですが、Alt+Tabを押したときの挙動が違うことに気づきました。
Windows 10はAlt+TabでEdgeのタブ切り替えができる
Edgeのウインドウは1つしかありませんが、Alt+Tabを押すとEdgeが2つ表示され、EdgeのタブがWindowsのウインドウのように特別扱いされることがわかります。普段Edgeを使わないため全くこの機能を知りませんでした。またWindows 10の設定ウインドウを見ていて、この機能をOFFにできることも知りました。
Edge以外のブラウザ、ファイル管理、ターミナルなど、タブ機能を持ったアプリはそこそこ多いと思いますが、EdgeのタブだけAlt+Tabで切り替え、他のタブ機能は切り替えできない、という一貫性のなさは混乱しますが……。ウケが良かったらそのうちOSの標準機能になるかもしれませんね。
目次: 射的
保存場所がないのでエアガンはハンドガンしか買わないようにしていたのですが、頑張れば1つくらいなら置けるか?ってことで1つだけ買いました。
台湾のWE-Tech製、SVDことドラグノフ狙撃銃です。ロシア語は良くわかりませんが、Sがスナイパー、Vがライフル、Dがドラグノフに相当するみたい。英語(Dragunov Sniper Rifle)とは逆順ですね。
シンプルかつ細身のフォルムがカッコいいです。形だけで言えば一番好きなのはH&K PSG-1ですが、スコープがなくても撃てる方が都合が良かったので、次くらいにカッコいいと思うSVD先生を選びました。
黒いプラスチックのストックより、木というかフェイクウッドのストックにするとさらにソビエト感が出るんですけど、値段見たらすっごい高かったのでヒヨってやめました……。
BB弾を発射すると、銀色のボルト(アルミ製かな?)のところがガス圧で後退&前進します。大きく重いボルトなだけあって、ガシーン!という強めの衝撃、良い金属音が鳴ります。おおーこれはなかなか良いです。家だと相当ウルサイのが難点ですが……。
ボルト以外の部分も基本的に金属らしき部品が多いです。鉄とアルミ製かな?これも重量感があって良いですね。
家に箱が届いた瞬間に「何だ?デケェな!」って思いましたが、箱を開けてもやっぱりデカいです。約120cmあります。狙撃銃は最長の部類ですから当たり前ですね。1つ目に買う銃じゃありませんでしたか……?まあ、カッコ良ければ全てヨシ!ヨシ!!
家で試し打ちしましたが、銃身が長すぎてBB弾が飛ぶ方向が良く見えません。サイトをどこに合わせたら良いかわからなくて困ったので、レンジで試し打ちしながら調整した方が良いかもしれません。今度頑張って背負って行きましょうか。
あとはWE-Techに限らず海外製ガスガンではあるある現象らしいですが、
BB弾は未だにコツが良くわからないです。失敗してパカーーンってぶちまけてしまい地味にイライラします……。
目次: Kindle
Amazonは荷物が消えるといううわさは聞いていましたが、ついに自分も荷物消滅事件に遭遇しました。最近のAmazonはコストカットなのか、配達業者が代わって配達の質が雑になっている気がします。
先日注文した商品が届いていない気がしたのでステータスを見ると「お荷物の状況を確認できません」となっています。
ヘルプの「配送について」を押すとエラーになってしまいました。あららー。
顛末としては、Amazonのカスタマーサービスに連絡したところ「配送のトラブルのようだ」とのことで、返金処理になりました。幸いにもこの世に1つしかない商品の類ではなく、再び購入できて特に困りませんでした。が、もし二度と買えない(限定品など)場合は返金されても非常に困るでしょうね……。
目次: 射的
東京マルイ製のU.S.M9やM9A1といったベレッタ92を基にしたエアガンは非常に良くできているのですが、イタリアのベレッタ社とのライセンスの関係上?ベレッタ社のロゴが使えないようです。エアガンのグリップには似た形のニセのロゴが描かれています。
ちなみにベレッタ社は純正のプラグリップを販売しています。銃本体ではないので日本に持ち込んでも問題はないし、思っていたより安かった(4,000円くらい)ので試しに買いました。
届いた品物を見たところ、面白いことにベレッタ純正のプラグリップの方が安っぽく、東京マルイ製のニセ物ロゴグリップの方が明らかに質が良いです。
ベレッタ92のグリップ、左: ベレッタ純正、右: 東京マルイ製
左がベレッタ純正、右が東京マルイ製です。東京マルイ製の方がグリップの山が均一で見た目もきれい、つや消しもぬかりなくて、手触りもよいです……。可能ならロゴだけ移植したいくらいの出来です。
今回のグリップ交換は見た目改善だけですが、副次的な効果として銃が軽くなります。なぜかというと東京マルイのグリップ内には重りが入っていて、ベレッタ純正のグリップでは重りが入っていないためです。エアガンの銃本体は実銃と異なりプラスチック製で軽いため、グリップを重くして実銃らしさを出そうとしています。なのでマルイ→ベレッタグリップに交換するとグリップ内の重りのぶんだけ軽くなってしまうのです。
届いた商品の箱を開けると、各トイガンメーカーのベレッタ92タイプのエアガンに対して、そのまま付くか付かないか(=多少の加工が必要)を説明した紙が入っていました。
検索用に文字起こししておきました。
★★東京マルイ ガスBLK★★
M9A1
取り付け可能です。
M92Fミリタリー
右側のグリップスクリューナットの位置とグリップがずれているので、グリップ部の穴を広げ、トリガーバーの可動部のすり合わせを行えば取り付け可能です。
タクティカルマスター
スライドストップがロングタイプの為、取付不可。それ以外はM92Fミリタリーと同様です。
★★KSCガスBLK★★
M9シリーズ
両側のグリップスクリューナットの位置がグリップがずれている為、穴を広げる調整が必要です。
★★マルシン モデルガン★★
M92Fシリーズ
取り付け可能です。
★★タナカ モデルガン★★
M92Fシリーズ
両側のグリップスクリューナットの位置がグリップがずれている為、穴を広げる調整が必要です。
(注意書きの部分)
当社製品はエアソフトガンの分解・修理・調整に熟知された方を対象としております。
銃本体とグリップにも個体差があり必ずしもフィットするとは限らないのでご注意ください。
誤使用及び、経験不足/加工による破損等の諸問題が発生した場合いかなる状況でも保証はいたしかねます。
実銃用のグリップを日本で売る=エアガンに装着するしかない、ということはベレッタ社もわかっているようですね。
おそらく10年前くらいに買ったシーリングライトの蛍光灯が切れてしまいました。交換用の蛍光灯を検索したところ既に廃番で、2世代ほど世代交代していました。蛍光灯は長持ちですねえ。
今日買ったユーザーが次買うのは3世代先の製品だと考えると、開発は難しいですね。安易に口金の形を変えたりすると「交換しようとしたが嵌らないよ(泣」というクレームの嵐になりそうですし。設計に失敗したら新型で置き換えるまで尋常じゃない時間掛かります。
要らないお世話ですけど、たった数千円なのにこんな低い交換頻度で儲かるんだろうか?とも思います。2回目交換する前にシーリングライト本体が壊れそうですよね。
医療保険の給付金が無事給付されました。給付金は、入院一時金 + (入院日数9日扱いx日ごとの給付) = 合計10万円くらいでした。
給付金の申請をしたのは久しぶりだったため、給付申請に添付する書類をミスって2回くらい返ってきました。住友生命にはお手数をお掛けをしました。ま、最終的に給付されたので良いでしょう……。
私と奥さんがCOVID-19に感染したのは8月です。8月はCOVID-19の自宅療養=入院扱い、となる時期としてはほぼ最後(10月から入院扱いではなくなった)でした。COVID-19に感染したのは不幸でしたが、医療保険の給付にギリギリ滑り込めたことは不幸中の幸いと言えるでしょう。
最近COVID-19に感染する人が急増し、生保各社が給付金支払いを渋り始めました。住友生命、日本生命は10月から医療保険の給付対象から自宅療養を外しています。他社も恐らく同様でしょう。
9月だろうが10月だろうがCOVID-19の自宅療養が必要なことに変わりはないのに、生命保険会社から給付金支払いが増えて嫌です、もう払いませんなんて梯子外しをされるとは思いませんでしたね……。
改めて生命・医療保険の契約内容を眺めましたが、加入している意味が薄れてきていますね。夫婦共働きで子供もいないので生命保険はもう不要でしょう。医療保険だけなら共済保険などの方が良いですし。じゃあ今すぐ解約だ!というほどの負担ではないですけどね……少なくとも5年後の契約更新をしないのは確実です。掛け金がさらに倍になるのでさすがに高すぎます。
IT系の職業に就いている人であれば、恐らく一度は目にしたことがあるInterfaceという雑誌があります。今回12月号に記事を寄稿しました。記事の見本は 2022年12月号 - Interface - CQ出版から見ることができます。
会社と出版社にご縁があったそうで、春頃から不定期連載が始まりました。特に会社の製品の宣伝はせず、RISC-V CPU開発に関してハードウェアからソフトウェアまで広く易しく扱う内容となっています。連載は全10回の予定、執筆者は会社の技術者で分担しており1人1記事ずつ担当しています。たぶん。
連載はちょうど真ん中で5回目となります。記事の内容はRISC-Vのツールチェーンの入門編で4ページほどの短い記事です。記事の内容はここでは公開できない(しばらく時間が経ったらOKらしいです)ので、もし気になるようでしたら雑誌をご覧くださいませ。
今までお世話になった(なっている)ヘッドフォンたちをまとめておきます。
密閉タイプ。
オープンタイプ。
会社でpopenで作った子プロセスが残ってしまうが何とかならないか?という相談を受けて、面白そうだったので取り組んでみました。日記でも残しておきます。コード的には特に機密情報はありません。
マニュアルを読みましょう(Manpage of popen)。少しだけ解説するなら、子プロセスの入出力をパイプ経由で送ったり受け取ったりできるライブラリ関数です。
例えばyesコマンドをpopenで実行すると、出力パイプからはy y y y ... という文字列が読みだせます。
非常に便利なpopenですが、子プロセスが終了するかどうかは子プロセス次第、言い換えれば子プロセスを強制的に終了させる方法がないことが欠点です。
例えば、先ほど挙げたyesコマンドは勝手に終了しないコマンドの代表例です。popen関数を呼んだ親プロセスが終了しても、子プロセスのyesコマンドは終了しないまま残ります。
実はpopen関数は既存のライブラリ関数やシステムコールの組み合わせで実現できます。先にコードを載せましょうか。
/* SPDX-License-Identifier: Apache-2.0 */
#define _GNU_SOURCE
#include <stdio.h>
#include <string.h>
#include <fcntl.h>
#include <signal.h>
#include <unistd.h>
#include <sys/types.h>
#include <sys/wait.h>
void usage(int argc, char *argv[])
{
printf("usage:\n"
" %s cmdline\n", argv[0]);
}
int main(int argc, char *argv[])
{
const char *cmdline;
pid_t pid, pgrp;
int pipefd[2];
FILE *fp;
int r;
if (argc <= 1) {
usage(argc, argv);
return -1;
}
cmdline = argv[1];
printf("cmdline: %s\n", cmdline);
// パイプを作成します。パイプに読み書きするファイルディスクリプタ(pipefd)2つが返されます。
// pipefd[0] が読み出し用、pipefd[1] が書き込み用です。
r = pipe2(pipefd, 0);
if (r == -1) {
perror("pipe2");
return -1;
}
// ファイルディスクリプタをFILE * でラップします。
// popenはFILE * を返すインタフェースなので、それに合わせるためです。
fp = fdopen(pipefd[0], "r");
if (fp == NULL) {
perror("fdopen");
return -1;
}
// 子プロセスを生成します。
// pidには子プロセスの場合は0、親プロセスの場合は子プロセスのプロセスIDが返されます。
pid = fork();
if (pid == -1) {
perror("fork");
return -1;
} else if (pid == 0) {
// child
// 子プロセスを新たなプロセスグループに移します。
// 理由はあとでkillを呼ぶときに親プロセスまで巻き添えにしないようにするためです。
// setpgidを呼ばない場合
// プロセスグループA: 親、子、指定したコマンド
// kill(プロセスグループA): 親も子もコマンドも全て強制終了してしまう
// setpgidを呼んだ場合
// プロセスグループA: 親
// プロセスグループB: 子、指定したコマンド
// kill(プロセスグループB): 子とコマンドのみ強制終了
r = setpgid(0, getpid());
if (r == -1) {
perror("setpgrp");
return -1;
}
// 子プロセスの標準出力を閉じ、パイプの書き込み用ファイルディスクリプタを代わりに使います。
// つまり子プロセスの出力がパイプに書き込まれます。
r = dup2(pipefd[1], 1);
if (r == -1) {
perror("dup(child)");
return -1;
}
// シェルを利用して引数に指定されたコマンドを実行します。
// シェルを利用する理由はpopenと同じ仕様(コマンド引数を1つの文字列で渡す)にしたいからです。
// シェルを挟まない場合は、複数の文字列に分割して渡す必要があります。
r = execl("/bin/sh", "sh", "-c", cmdline, (char *)NULL);
if (r == -1) {
perror("execl(child)");
return -1;
}
// not reach here
return -1;
}
// parent
// パイプから読みだすと子プロセスが標準出力に出そうとした文字列が読める
char buf[10];
memset(buf, 0, sizeof(buf));
fread(buf, 1, sizeof(buf) - 1, fp);
printf("read from pipe: %s\n", buf);
printf("sleep 5\n");
sleep(5);
// 子プロセスのプロセスグループを取得します。
// pidには子プロセスのプロセスIDが返されます。
// forkの部分も参照してください。
printf("getpgid() pid:%d\n", (int)pid);
pgrp = getpgid(pid);
if (pgrp == -1) {
perror("getpgid");
return -1;
}
// 子プロセスのプロセスグループを強制終了します。
printf("kill(SIGTERM) pgrp:%d\n", (int)pgrp);
r = kill(-pgrp, SIGTERM);
if (r == -1) {
perror("killpg");
return -1;
}
// 子プロセスが終了するまで待ちます。
printf("wait child pid:%d\n", (int)pid);
int wstat;
r = waitpid(-pid, &wstat, 0);
if (r == -1) {
perror("waitpid");
return -1;
}
if (r != pid) {
fprintf(stderr, "kill %d but terminated pid %d, why?\n", (int)pid, (int)r);
}
printf("done!!\n");
return 0;
}
そこそこ長いですね。
コードを見ると目がチカチカする方向けにコメントだけ抜き出しました。動きが分かりやすいと思います。
子プロセスはこんな動きです。
親プロセスはこんな動きです。
プロセスの親子関係はこうなります。
|-a.out,536208 yes | `-sh,536209 -c yes | `-yes,536210
もしコマンドがさらに孫、ひ孫プロセスを生成しても、プロセスグループが一緒である限りkillが効くはずです。
今回紹介した実装はpopenの完全な上位互換ではありません。理由としては入力側を扱えないこと、popenのようなAPIとして使えないこと、が挙げられますが、拡張は容易だと思います。