以前予約していた、呼び込み君ミニが届きました。発売は青島(青島文化教材社、公式サイトへのリンク)です。模型をやっている人なら馴染みの名前かと思います。
これは何かというと、スーパーで良く聞く「ポポーポ、ポポポ……」という曲を流してる「呼び込み君」の模型です。「呼び込み君」は群馬電機(公式サイトへのリンク)の販売している、音声POPと呼ばれる広告用の機械の名前です。
パッケージはこんな感じでした。
本物の呼び込み君は20cmくらいあって割とデカいですが「呼び込み君ミニ」は5cmくらいでかなりコンパクトです。本物同様、付属品で顔の部分をPOPに交換できるようになっています。さすがに光りはしませんが……。
音もちゃんと鳴ります。早速鳴らしてみると、思っていたより3倍くらい音がでかくて驚きました。夜中に鳴らすと近所迷惑かも?というレベルです……。
Might and Magicのメッセージスキップについて動作を軽く調べたところ、変な実装になっており超厳しいタイミングを要求されることがわかりました。
メッセージ表示をしているコードは0x9AAE〜0x9B09です(たぶん。表示処理は詳しく見てない)。この処理を実行しているときはROM 0x16000が0x8000にマップされているので、ROMのアドレスでいうと0x16000 + 0x1AAE = 0x17AAE〜 に該当します。このコードの中でスキップ判定をしているのは0x9AF7です。
9AAE : 20 B4 E3 JSR $E3B4 ;
9AB1 : A9 00 LDA #$00 ;
9AB3 : 8D 73 03 STA $0373 ;
9AB6 : A2 00 LDX #$00 ;
9AB8 : 8A TXA ;
9AB9 : 48 PHA ;
9ABA : 20 49 9B JSR $9B49 ;
9ABD : 20 48 9A JSR $9A48 ;
9AC0 : 68 PLA ;
9AC1 : AA TAX ;
9AC2 : BD 20 9B LDA $9B20,X ;
9AC5 : 85 7B STA $7B ;
9AC7 : 8A TXA ;
9AC8 : 48 PHA ;
9AC9 : 0A ASL A ;
9ACA : AA TAX ;
9ACB : BD 0A 9B LDA $9B0A,X ;
9ACE : 85 00 STA $00 ;
9AD0 : BD 0B 9B LDA $9B0B,X ;
9AD3 : 85 01 STA $01 ;
9AD5 : A5 00 LDA $00 ;
9AD7 : 48 PHA ;
9AD8 : A5 01 LDA $01 ;
9ADA : 48 PHA ;
9ADB : 20 5F 9A JSR $9A5F ;
9ADE : 68 PLA ;
9ADF : 85 01 STA $01 ;
9AE1 : 68 PLA ;
9AE2 : 85 00 STA $00 ;
9AE4 : 20 7F 9A JSR $9A7F ;
9AE7 : 20 48 9A JSR $9A48 ;
9AEA : 68 PLA ;
9AEB : 48 PHA ;
9AEC : 85 7B STA $7B ;
9AEE : A9 0B LDA #$0B ;
9AF0 : 38 SEC ;
9AF1 : E5 7B SBC $7B ;
9AF3 : AA TAX ;
9AF4 : 20 C2 9C JSR $9CC2 ; コントローラの状態確認
9AF7 : AD 73 03 LDA $0373 ; メッセージスキップの条件判定
9AFA : C9 01 CMP #$01 ;
9AFC : D0 04 BNE $9B02 ;
9AFE : 68 PLA ; メッセージスキップ発動
9AFF : 4C 09 9B JMP $9B09 ;
9B02 : 68 PLA ; メッセージスキップ発動せず
9B03 : AA TAX ;
9B04 : E8 INX ;
9B05 : E0 0B CPX #$0B ;
9B07 : D0 AF BNE $9AB8 ;
9B09 : 60 RTS ;
最後の方で関数0x9CC2 → 0x9D14 → 0x9B2Bとcallし、変数0x0373(コントローラ状態変更フラグ)が0以外ならメッセージスキップします。後ろから見ていきましょうか。
9B2B : A9 00 LDA #$00 ;
9B2D : 8D 73 03 STA $0373 ;
9B30 : 20 C5 E7 JSR $E7C5 ; コントローラの状態チェック関数、結果は $0200に格納される
9B33 : AD 00 02 LDA $0200 ;
9B36 : CD 01 02 CMP $0201 ;
9B39 : F0 0D BEQ $9B48 ; 前回と状態が変わっているか?
9B3B : 8D 01 02 STA $0201 ; 変わっているなら、変数 $0201に状態を保存
9B3E : AD 00 02 LDA $0200 ;
9B41 : F0 05 BEQ $9B48 ; 状態が0以外(=何か1つでもキーが押されている)か?
9B43 : A9 01 LDA #$01 ; 押されているなら、変数 $0373に1を設定
9B45 : 8D 73 03 STA $0373 ;
9B48 : 60 RTS ;
関数0x9B2Bは現在のコントローラの状態と、保存していた前回のコントローラの状態を比較し、変化していたら変数0x0373に非0の値をセットする関数です。推測するに、プレイヤーがボタンを押したら変数0x0373がセットされ、メッセージスキップが発動する……はずだったのでしょう。
ところが関数0x9D14の実装が完全におかしくて、画面描画が1回終わる(※)まで、関数0x9B2Bを「何度もビジーループで呼ぶ」のです。
9D14 : 8D 64 02 STA $0264 ;
9D17 : A9 C0 LDA #$C0 ;
9D19 : 8D 51 61 STA $6151 ;
9D1C : 20 2B 9B JSR $9B2B ; ↓このループが全力で回りまくる
9D1F : AD 51 61 LDA $6151 ;
9D22 : D0 F8 BNE $9D1C ; ↑
9D24 : 60 RTS ;
短期間に関数0x9B2Bを繰り返し呼ぶとどうなるかというとですね。プレイヤーがコントローラのキーを押して変数0x0373がセットされても、次の呼び出しですぐに「前の状態と変化ナシ!」と判定し、変数0x0373がクリアされてしまい、キーは押されていなかった扱いになるわけです。ええー……なにこの実装。
(※)VBlank NMIを契機に画面描画され、変数0x6151に0がセットされます。
最速でメッセージスキップを発動させようとすると、プレイヤーは下記の条件を満たす刹那の間にキーを押す必要があります。
トレースログで測ったところ入力の猶予は1,055クロック、ファミコンの6502は1.79MHz駆動らしいので、わずか0.589msです。短すぎだよ!!
TASの経験から1フレーム(16.667ms)未満だろうとは思いましたけども、まさかのサブミリ秒でした……。道理で、フレーム単位入力のTASでは最速のメッセージスキップができないわけです。人間ならなおさら無理ですね。このタイミングを毎回狙って押せるやつは100%人間辞めてます。
以上は最速のタイミングを狙って発動させようとした場合の話であり、メッセージスキップを拝むこと自体は割と簡単です。なぜならキーを「押す」タイミングは非常に厳しいものの、他の条件は厳しくないからです。救いの手は2つ、
ですから適当にキーをガチャガチャ連打していれば、たまに条件に該当してメッセージスキップが発動します。
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