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2022年10月31日

Killできるpopenが欲しい

会社でpopenで作った子プロセスが残ってしまうが何とかならないか?という相談を受けて、面白そうだったので取り組んでみました。日記でも残しておきます。コード的には特に機密情報はありません。

popenて何ですか

マニュアルを読みましょう(Manpage of popen)。少しだけ解説するなら、子プロセスの入出力をパイプ経由で送ったり受け取ったりできるライブラリ関数です。

例えばyesコマンドをpopenで実行すると、出力パイプからはy y y y ... という文字列が読みだせます。

popenの困ったところ

非常に便利なpopenですが、子プロセスが終了するかどうかは子プロセス次第、言い換えれば子プロセスを強制的に終了させる方法がないことが欠点です。

例えば、先ほど挙げたyesコマンドは勝手に終了しないコマンドの代表例です。popen関数を呼んだ親プロセスが終了しても、子プロセスのyesコマンドは終了しないまま残ります。

改良popenを作る

実はpopen関数は既存のライブラリ関数やシステムコールの組み合わせで実現できます。先にコードを載せましょうか。

killできるpopenのコード

/* SPDX-License-Identifier: Apache-2.0 */

#define _GNU_SOURCE

#include <stdio.h>
#include <string.h>
#include <fcntl.h>
#include <signal.h>
#include <unistd.h>
#include <sys/types.h>
#include <sys/wait.h>

void usage(int argc, char *argv[])
{
	printf("usage:\n"
		"  %s cmdline\n", argv[0]);
}

int main(int argc, char *argv[])
{
	const char *cmdline;
	pid_t pid, pgrp;
	int pipefd[2];
	FILE *fp;
	int r;

	if (argc <= 1) {
		usage(argc, argv);
		return -1;
	}
	
	cmdline = argv[1];
	
	printf("cmdline: %s\n", cmdline);

	// パイプを作成します。パイプに読み書きするファイルディスクリプタ(pipefd)2つが返されます。
	// pipefd[0] が読み出し用、pipefd[1] が書き込み用です。
	r = pipe2(pipefd, 0);
	if (r == -1) {
		perror("pipe2");
		return -1;
	}

	// ファイルディスクリプタをFILE * でラップします。
	// popenはFILE * を返すインタフェースなので、それに合わせるためです。
	fp = fdopen(pipefd[0], "r");
	if (fp == NULL) {
		perror("fdopen");
		return -1;
	}

	// 子プロセスを生成します。
	//    pidには子プロセスの場合は0、親プロセスの場合は子プロセスのプロセスIDが返されます。
	pid = fork();
	if (pid == -1) {
		perror("fork");
		return -1;
	} else if (pid == 0) {
		// child

		// 子プロセスを新たなプロセスグループに移します。
		// 理由はあとでkillを呼ぶときに親プロセスまで巻き添えにしないようにするためです。
		// setpgidを呼ばない場合
		//    プロセスグループA: 親、子、指定したコマンド
		//    kill(プロセスグループA): 親も子もコマンドも全て強制終了してしまう
		// setpgidを呼んだ場合
		//    プロセスグループA: 親
		//    プロセスグループB: 子、指定したコマンド
		//    kill(プロセスグループB): 子とコマンドのみ強制終了
		r = setpgid(0, getpid());
		if (r == -1) {
			perror("setpgrp");
			return -1;
		}

		// 子プロセスの標準出力を閉じ、パイプの書き込み用ファイルディスクリプタを代わりに使います。
		// つまり子プロセスの出力がパイプに書き込まれます。
		r = dup2(pipefd[1], 1);
		if (r == -1) {
			perror("dup(child)");
			return -1;
		}

		// シェルを利用して引数に指定されたコマンドを実行します。
		// シェルを利用する理由はpopenと同じ仕様(コマンド引数を1つの文字列で渡す)にしたいからです。
		// シェルを挟まない場合は、複数の文字列に分割して渡す必要があります。
		r = execl("/bin/sh", "sh", "-c", cmdline, (char *)NULL);
		if (r == -1) {
			perror("execl(child)");
			return -1;
		}

		// not reach here
		return -1;
	}

	// parent

	// パイプから読みだすと子プロセスが標準出力に出そうとした文字列が読める
	char buf[10];
	memset(buf, 0, sizeof(buf));
	fread(buf, 1, sizeof(buf) - 1, fp);

	printf("read from pipe: %s\n", buf);

	printf("sleep 5\n");
	sleep(5);

	// 子プロセスのプロセスグループを取得します。
	//    pidには子プロセスのプロセスIDが返されます。
	//    forkの部分も参照してください。
	printf("getpgid() pid:%d\n", (int)pid);
	pgrp = getpgid(pid);
	if (pgrp == -1) {
		perror("getpgid");
		return -1;
	}

	// 子プロセスのプロセスグループを強制終了します。
	printf("kill(SIGTERM) pgrp:%d\n", (int)pgrp);
	r = kill(-pgrp, SIGTERM);
	if (r == -1) {
		perror("killpg");
		return -1;
	}

	// 子プロセスが終了するまで待ちます。
	printf("wait child pid:%d\n", (int)pid);
	int wstat;
	r = waitpid(-pid, &wstat, 0);
	if (r == -1) {
		perror("waitpid");
		return -1;
	}
	if (r != pid) {
		fprintf(stderr, "kill %d but terminated pid %d, why?\n", (int)pid, (int)r);
	}

	printf("done!!\n");

	return 0;
}

そこそこ長いですね。

簡単な解説

コードを見ると目がチカチカする方向けにコメントだけ抜き出しました。動きが分かりやすいと思います。

  • pipe2: パイプを作成します。パイプに読み書きするファイルディスクリプタ(pipefd)2つが返されます。pipefd[0] が読み出し用、pipefd[1] が書き込み用です。
  • fdopen: ファイルディスクリプタをFILE * でラップします。popenはFILE * を返すインタフェースなので、それに合わせるためです。
  • fork: 子プロセスを生成します。

子プロセスはこんな動きです。

  • setpgid: 子プロセスを新たなプロセスグループに移します。理由はあとでkillを呼ぶときに親プロセスまで巻き添えにしないようにするためです。
  • dup2: 子プロセスの標準出力を閉じ、パイプの書き込み用ファイルディスクリプタを代わりに使います。つまり子プロセスの出力がパイプに書き込まれます。
  • execl: シェルを利用して引数に指定されたコマンドを実行します。シェルを利用する理由はpopenと同じ仕様(コマンド引数を1つの文字列で渡す)にしたいからです。シェルを挟まない場合は、複数の文字列に分割して渡す必要があります。

親プロセスはこんな動きです。

  • getpgid: 子プロセスのプロセスグループを取得します。
  • kill: 子プロセスのプロセスグループを強制終了します。
  • waitpid: 子プロセスが終了するまで待ちます。

プロセスの親子関係はこうなります。

プロセスの親子関係
|-a.out,536208 yes
|   `-sh,536209 -c yes
|       `-yes,536210

もしコマンドがさらに孫、ひ孫プロセスを生成しても、プロセスグループが一緒である限りkillが効くはずです。

残っている改善点

今回紹介した実装はpopenの完全な上位互換ではありません。理由としては入力側を扱えないこと、popenのようなAPIとして使えないこと、が挙げられますが、拡張は容易だと思います。

編集者:すずき(2023/08/10 01:48)

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2022年11月6日

JTSA Limited練習記録2022

目次: 射的

スピードシューティングを始めてから半年ほど経過しました。いよいよ11月末は公式大会(リミティッド - 一般社団法人日本トイガン射撃協会JTSA)です。今までの練習会のタイムをまとめておこうかと思います。

基本的に練習は週1回のみです。たまに練習以外のシューティング系イベントにも行きますが、さほどタイム上達とは関係ないはず。たぶん。


JTSA Limited練習会の記録

トータルタイムが2種類ある理由は、途中でStage 5の追加が正式発表されたためです。そのため7月まではStage 1〜4の合計(赤い線、右軸)、8月からはStage 1〜5の合計(青い線、右軸)が記録となります。ですが8月以降もStage 1〜4の合計タイムを見たら、今までと比べて上達or停滞が分かりやすいかも?と思い、表示しています。

最初こそ順調に早くなっていますが、ここ2〜3か月は伸びが止まっています、記録は正直だな〜。タイムは80秒台前半、脱・初心者レベル(※)くらいです。もうオジサンだし、あんまり根詰めたり無理するとケガするだけなんで、気楽&気長にやります。

(※)大会の前の公式記録会だと、総合(Hands Up)で84/101位、カテゴリ内(LM)で21/28位でした。

編集者:すずき(2022/11/09 23:24)

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2022年11月8日

皆既月食と惑星食

今日は皆既月食と惑星食(天王星)が同時に観測できる非常に珍しい日だそうです。天王星はさすがに撮影できないでしょうけど、月ならなんとか撮れるだろうと思い、三脚とカメラを持って撮影しました。

肉眼で見ると赤くボンヤリとした月に見えます。先日(2022年9月10日の日記参照)撮った、中秋の名月と比較するとかなり暗いです。

まずコンデジでは暗くて写りません。マニュアルで明るさの限界を狙って設定したものの、私の腕と知識では下記の写真が限界でした……。


コンデジ(CASIO EXILIM EX-ZR1300)で撮影

月の左下に天王星らしき点?が写っています。天王星は青いと聞きましたが、あまりに点が小さすぎて良くわかりません。もしかしたらレンズについたゴミかもしれないです。

奥さんの一眼レフでも撮りました。さすがの高解像度&性能ですが、残念ながらレンズのズーム倍率が足りず非常に小さくしか写りません。


一眼レフ(Canon EOS Kiss X10, Canon EF-S 18-55mmレンズ)で撮影

引き延ばしたところボンヤリした写真になってしまいました。世の写真家が撮影したきれいな写真がたくさんあるので、それを眺めることにします。

編集者:すずき(2022/11/09 18:57)

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2022年11月11日

手動の最適化 対 コンパイラの最適化

ポッキーの日だそうですが、1(と0)といえば2進数、2進数といえばビット操作ですね(?)。以前 Bit Twiddling Hacks を最新のコンパイラ達に向けて試したときの悲しい結果をメモしておきたいと思います。

試したのはConditionally set or clear bits without branchingという項目で、fがtrueならwとmのビット論理和を、fがfalseならwからmのビットを消去した値を返す処理です。素朴な実装ではif文を使うでしょう。

1つ目の方式: Conditionally set or clear bits

int cond_set_or_clear1(bool f, int m, int w)
{
    if (f)
        return w | m;
    else
        return w & ~m;
}

さきほどのサイトでは最適化版として、条件分岐をなくす、データ依存性をなくす(スーパースカラプロセッサ用)、2つのバージョンを掲げています。まずは条件分岐をなくした版のコードを紹介します。

2つ目の方式: Conditionally set or clear bits (without branching)

int cond_set_or_clear2(bool f, int m, int w)
{
    return w ^ ((-f ^ w) & m);
}

分岐がなくなっています。なんでこれで同じ動作をするのか?は説明が必要でしょう。fがtrueなら -f = -1となり、-f ^ wはwのビット反転(notと同じ)と同じ結果 -1 ^ w = ~wになります。よって右側の括弧内 (-f ^ w) & m = ~w & mです。

あとは~w & mはw = 0, m = 1のビットだけ1になって残り、あとは全部0になります。w ^ (~w & m) はw | mと同じ結果ですが……そう言われてもわかりにくいので表にします。

w~wm~w & mw ^ (~w & m)
10101
10001
01111
01000

一方fがfalseの場合、0とみなされるので -f = 0となって、-f ^ w = 0 ^ w = wです。右側の括弧内 (-f ^ w) & m = w & mです。w ^ (w & m) は先ほどとは逆でw = 1, m = 1のビットだけ1になって残り、あとは全部0になります。

最後にwとこの結果をxorすることでwとmがともに1のビットだけ0になりますから、w ^ (w & m) はw & ~mと同じ結果です、が……これも表がわかりやすいでしょう。

wmw & mw ^ (w & m)
1110
1001
0100
0000

次にスーパースカラ版のコードを紹介します。

3つ目の方式: Conditionally set or clear bits (without branching, superscaler)

int cond_set_or_clear3(bool f, int m, int w)
{
    return (w & ~m) | (-f & m);
}

これは先ほどよりシンプルです。左側の括弧はfによらず常にw & ~mで一定で、右側の括弧の値だけが変化します。

まずfがtrueなら -f = -1となり、-f & m = mです。(w & ~m) | mですが、w & ~mはwからmの1となっているビット位置を0にする演算でした。そこにmをorすると消えたビットは再び1になります。すなわちw | mと同じ結果です。

wmw & ~m(w & ~m) | m
1101
1011
0101
0000

次にfがfalseなら -f = 0となり、-f & m = 0です。よって (w & ~m) | 0 = w & ~mになります。

なぜスーパースカラ向けか書いていませんが、w & ~mと -f & mに依存性がなくて同時に演算できるからだと思われます。じゃあ全部これでいいじゃないか?と思われるかもしれませんが、演算回数を見ると、

2つ目の方式と3つ目の方式の演算回数
2つ目の方式: w ^ ((-f ^ w) & m)

neg, xor, and, xorの4回の演算が必要

3つ目の方式: (w & ~m) | (-f & m)

not, and, neg, and, orの5回の演算が必要

このため同時に演算できないプロセッサの場合は2つ目の方式の方が良いと言えます。

全てを無にするコンパイラの最適化

ここまで長々と紹介しておいてこんなことを言うのは憚られますけど。この手のビット魔術は面白いのでつい手を出したくなりますが、最近のコンパイラに対しC言語レベルでの最適化はあまり意味がないです。

論より証拠でGCC 12.2.0の結果から見てみましょう。


GCC 12.2.0でのコンパイル結果

あれだけグダグダ語った3つ目の方式でしたが、なんと2つ目の方式と全く同じバイナリになりました

GCCだけでは証拠として不安でしょうか?では次にclang 15.0.0の結果も見ましょう。


clang 15.0.0でのコンパイル結果

なんと3つ目の方式は「これ分岐じゃね?」と解釈されて分岐に戻されてしまいました。これが分岐に見えるclangはスゴイですね。私はこのコードを見ても分岐には見えません……。

1つ目の方式と2つ目の方式が違うバイナリになるところを見る限り、全くの無意味ではないです。しかし見やすさでは大幅に劣ります。基本は素朴なコードにしておき、遅くて困る場合のみビット魔術に手を出すべきでしょう。

編集者:すずき(2022/11/13 00:35)

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2022年11月12日

個人で自社製品RISC-V CPUを買うことはできるか?その1 - 問い合わせ

目次: RISC-V

個人で自社製品を買おうとしたらどうすれば良いか?を調べました。NSITEXEのIPで世の中に出ているものは2種類ありますが、Akaria NS31Aという汎用RISC-V 32bit CPU IPを購入します。

CPU IPそのもの(Verilogのコード)を買うのはライセンス契約等が必要で個人ではほぼ不可能なので、CPU IPを試せるFPGAの購入を検討します。

とにかく買い方がわからなくて辛い

萩原エレクトロニクスがパートナー企業として評価キットを販売してくれています。しかしNSITEXE NS31Aで検索してもかなり下に評価キットのニュースリリースが出るのみで、製品紹介サイトはありません(NSITEXE製RISC-Vコア評価キット発売について - 萩原電気ホールディングス株式会社)。ニュースリリースですといずれ消えるのでは?大丈夫か……?

ニュースリリースにはAkaria NS31AのEntry Kitの特徴は「発売中」と書いてあるものの、買い方が一切書いていません。この時点で興味のあるエンジニアの3割が脱落すると思います。

めげずに読み進めて下の方にある「NSITEXE製RISC-Vコア評価キット製品紹介」というボタンを押すと、チラシがPDFで出てきます。Interface誌にもこのチラシが載っていました(チラシへのリンク)。

チラシを見ても相変わらず買い方がわからないです。あとQRコードだけという仕様も辛いです。PCユーザーを見捨てないでほしいです。この時点で興味のあるエンジニアの6割が興味を失って脱落すると思います。

すぐに買えないのはなぜ?

めげずにスマホを持ってきてQRコードを読むと、良くわからんQAフォームに飛ばされます(お問い合わせ - 萩原エレクトロニクス)。

出た出た!日本の半導体会社の最大の悪癖「営業にご連絡ください」攻撃です。この時点で興味のあるエンジニアの9割が脱落します。上司に言われて仕事で渋々買う人以外は連絡しませんよ。これ。

QAフォームを見ると会社名が必須で「個人の開発者など用はない、去れ」という気持ちがビシビシ伝わりますが、めげずに「個人ですが何か?」とフォームを埋めてメッセージを送信しました。


QAフォーム

しばし待ってみましたが、特に確認メールなどは来ないようです。正常に送れたんでしょうか?不安になりますね。今日はいったんここまでです。買い方がわかったらまた続きを書こうと思います。

他国と比べてしまう

中国や台湾のメーカーはボード1つでも売ってくれるし、一瞬で注文できるし海を越えても届けてくれるのに、日本のボードは1日で発注にすら至らないし、すごく面倒くさいです。相当の機会損失していると思います……。

編集者:すずき(2022/12/19 16:23)

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2022年11月14日

電池 - まとめリンク

目次: 電池

ニッケル水素電池(Ni-MH)。

編集者:すずき(2024/01/13 17:24)

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2022年11月16日

個人で自社製品RISC-V CPUを買うことはできるか?その2 - 個人向け販売チャネル検討中

目次: RISC-V

先日(2022年11月12日の日記参照)送ったNS31Aの評価キット購入についての問い合わせの返事が来ました。あまりに返事が来なくて、メールアドレス書き間違ったかな?って不安だったので安心しました。ちなみに返事の内容は、

  • 個人向け販売は想定外だった
  • 個人向け販売もできないか社内調整する
  • 販売可能か不可能か今は答えられない

とのことです。QAフォームを見た時点で、これBtoB販売しか想定してないでしょ!?とは薄々感じていたので、やっぱりか〜と思いました。

というわけで、何かしらの決定&判断をいただけるまでもう少し待ってみます。

メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。

編集者:すずき(2022/12/19 16:25)

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2022年11月24日

個人で自社製品RISC-V CPUを買うことはできるか?その3 - 個人向け販売チャネル開設

目次: RISC-V

結論を先に言うと「面倒くさいけど個人でも買える」です。

Akaria NS31AのEntry Kitのご担当の方と何度かメールをやり取りしていただけで、あっというまに1週間経ちました。この時間があれば、中国や台湾のボードなら注文、支払いは全て終わって、家に届いていますね。さておき個人がNS31A Entry Kitを購入する場合の条件は下記の通りでした。

  • 個人→担当: QAフォームから連絡(Webサイトは準備中とのこと)
  • 個人→担当: 住所/電話番号を伝える
  • 担当→個人: 見積書が送られてくる
  • 個人: 萩原エレクトロニクス社の指定口座へ手数料負担で先払い
  • 担当→個人: 注文書PDFが送られてくる
  • 個人→担当: 注文書を印刷、捺印、スキャンして画像を返送
  • 商品は「着払い」で届く

最近の便利な通販サービスに慣れきってしまったため、かなり面倒くさいのと、そんなことするの?という驚きでいっぱいです。Amazonや楽天がいかに簡単で素晴らしいかわかります。

通販らしくない

B2Bのみの販売経路に、個人への販売経路を追加していただいたのは感謝していますが、企業→個人で「着払い」で物が送られるのは初めてで驚きました。

通常は請求料金に送料を乗せます。3万円のボードなら送料を企業側が負担することも珍しくありません。個人でやっているレベルの小規模小売店もできていることです。払う総額は同じでも、個人側の負担を減らそう、料金を明瞭にしよう、という意気込みが欲しかった……。

企業が着払いを使うのは逆(個人→企業)の方向に送るときです。つまり個人側が送料を負担しなくていいように、企業が着払いで受け取ります。修理時の発送では割と見かけますね。

編集者:すずき(2022/12/19 16:26)

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2022年11月26日

古いニッケル水素電池と新しい充電器

目次: 電池

以前購入(2022年2月4日の日記参照)したニッケル水素電池(以降Ni-MH)の充電器Panasonic BQ-CC87は、我が家の古い電池がお気に召さない(HHR-3MRSなど12本, 2000mAh, 09年9月製くらい)らしく充電してくれません。勿体ないですが古い電池は捨てることにしました。

電池がなくなってしまったので新たに買いました。生き残った電池と、新たに購入した電池は下記のとおりです。白黒eneloopは4本ずつ買いました。いずれも単三型です。

  • 古い電池: 充電式EVOLTA (Panasonic充電式EVOLTA, HHR-3MWS/3MKS, 1900mAh, 12年2月製) 4本
  • 新しい電池: 白eneloop (Panasonic eneloop, BK-3MCC, 1900mAh, 22年8月製) 4本
  • 新しい電池2: 黒eneloop (Panasonic eneloop pro, BK-3HCD, 2500mAh, 22年7月製) 4本

生き残った古い電池と、充電器に見捨てられた電池(捨てる予定)の違いは良くわかりませんが、何度やっても充電できず捨てるしかありませんでした。

10年の劣化

Panasonic BQ-CC87は放電の機能(Ni-MHを4本使ってUSBバッテリー代わりに使える)もあります。放電機能を使って新しい電池と古い電池の実力の差を見ましょう。

新たに買った白黒eneloopは購入時に充電済みでした。測定条件を揃えるため、どちらの電池も1度放電した後に、満充電+放電します。満充電に必要な電流量、放電できた電流量を、USB端子に付けたRouteRのRT-USBVAQ4QCを使って測ります。結果は下記の通りです。

古い電池 (Panasonic充電式EVOLTA, HHR-3MWS, 1900mAh)
充電: 2795mAh
放電: 864mAh
新しい電池 (Panasonic eneloop, BK-3MCC, 1900mAh)
充電: 3761mAh
放電: 1275mAh
新しい電池 (Panasonic eneloop pro, BK-3HCD, 2500mAh)
充電: 4857mAh
放電: 1761mAh

圧倒的ですね。新旧で1.5倍くらい違います。違いすぎじゃないですかね?10年使えるとかいう話はどこへ行ったのか。しかし新品であっても電池の公称容量1900mAhに対して1275mAh程度しか放電できていない点が気になります。BQ-CC87の放電機能を観察するに、

  • Ni-MH 4本中、2本が電圧低下判定されたら放電は強制終了される
  • 電圧低下判定の条件は不明だが、電池を傷めないよう最大容量まで使わないはず
  • 放電時の昇圧ロスもある

などなど踏まえて、全容量の7割程度使えたら良い方かな?と仮定すると、

Ni-MH側の持つ電力とUSB端子側の電力比較
Panasonic eneloop

(Ni-MH側)
1.2V x 1900mAh x 4 = 9.12Wh
9.12 x 70% = 6.38Wh

(USB側)
5V x 1275mAh = 6.37Wh


Panasonic eneloop pro

(Ni-MH側)
1.2V x 2500mAh x 4 = 12Wh
12Wh x 70% = 8.4Wh

(USB側)
5V x 1761mAh = 8.8Wh

それなりに計算が合います。7割の仮定が妥当かどうかは、後ほど黒eneloopも使って追加検証します(追記: 黒eneloopでも大体7割程度でした)。

放電機能の価値

BQ-CC87の放電機能を使えば、乾電池もしくはNi-MHがモバイルバッテリー代わりに!と言いたいところですが、常用には全く向きません。新しい電池を使ってさえ公称容量1900mAhをフルに発揮することはなく、古い電池であればさらにヘボヘボです。

役立つとしたら、モバイルバッテリーが壊れたときくらいですね。容量、放電能力(BQ-CC87は1A程度)、重量、サイズ、全てにおいてLi-ionタイプのモバイルバッテリーの勝利です。Ni-MHの勝ち目はありません。

BQ-CC87はあくまでも充電器で、放電機能は緊急時のおまけ機能です……。

編集者:すずき(2022/12/01 03:04)

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2022年11月27日

JTSA Limited大会参加2022

目次: 射的

JTSA Limitedの大会に参加しました。半年間の練習の成果を……と意気込むほどの腕前でもないので、気楽に参加してきました。終始、和やかな雰囲気で良かったですね。自分のスクワッド(squad = 分隊のことか?)はStage 4, 3, 1, 2, 5の順でした。

  • Stage 4: 大失敗、ワーストタイム更新
  • Stage 3: 成功、このステージは得意らしい
  • Stage 1: 失敗、このステージは苦手らしい
  • Stage 2: 大成功、ベストタイム更新
  • Stage 5: 成功

大会中はタイムを見ていなかったので、各Stageの成功、失敗は自覚がありませんでしたが、最初のStage 4だけは自覚できるレベルの大失敗でした。大会前の弾速チェックで数発撃ったことを忘れていて、外しまくったため弾切れしてホールドオープンしました……ダサいですね。

逆に大成功のStage 2はそれほどうまくいった自覚はありませんが、タイムを見ると自己ベストを更新していました、意外にも良かったです。人間、失敗は強く自覚しますが、成功はあまり自覚できないようにできているのかもしれません。


JTSA Limited練習会+大会の記録

総合的にはワーストとベストが打ち消しあって普通のタイム(いつもの85秒前後)で、結果オーライですね。成績は総合109位 / 131人、LMクラス28位 / 33人でした。

大会参加の方法

JTSA Limitedも来年のJTSA Unlimitedも会員登録(1年間有効3,000円)&参加費を払えば(1大会6,000円かな?)参加できます。大会中はルールを詳細に説明しませんから、大会のルールがわからない人はダメです(全員わかっている前提で進行します)が、それ以外の制限はありません。

大会に一人で特攻しても構わないですが、話す相手がいないのも寂しいでしょうし、身近なシューティングレンジで開催されている練習会に参加してみると良いかと思います。

編集者:すずき(2022/11/27 18:02)

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2022年11月29日

個人で自社製品RISC-V CPUを買うことはできるか?その4 - 発注

目次: RISC-V

Akaria NS31AのEntry Kitの注文をしました。下記は実際に送った書類です。住所とか電話番号とか、直筆で名前とか書いてある部分は黒塗りしてます。


NS31A Entry Kit発注書


NS31A Entry Kit注文書

いずれも現時点のもので、参考程度です。書式や値段は今後変わるかもしれません。

編集者:すずき(2022/12/19 16:27)

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