コンパイラ, エディタなど、かつて有料が当たり前だったのに、今やオープンソースが当たり前になっていて、有料だと逆に「なぜ有料なの?」と思ってしまいます。
良い時代になったよなあ、と思う一方で、オープンソースプロジェクトの持続性には疑問があります。
従来のようにソフトウェアを売る、という形での開発費回収が出来ませんから、最初は個人の情熱で維持できても、いつか開発費が捻出できなくなって破綻すると思うんです。
でも、あまり破綻したという話を聞かないのはなぜでしょう?実は零細プロジェクトから静かに破綻していってるけれど、影響力が小さいからニュースにならないだけなのか、それとも何か別の秘密があって、巧妙に回避できているのか…?
メモ: 技術系?の話はFacebookから転記しておくことにした。
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独自ビルドのカーネルだと/sys/fs/cgroupが無いと言われて起動しないので、sysvinitに戻しました。ぶっちゃけsystemdだろうがsysvinitだろうが、どっちでもいいわ…。
しかしudevといい、systemdといい、便利は便利なんでしょうけど、Linux固有の機能に依存しまくりで面倒です。ブート周りを司るソフトがOS依存になるのは仕方ないのかなあ?
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サーバにインストールしていたDebian 32bit版 のJessieへのアップデートは一段落したので(systemdを諦めたりしてかなり適当ですが…)、ノートPCの仮想マシンにインストールしていたDebian 64bit版をapt-get dist-upgradeしました。
無事アップデートできたように見えたので再起動したら、GRUB2が起動しなくなりました。正確に言うとCUI画面で止まるようになってしまいました。
grub> ls (hd0) (hd0,msdos1) (hd0,msdos2) (hd1) grub> set root=hd0,msdos1 grub> ls /boot grub/ config-3.16.0-4-amd64 config-3.2.0-4-amd64 vmlinuz-3.16.0-4-amd64 vmlinuz-3.2.0-4-amd64 initrd.img-3.2.0-4-amd64 System.map-3.16.0-4-amd64 initrd.img-3.16.0-4-amd64 System.map-3.2.0-4-amd64 grub> linux /boot/vmlinuz-3.16.0-4-amd64 root=/dev/sda1 grub> initrd /boot/initrd.img-3.16.0-4-amd64 grub> boot
この時点では上記のように手打ちで起動できたのですが、その後、間違えてgrub-installを実行してGRUB1をインストールしてしまい、なぜかrootパーティションのReiserFSを認識しなくなり、手打ちでも起動できなくなりました。ああー…。
ダメ元でKnoppixからgrub-installしてみると、なぜかReiserFSが読めたので、そこからもう一度Debian Jessieを起動し(GRUB1 CUIもGRUB2 CUIとほぼ同じ手順で起動できる)て、GRUB2を入れなおしました。
# apt-get install grub-pc --reinstall Reading package lists... Done Building dependency tree Reading state information... Done 0 upgraded, 0 newly installed, 1 reinstalled, 0 to remove and 0 not upgraded. Need to get 0 B/220 kB of archives. After this operation, 0 B of additional disk space will be used. Preconfiguring packages ... (Reading database ... 188824 files and directories currently installed.) Preparing to unpack .../grub-pc_2.02~beta2-22_amd64.deb ... Unpacking grub-pc (2.02~beta2-22) over (2.02~beta2-22) ... Processing triggers for man-db (2.7.0.2-5) ... Setting up grub-pc (2.02~beta2-22) ... Installing for i386-pc platform. Installation finished. No error reported. Generating grub configuration file ... Found background image: /usr/share/images/desktop-base/desktop-grub.png Found linux image: /boot/vmlinuz-3.16.0-4-amd64 Found initrd image: /boot/initrd.img-3.16.0-4-amd64 Found linux image: /boot/vmlinuz-3.2.0-4-amd64 Found initrd image: /boot/initrd.img-3.2.0-4-amd64 done # dpkg-reconfigure grub-pc - Linux command line: はそのまま空欄で [ok] - Linux default command line: はそのまま "quiet" で [ok] - GRUB install devices: は [*] /dev/sda ... を選択して [ok] Installing for i386-pc platform. Installation finished. No error reported. Generating grub configuration file ... Found background image: /usr/share/images/desktop-base/desktop-grub.png Found linux image: /boot/vmlinuz-3.16.0-4-amd64 Found initrd image: /boot/initrd.img-3.16.0-4-amd64 Found linux image: /boot/vmlinuz-3.2.0-4-amd64 Found initrd image: /boot/initrd.img-3.2.0-4-amd64 done
その後、再起動して、正常に起動することを確認しておしまいです。
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前回(2015年3月9日の日記参照)はGPSモジュールをPCと接続して、情報を取得するところまで試しました。
今回はGPSモジュールからの時刻情報を使ってNTPサーバの時刻を合わせたいと思います。
設定はとても簡単で、下記をntp.confに書き加えてntpdを再起動させるだけです。当然ですがgpsdも起動している必要があります。
server 127.127.28.0
fudge 127.127.28.0 refid GPS
設定の127.127というのは、決まり文句(ネットワーク上のサーバではない、くらいの意味だと思う)で、その後の28.0に意味があります。この28.0は共有メモリを使って時刻を取得するドライバを使ってくださいね、という意味になります(NTPのドキュメント参照)。
なぜここで急に共有メモリが出てくるのか?というと、実はgpsdとntpは共有メモリを介して通信しているからです。
# ipcs ------ Message Queues -------- key msqid owner perms used-bytes messages ------ Shared Memory Segments -------- key shmid owner perms bytes nattch status ------ Semaphore Arrays -------- key semid owner perms nsems # /etc/init.d/gpsd start Starting gpsd (via systemctl): gpsd.service. # ipcs ------ Message Queues -------- key msqid owner perms used-bytes messages ------ Shared Memory Segments -------- key shmid owner perms bytes nattch status 0x4e545030 3375104 root 600 96 1 0x4e545031 3407873 root 600 96 1 0x4e545032 3440642 root 666 96 1 0x4e545033 3473411 root 666 96 1 0x47505344 3506180 root 666 31616 1 ------ Semaphore Arrays -------- key semid owner perms nsems # /etc/init.d/ntp start Starting ntp (via systemctl): ntp.service. # ipcs ------ Message Queues -------- key msqid owner perms used-bytes messages ------ Shared Memory Segments -------- key shmid owner perms bytes nattch status 0x4e545030 3375104 root 600 96 2 ★★1 → 2に増えた ★★ 0x4e545031 3407873 root 600 96 1 0x4e545032 3440642 root 666 96 1 0x4e545033 3473411 root 666 96 1 0x47505344 3506180 root 666 31616 1 ------ Semaphore Arrays -------- key semid owner perms nsems
上記の実行結果を見るとgpsdを起動する前と、起動した後で、共有メモリの領域数が増えていることと、ntpを起動した後で、共有メモリへのアタッチ数(nattch)が1から2になっていることがわかると思います。
実際NTPサーバがGPSから時刻を取得できているか、確認するときはntpqコマンドを使います。
remote refid st t when poll reach delay offset jitter ============================================================================== 127.127.28.0 .GPS. 0 l - 64 0 0.000 0.000 0.000 *127.127.1.0 .LOCL. 10 l 17 64 3 0.000 0.000 0.002
本来、127.127.28.0の方に * が付く(* は時刻合わせに使っているという意味)はずなのですが、調子が悪くてGPSで時刻を合わせている状態になりませんでした。
調べてみると、どうもGPSレシーバが壊れたようでxgpsで見ても全く衛星を捕捉していません。6000円くらいしたのに…なんてこった…。
さらにgpsdの動作確認済みハードウェアリスト(ハードウェアリストへのリンク)の中に、私が買ったGlobalsat BU-353-S4も載っており「感度悪いし、衛星の捕捉も遅いし、絶対買わない方が良いぜ(※)」と紹介されていました。
言われてみれば、かなり開けた窓際、しかも数センチ近くまで持っていかないと衛星捕捉せず、設置場所探しに大変苦労していたのですが、まさかここまでボロクソに書かれるほどのハズレ製品だったとは…。
壊れたのと合わさって、二重のショックです。せっかく買ったのに…ううーん。
(※)引用すると、Has poor sensitivity and takes a lot longer to cold-start than the vendor claim 45 of 45 seconds. Gary Miller rates this device "DO NOT EVER BUY ONE!" だそうです。
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ずっと気づいていなかった自作ARMエミュレータememuのバグを直しました。
エミュレータは、内部に簡易ブートローダを持っているのですが、この簡易ブートローダが変なパラメータをLinuxカーネルに渡していたため、Linuxのブート時に「Ignoring unrecognised tag 0x00000000」と怒られていました。
[ 0.000000] Booting Linux on physical CPU 0x0 [ 0.000000] Linux version 3.18.11 (katsuhiro@falcon) (gcc version 4.9.1 20140710 (prerelease) (crosstool-NG linaro-1.13.1-4.9-2014.07 - Linaro GCC 4.9-2014.07) ) #1 Fri Apr 17 03:18:38 JST 2015 [ 0.000000] CPU: ARM926EJ-S [41069260] revision 0 (ARMv5TEJ), cr=00003137 [ 0.000000] CPU: VIVT data cache, VIVT instruction cache [ 0.000000] Machine: ARM-Versatile PB [ 0.000000] Ignoring unrecognised tag 0x00000000★★★これ★★★ [ 0.000000] Memory policy: Data cache writeback [ 0.000000] On node 0 totalpages: 16384
古き時代からARM LinuxではATAGという仕組み(ATAGの仕様はここにあります)でカーネルのロード位置、InitramFSのイメージの位置、カーネルのコマンドラインなどをブートローダからカーネルに渡しています。
このうち、もうパラメータはない、すなわちパラメータの配列の終端を示すためのATAG_NONEの渡し方が間違っていました。わざわざ仕様書にも0x2を渡すなよ、0x0だぞ(※)と強調して書かれているのに、サイズに0x2を渡していました。マヌケです…。
このバグに気づいたとき、パラメータの終端が無い状態でも動くのか、さすがLinuxなどとアホなことを思っていたのですが、実はRAMの初期値が0だったため、パラメータの配列の終端を突き抜けた後に、0x00が4連続する部分(ATAG_NONEと同じ意味で解釈される)で解析が終了していただけでした。
つまり、今まで動いていたのは偶然!ってことですね。
このバグは現状では問題を引き起こしませんが、今後RAMを初期化しないが、ブートローダは通る、と言う処理を実装すると問題が起きます。例えば、リセット例外によるソフトリセット処理が当てはまりそうです。恐らくRAMの内容に応じてランダムにクラッシュする厄介なバグとして表面化するでしょう。
(※)引用するとThis tag is used to indicate the list end. It is unique in that its size field in the header should be set to 0 (not 2). とのこと。
Redmineチューニングの実際と限界を読んで。
プロジェクト分割すれば良いだけなのに…、200万チケットを1つのRedmineに入れる必要があるって、恐ろしいです…。
メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。
Debianのセットアップでユーザ名にピリオドを使ったら「不正なユーザ名」と言われるので、何故?と思って調べたら思いのほか歴史がありました。
元々BSDでは、chownのユーザ名とグループ名の区切りにピリオドを使っていたそうで、ユーザ名にピリオドを使うなど以ての外でした。
しかしPOSIXがユーザ名にピリオドも使えるよ、と決めてしまったので、哀れchownの区切りはピリオドからコロンになりました。
Debianのセットアップスクリプトは安全側、つまりユーザ名のピリオドに対応していない古いツールを考慮してBSD時代のルールを守っているのだろう、と思われます。
実は誰も直さずに放置されているだけかも知れませんけど…真相はわかりません。
メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。
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先日(2015年5月8日の日記参照)の日記で壊れているのかと思っていたGlobalsat BU-353-S4ですが、実は壊れていませんでした。
GPS受信機が受信状態を伝える通信方式には、NMEA 0183という規格に基づいたテキストデータで送ってくるか、GPSの受信機メーカー独自のバイナリデータで送ってくるか、の2つがあるようです。
恐らく大抵のメーカーは両方に対応しており、NMEAか、メーカー独自バイナリかが選択できます。もちろんGlobalsat BU-353-S4が採用しているSiRF Star IVもどちらかを選ぶことができます。
どうも色々いじっているうちにバイナリモードになってしまっていたらしく、NMEAを期待していたGPSのデータ表示アプリなどが「何言ってるのかわからんわ、このデバイス」状態に陥っていました。故障じゃなくて良かったです。
stty -F /dev/ttyUSB0 ispeed 4800 && cat < /dev/ttyUSB0 $GPGSA,A,1,,,,,,,,,,,,,,,*1E $GPGSV,3,1,12,01,00,000,,02,00,000,,03,00,000,,04,00,000,*7C $GPGSV,3,2,12,05,00,000,,06,00,000,,07,00,000,,08,00,000,*77 $GPGSV,3,3,12,09,00,000,,10,00,000,,11,00,000,,12,00,000,*71 $GPRMC,,V,,,,,,,,,,N*53 ...
もし上記のようにテキストデータが受信されればNMEAモードになっています。もしグチャグチャの字が受信されるときは、ボーレートが間違っているか、バイナリモードになっている可能性が高いです。
GPSデータの通信方式を切り替えるにはgpsctlというコマンドを使います。GPSデバイスが /dev/ttyUSB0として認識されているとして、
# to NMEA gpsctl -f -n /dev/ttyUSB0 # to Binary gpsctl -f -b /dev/ttyUSB0
オプション-nはNMEAモードにする、-bはバイナリモードにするという意味で、-fはローレベル(gpsdを介さないという意味らしい)でGPSデバイスにアクセスするという意味です。
ちなみにSiRF Star IVはモード切り替えに数秒〜10秒近くの時間がかかることがあります。さすが「絶対買わない方が良いぜ」と言われるだけのことはある…。
これで終わりだとあまり面白くなかったので、Globalsat BU-353-S4の通信方式をgpsctl -n以外で切り替える方法も試してみます。
ありがたいことにGlobalsat USのサイトからSiRFバイナリデータの仕様書を入手できますので、NMEAモードへの切り替えコマンドを送ってみようと思います。仕様書のダウンロードはこちらのサイトの「SiRF Binary Protocol Document」からできます。
ちなみに仕様書の「Switch To NMEA Protocol – Message ID 129」にそのまま使える例が載っていますので、これをそのまま送ってみます。
このデータをバイナリエディタなどでファイル(to_nmeaというファイル名だとします)に書いておき、
# gpsctl -f -b /dev/ttyUSB0 /dev/ttyUSB0 identified as a SiRF 9GSD4e_4.1.2-B2_RPATCH.02-F-GPS-4R-1301151 01/17/2013 017 at 9600 baud. gpsctl:SHOUT: switching to mode BINARY. falcon:~# stty -F /dev/ttyUSB0 ispeed 9600 && cat < /dev/ttyUSB0 | hexdump -C 00000000 a0 a2 00 29 02 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 |...)............| 00000010 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 03 36 02 6a 9c 5a |...........6.j.Z| 00000020 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 01 9d b0 |................| 00000030 b3 a0 a2 00 09 09 00 00 00 00 00 00 00 00 00 09 |................| ... # cat to_nmea > /dev/ttyUSB0 # stty -F /dev/ttyUSB0 ispeed 9600 && cat < /dev/ttyUSB0 $GPGGA,163721.731,,,,,0,00,,,M,0.0,M,,0000*53 $GPGSA,A,1,,,,,,,,,,,,,,,*1E $GPRMC,163721.731,V,,,,,,,280515,,,N*43 ...
以上のようにバイナリをGPSデバイスに送りつけると、無事NMEAモードに切り替わります。ちなみに上記の設定例だとボーレートが4800bpsから9600bpsに変わってしまうので注意してください。