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2020年12月19日

車の燃費

目次:

車に乗ってるとたまに疑問に思うんですが、燃費ってアクセル開度で決まるんですかね?

同じ勾配、同じアクセル開度なら、毎速2500rpmで変速しても、2速5000rpmまで引っ張って、すぐ3, 4, 5速と変速しても、燃料消費量は同じ??なんてことをFacebookに書いてみたところ、会社の同僚のみなさんから色々教えていただけました。

同じアクセル開度なら、エンジンの燃焼効率の最適点が一番燃費が良いので、1速でぶん回すより、4速くらいの方が一般的には燃費が良いはず、とのことです。レスが超早かったです。さすが車の専門家達の会社だなと痛感しますね。

マイカーだとどの辺りか?

通常、燃焼効率の最適点は公開されていません。代わりとしてエンジン出力の最大点を使おうと思います。燃焼効率最適点=燃費の最大点、エンジン出力の最大点=加速の最大点であり、この2つは一致しません。ただし、効率が悪いにも関わらず最大出力に達するのは、ちょっと考えにくいですし、一致はしなくてもさほど遠くないだろう、という目論見です。

スバルのEJ20エンジンはいろんな車種に乗っていて、自分のレガシィB4のエンジン性能曲線が探せませんでした……。インプレッサWRX STIのEJ20エンジン性能曲線はすぐに出てきた(パワーユニット : ドライビング - WRX STI - SUBARU)ので、これを参考にしようと思います。


EJ20エンジン性能曲線(スバルのサイトから引用)

もちろん

  • 町中でアクセル全開しないから、このカーブにはならない
  • 同じEJ20でもレガシィとWRX STIは別物レベルで性能が違う

辺りはわかってます。

が、まあ、ざっくり言って、トルクカーブは2500〜4500rpmくらいまでピークかつ真っ平らです。ほぼどこで変速しても大丈夫!素晴らしいエンジンですね〜。

2000rpm前後の加速が眠くて、突然速くなる感じがするのも、レガシィが重たいからだと思いこんでいたんですけど、2000〜2500rpmでトルクが急激に立ち上がるエンジン特性からくるものなんですね。見覚えあるなと思って調べたら、昔も同じことを言っていました(2010年9月5日の日記2010年9月7日の日記参照)。完全に忘れてました。

何年乗ってるんだ、今更かよって感想ですけど……。

Facebookで教えていただいたところによると、EJ20はOBD2端子(On-board diagnosticsという故障診断の信号を送受信できる端子)から燃料消費量の情報が取れるはずなので、それを見たらどうか?ELM327互換のアダプタでBluetoothでスマホにデータを送る手もある、という素晴らしいアイデアをいただきました。

昔に付けたメーター(2011年5月4日の日記参照)で、瞬間燃費が表示できないか試してみようかな。

メモ: 技術系?の話はFacebookから転記しておくことにした。大幅に追記。

編集者:すずき(2023/09/30 14:52)

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  • Twitterからさん(2021/04/28 13:38)
    > 大学時代に知り合った人たちを思い出すと、大阪、京都の人は地元好きだったなー、と思った。

    とありますが、関西と北部九州は愛郷心強い人が多い印象受けますねー
    日本一愛郷心が高いのは福岡県とのことです
  • すずきさん(2021/05/02 00:08)
    なるほど、地元愛 No.1 は福岡なんですね。言われてみると福岡の方々も地元好きだった気がします。
    地元の方言を隠さない、というのも共通しているなあと思います。
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2020年12月20日

ANAのチケット代の仕組み

年末の帰省チケットを解約したとき(2020年12月17日の日記参照)に価格が激変していたことが気になったので、年末年始の羽田→千歳便の各チケットの価格をプロットしてみました。


年末年始の羽田→千歳便チケット価格

どうやらチケットの種類に関係なく、最後に付いているアルファベットで価格帯が決まるようです。Aが一番高くて、B, C, D, ... と安くなっていくようです。10月に予約したSUPER VALUE 75 Hが、今日予約できるVALUE 3 Jより高くなるのはこれが理由でした。

ANAの予約システムは、遠い予約日(1/Mくらい)だと、空席予測を強気に出すのかやや割高の運賃設定をしています。

  • VALUE 3 H(21360円〜)
  • VALUE 1 F(27560円〜)

くらいかな?早朝便、深夜便などは1ランク安くなりがちです。しかし、搭乗日が近づいて(増発を決めてしまった12/30など)、誰も乗らないことに気づき始めると、未だかつて見たことない安さのチケットが出現します。

  • VALUE 3 K(13560円〜)
  • VALUE 1 G(26260円〜)

こんな感じですね。安いなあ。

現在は特殊な状況に置かれている

遠い予約日が強気の価格になるのは、SUPER VALUEでも傾向が一緒のようです。SUPER VALUEの予約日は最短でも21日後と、必然的に遠くなるため、COVID-19の状況下ですと、予約日が遠いSUPER VALUEの方がかえって割高で買ってしまう可能性が高いです。

例えば、一番近いSUPER VALUEの予約日は21日後の1/10です。ラインナップはVALUE 3 H, VALUE 1 G, SUPER VALUE 21 J辺りで、今この瞬間はSUPER VALUE 21 Jが一番安く見えますが、1/10はおそらく誰も乗りません(帰省ラッシュがない以上、Uターンラッシュも起きない)から、1/3くらいまで待てば、VALUE 3 Kとかが登場して、SUPER VALUE 21 Jの価格を下回ると思います。

しかも今は「あんしん変更キャンペーン」があるので、SUPER VALUE 21 Jで予約して払い込んでしまい、年始に安い便があれば切り替え、払い戻しを受ければノーリスクで安く乗れるはずです。

天下のANAがこんな苦境に陥るとは誰が予想しただろうか

未だかつて年末の羽田→千歳便がこんな低価格で投げ売りされたことはありません。どれだけぼったくっても、皆が渋々乗るので「ドル箱路線」と称されたほどです。

10年来、散々、羽田→千歳便でボラれてきた身としては、今年は流石のANAもぼったくりはできなかったか……と思いました。けどまあCOVID-19に関しては同情しかなくて、乗れる機会があったら飛行機乗って応援したいですね。九州辺りに旅行に行きたいな〜。

「あんしん変更キャンペーン」はただでさえ客足が遠のく中、安く乗られ、割安で解約され、ANAとしては散々でしょう。

逆にこっちはあまり同情してません。飛行機の割引制度は縛りが多くて理不尽です。今の方が素直だし普通です。是非、このまま続けて欲しいですね。

メモ: 技術系?の話はFacebookから転記しておくことにした。いろいろ修正。

編集者:すずき(2020/12/21 02:02)

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  • hdkさん(2020/12/21 08:17)
    羽田鹿児島便、ANA直接予約はほとんどしたことがないんですが、楽天などのパック旅行でも1, 2週間前でも案外安いのが残っていることがよくありました。パックは変更がきかないものの、そもそも繁忙期を避ければどこに1泊分含まれているのかわからないくらい安いんですが、年末などはほとんど満席なのになぜか共同運航便だけ空席あり(しかもANA側で見ると満席)みたいなこともあった気がします。お得に行こうとするといろいろ調べてみないとわからないですね。
  • すずきさん(2020/12/21 19:00)
    パック旅行や旅行代理店に割り当てられた専用枠って、もはや法則性のある料金体系ではない(会社間の政治力で価格が変わる)ですし、一般消費者に全く理解不能な価格になるのは、どうしようもないですねえ……。逐一探すしかなさそう。
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2020年12月31日

デザイン変更

記事以外の表示(リンクとか編集ボタンとか)が縦に並んでいて、横長のディスプレイで見たときに邪魔なので、ちょっとだけデザインを変えて縦方向の長さを詰めました。

デザインはあまり詳しくないですが、もっと文字が読みやすくなるようにするにはどうしたら良いんでしょうね……?

編集者:すずき(2020/12/31 18:17)

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2021年1月2日

WindowsとLinuxのメモリ割り当て戦略の違い

目次: Linux
目次: Windows

新年早々、WindowsとLinuxのメモリ割り当て戦略の基本的な違いをすっかり忘れていて、ひどい目に合いました。

症状としてはSteamでゲームをしてると頻繁にゲームが落ちたり、ブラウザがクラッシュします。

何を調べた?

疑った順に、

AMDのグラフィクスドライバ?
  • バージョンアップしてもダメ。
  • クロックダウンしてもダメ。
  • 無効化し(Intel内蔵グラフィクスに切り替え)てもダメ。
熱暴走?
  • Intel内蔵グラフィクス切り替え+CPUクロックダウンで熱を抑えて、50℃行ってないのにダメ。
メモリ不足?
  • 物理メモリは数GB余っているのにダメ。

結論は?

仮想メモリの枯渇でした。Windowsは仮想メモリを物理メモリ+ページングファイルの合計量までしか割り当てません。私の環境は物理メモリ16GB+ページングファイル1GBに切り詰めていたため、仮想メモリは17GBまでしか確保できません。

ゲーム+ブラウザを起動すると仮想メモリの消費量が17GBを超えるときがあります。仮想メモリの割り当て量が上限ギリギリに達して、ゲームもしくはブラウザの運が悪い方が、仮想メモリを要求すると、割り当てに失敗します。

するとNULLポインタが返り、NULLポインタにアクセスしてゲームorブラウザがクラッシュしてしまうようです。誰一人として、仮想メモリの割り当て失敗を想定せんの?誰か1人くらいVirtualAlloc() が失敗したって教えてくれても良いのに……。

対策は?

ページングファイルを適当に増やせば(とりあえず16GBくらいにした)安定しました。

なぜそう判断した?

気づいたきっかけはゲーム(Cities: Skylines)のクラッシュダンプです。


クラッシュダンプのエラーログ

エラーログを見るとpaging fileの空きが1MBしかありません。Windowsではこれは仮想メモリの空きを表すそうです。これを知らなかったがために、全然関係ないドライバとか熱暴走を疑い、遠回りしてしまいました。

確認方法は?

タスクマネージャーで「コミット済み」の値をチェックすると、仮想メモリの使用量がわかります。これがゲーム+ブラウザで17GBを超えていました。


タスクマネージャー「コミット済み」の例

ダメ押しで、下記のようなVirtualAlloc() APIを呼んで仮想アドレスを大量にガメる(物理メモリはほぼ消費しない)プログラムを書いて、わざと仮想メモリだけを枯渇させました。

1GBずつ仮想メモリをガメるプログラム

#include <cstdio>
#include <cstdlib>
#include <windows.h>

#define CNT    16

int main()
{
	const size_t s = 1024 * 1024 * 1024;
	char buf[1024], *pb;
	void *p[CNT];

	for (int c = 0; c < CNT; c++) {
		p[c] = VirtualAlloc(NULL, s, MEM_COMMIT, PAGE_READWRITE);

		FormatMessageA(FORMAT_MESSAGE_FROM_SYSTEM, NULL, GetLastError(), 0, buf, sizeof(buf) - 1, NULL);
		printf("%s\n", buf);

		pb = (char*)p[c];
		for (size_t i = 0; i < s / 8192; i++)
			pb[i] = (char)i;
	}

	for (int c = 0; c < CNT; c++)
		VirtualFree(p[c], s, MEM_DECOMMIT);

	return 0;
}

この状態でゲームを動かすと容易に同じクラッシュが起こせます。というわけで仮想メモリの枯渇で確定と判断しました。

反省点は?

WindowsとLinuxの仮想メモリ割り当て戦略は全く違うのに、同じノリでWindowsのページングファイルを削ってしまったことですね……。一応、違いは知っていたんですが、行動に活かせず思い切りハマりました。

補足

Windowsは仮想メモリ割当てが保守的です。仮想メモリの割り当て上限=物理メモリ+ページファイルの合計となります。

  • 利点: 全プロセスが仮想メモリ全域にアクセスしても、物理メモリ+スワップで対応できます。仮想メモリと物理メモリの対応は必ずできて、プロセスをKillする必要は原理的に発生しません。
  • 欠点: 仮想メモリを確保だけしてアクセスしないプロセスが大量にいると、仮想メモリが先に枯渇します。物理メモリは遊んだままで無駄になります。

Linuxは仮想メモリの割り当て上限>物理メモリ+スワップファイルの合計となります(over commitment)。

  • 利点: 仮想メモリを無駄に確保するやつがいても、物理メモリ+スワップを使い切れます。
  • 欠点: 全プロセスが仮想メモリにアクセスしてしまうと、仮想メモリに紐づける物理メモリorスワップ領域が不足し、メモリ使用量を減らすためプロセスをKillせざるを得なくなります。

WindowsとLinuxのメモリ割り当て戦略は、利点と欠点が逆になるだけで、どっちもどっちです。

まとめ

今回の教訓をおさらいすると、Windowsを使っているのに、Linuxと同じノリでページファイルを1GBとか小さいサイズに削ると、速攻で仮想メモリが枯渇してひどい目に合うんでやめようね!ってことです。

編集者:すずき(2023/09/24 13:00)

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2021年1月3日

Windowsの仮想メモリサイズの謎

目次: Windows

Windowsで「コミット済み」(=仮想メモリの合計)の値を求める方法がさっぱりわかりません。タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブには下記のように値が表示されています。


タスクマネージャー「コミット済み」の例

しかしタスクマネージャーの「詳細」タブに表示される、各プロセスのコミットサイズ(=仮想メモリサイズのことらしい)を足しても全く足りません。どういうこと??


タスクマネージャー「コミットサイズ」の例

コミットサイズが全然信用できない例を挙げれば、AMDのRadeonドライバ関連でAMDRSServ.exeというプロセスがいます。このプロセスをタスクマネージャーで見ると「5MBしか使ってないよ」とおっしゃっています。


AMDRSServ.exeのコミットサイズは5MB

ところがプロセスを強制終了させると、突然700MBほど(6.2GB → 5.5GB)仮想メモリが解放されます。700MBも使っているプロセスはありませんでしたが、700MBどこから来た?意味不明ですね。


AMDRSServ.exe強制終了前


AMDRSServ.exe強制終了後

たぶんカーネル側というかドライバ内で仮想メモリをでかく取ると「コミット済み」と「各プロセスのコミットサイズの合計」の乖離が激しくなるんじゃないか?と予想していますが、調べ方がわかりません。

Windowsを使っていて仮想メモリが枯渇するような事態に陥り、調べる必要が出てきたとしても、タスクマネージャーの表示してる「コミットサイズ」は全然信用できないってことです。ひどい作りだなあ、もう。

編集者:すずき(2023/09/24 12:45)

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2021年1月14日

Debian TestingとZephyr SDKその1 - 自分でSDKをビルド

目次: Zephyr

開発用のマシンではDebian Testingを使っているのですが、久しぶりにdist-upgradeしたところPython 3.8が消えてしまいました。Python 3.9に移行したみたいです。

アップデート時は「そうなんだ、3.9になったんだな。」くらいの認識でスルーしまいたが、Zephyrを使おうとしたら異変に気づきました。なんとZephyr SDKのGDBが動きません。どうしてこうなった。

GDBを起動するとエラー
$ riscv64-zephyr-elf-gdb
riscv64-zephyr-elf-gdb: error while loading shared libraries: libpython3.8.so.1.0: cannot open shared object file: No such file or directory

Debianは元々Zephyr SDKのサポート範囲に入っていない(Ubuntuのみ)ですし、Debian Testingなんてサポートされるはずがないので、自力で解決する必要があります。

Zephyr SDKのビルド

Zephyr SDKのビルド手順は簡単ですが、Debian Testingだとうまくいきません。

Zephyr SDKのビルド
$ git clone https://github.com/zephyrproject-rtos/sdk-ng
$ cd sdk-ng

$ ./go.sh riscv64
./go.sh: 行17: python: コマンドが見つかりません

Pythonが見つからず怒られます。Debian Testingは /usr/bin/pythonがなくなったため、go.shのpythonをpython3に書き換えてあげると動きます。他にもPython 3.8を想定している箇所があるので、Python 3.9に直します。

Zephyr SDK改変(RISC-V 64向け)

diff --git a/configs/riscv64.config b/configs/riscv64.config
index 295f2c0..a9fc301 100644
--- a/configs/riscv64.config
+++ b/configs/riscv64.config
@@ -46,5 +46,5 @@ CT_CC_LANG_CXX=y
 CT_CC_GCC_LIBSTDCXX_NANO=y
 CT_DEBUG_GDB=y
 CT_GDB_V_9_2=y
-CT_GDB_CROSS_PYTHON_BINARY="python3.8"
+CT_GDB_CROSS_PYTHON_BINARY="python3.9"
 CT_GDB_CROSS_BUILD_NO_PYTHON=y
diff --git a/go.sh b/go.sh
index e5442fa..7a45fd8 100755
--- a/go.sh
+++ b/go.sh
@@ -14,7 +14,7 @@ fi
 
 COMMIT="d7da3a9c7f0f3a90bb4c71b91aea6cbc2471a541"
 GITDIR=${PWD}
-JOBS=$(python -c 'import multiprocessing as mp; print(mp.cpu_count())')
+JOBS=$(python3 -c 'import multiprocessing as mp; print(mp.cpu_count())')
 
 unameOut="$(uname -s)"
 unameMachine="$(uname -m)"

SDKはbuild/output以下に生成されます。RISC-V 64であればbuild/output/riscv64-zephyr-elfです。生成されたバイナリが動くか確かめましょう。

生成されたGDBを実行
$ cd build/output/riscv64-zephyr-elf/bin

$ ./riscv64-zephyr-elf-gdb
Segmentation fault

SEGVで死にました。うーん、だめそうですね……。次回以降、直せないかトライします。

編集者:すずき(2023/09/24 12:01)

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2021年1月16日

RISC-V QEMUのデバッグ用ビルド方法

目次: RISC-V

たまにRISC-V向けのQEMUの動きを見たいときがあって、デバッグビルドをするのですが、やり方を忘れがちなのでメモしておきます。

QEMUビルド

$ mkdir build
$ cd build

$ ../configure --target-list=riscv32-softmmu,riscv32-linux-user,riscv64-softmmu,riscv64-linux-user \
    --disable-docs --enable-debug

...

qemu 5.2.50

                   Install prefix: /usr/local
                   BIOS directory: share/qemu
                    firmware path: /usr/local/share/qemu-firmware
                 binary directory: bin
                library directory: lib
                 module directory: lib/qemu
                libexec directory: libexec
                include directory: include
                 config directory: /usr/local/etc
            local state directory: /usr/local/var
                 Manual directory: share/man
                    Doc directory: /usr/local/share/doc

...

                 thread sanitizer: NO
                         rng-none: NO
                    Linux keyring: YES
                     FUSE exports: NO
                       FUSE lseek: NO

  Subprojects
                    libvhost-user: YES

Found ninja-1.10.1 at /usr/bin/ninja

$ ninja

ビルドが成功するとbuildディレクトリ以下にqemu-system-riscv32やqemu-system-riscv64が生成されているはずです。

編集者:すずき(2021/07/15 20:35)

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2021年1月17日

Debian TestingとZephyr SDKその2 - パッチを当ててSDKビルドをする前に

目次: Zephyr

GDBとPython 3.9の組み合わせは、SEGVでクラッシュしました。調べてみると FedoraのBugzilla にドンピシャの情報が載っていました。Python 3.9とGDBの組み合わせが動かなかったこと、Red Hatの人がパッチを作ってくれて、5/28に修正されたこと、などが書いてあります。

Zephyr SDKのGDBは9.2(2020年5月23日リリース)で、上記のPython 3.9で動かすための修正は入っていません。残念。選択肢としては下記の2つが考えられます。

  • 10.1(2020年10月24日リリース)を使う
  • 9.2 + クラッシュを治すパッチ(リンク)を当てる

GDBのバージョンを変えると新たな厄災を招く恐れがあるため、今回は保守的に9.2 + パッチで行こうと思います。

基本(Crosstool-NG)に立ち戻る

Zephyr SDKは内部でCrosstool-NGというツールチェーンのビルドツールを利用しています。Zephyr SDKに突撃する前にCrosstool-NGの仕組みをおさらいし、9.2 + パッチでビルドする方法を試します。

Zephyr SDKのconfigs/ ディレクトリの下を見ると *.configファイルがたくさんあります。実はこれらはCrosstool-NGのコンフィグファイルです。このファイルをCrosstool-NGにコピーするとツールチェーンが作成できます。わかりやすいですね。

Zephyr SDKが持っているCrosstool-NGのコンフィグファイル
$ cd sdk-ng

$ ls configs/
arc.config    nios2.config                  xtensa_intel_byt_adsp.config
arm.config    riscv64.config                xtensa_intel_s1000.config
arm64.config  sparc.config                  xtensa_nxp_imx8m_adsp.config
i586.config   x86_64-zephyr-elf.config      xtensa_nxp_imx_adsp.config
iamcu.config  xtensa_intel_apl_adsp.config  xtensa_sample_controller.config
mips.config   xtensa_intel_bdw_adsp.config

Crosstool-NGはツールチェーンの各モジュールにパッチを当てられます。例えばGDB 9.2ならばpackages/gdb/9.2/ の下にパッチファイルを置くと、若い番号から順番にパッチ適用してくれます。

Crosstool-NGのGDB 9.2用パッチ
$ ls packages/gdb/9.2/

0000-musl_fix.patch                                 0004-allow-android.patch
0001-uclibc-no-gettimeofday-clobber.patch           chksum
0002-xtensa-make-sure-ar_base-is-initialized.patch  version.desc
0003-WIP-end-of-prologue-detection-hack.patch

このディレクトリに0005-xxxx.patchのような名前のパッチを追加すると、0004-allow-android.patchのあとにパッチを当ててくれます。便利ですね。パッチ当て処理の実装を見ましょう。

Crosstool-NGのパッチ当て実装

# crosstool-ng/scripts/functions

CT_DoExtractPatch()
{

...

            CT_Pushd "${src_dir}/${basename}"
            for d in "${patch_dirs[@]}"; do
                CT_DoLog DEBUG "Looking for patches in '${d}'..."
                if [ -n "${d}" -a -d "${d}" ]; then
                    for p in "${d}"/*.patch; do    #★パッチファイルを列挙、パッチ当てる
                        if [ -f "${p}" ]; then
                            CT_DoExecLog ALL ${patch} --no-backup-if-mismatch -g0 -F1 -p1 -f -i "${p}"
                        fi
                    done
                fi
            done

...

ビルド後にできるログbuild.logをLooking for patchesで検索していくと、パッチを当てている箇所が確認できます。

Crosstool-NGのパッチ当てログ
...

[DEBUG]    Looking for patches in 'crosstool-ng/packages/gdb/9.2'...
[DEBUG]    ==> Executing:  '/usr/bin/patch' '--no-backup-if-mismatch' '-g0' '-F1' '-p1' '-f' '-i' 'crosstool-ng/packages/gdb/9.2/0000-musl_fix.patch'
[ALL  ]    patching file gdb/linux-nat.c
[ALL  ]    patching file gdb/stopcode.h
[DEBUG]    ==> Return status 0
[DEBUG]    ==> Executing:  '/usr/bin/patch' '--no-backup-if-mismatch' '-g0' '-F1' '-p1' '-f' '-i' 'crosstool-ng/packages/gdb/9.2/0001-uclibc-no-gettimeofday-clobber.patch'
[ALL  ]    patching file gnulib/configure
[ALL  ]    patching file gnulib/import/m4/gettimeofday.m4
[DEBUG]    ==> Return status 0

...

Crosstool-NGがパッチを当てる順はシェルのファイル列挙順のため、ファイル名は必ずしも数字で始める必要はないです。しかし、前例に習ったほうが良いでしょう。パッチを0005-fix-python3.9.patchという名前で追加します。

Crosstool-NGでパッチを追加してビルド
$ git clone https://github.com/crosstool-ng/crosstool-ng
$ cd crosstool-ng

$ cat > packages/gdb/9.2/0005-fix-python3.9.patch
(パッチをコピペする)

$ ./bootstrap
$ ./configure --enable-local
$ make

$ cp ../sdk-ng/configs/riscv64.config ./.config

$ ./ct-ng menuconfig
$ ./ct-ng build

ビルド後にできるログbuild.logを確認して、パッチが当たっていることを確かめます。

Crosstool-NGのパッチ追加後のログ
...

[DEBUG]    Looking for patches in 'crosstool-ng/packages/gdb/9.2'...
[DEBUG]    ==> Executing:  '/usr/bin/patch' '--no-backup-if-mismatch' '-g0' '-F1' '-p1' '-f' '-i' 'crosstool-ng/packages/gdb/9.2/0000-musl_fix.patch'
[ALL  ]    patching file gdb/linux-nat.c
[ALL  ]    patching file gdb/stopcode.h
[DEBUG]    ==> Return status 0
[DEBUG]    ==> Executing:  '/usr/bin/patch' '--no-backup-if-mismatch' '-g0' '-F1' '-p1' '-f' '-i' 'crosstool-ng/packages/gdb/9.2/0001-uclibc-no-gettimeofday-clobber.patch'
[ALL  ]    patching file gnulib/configure
[ALL  ]    patching file gnulib/import/m4/gettimeofday.m4
[DEBUG]    ==> Return status 0

...

[DEBUG]    ==> Executing:  '/usr/bin/patch' '--no-backup-if-mismatch' '-g0' '-F1' '-p1' '-f' '-i' 'crosstool-ng/packages/gdb/9.2/0005-python3.9.patch'
[ALL  ]    patching file gdb/python/python.c
[ALL  ]    Hunk #1 succeeded at 234 (offset -4 lines).
[ALL  ]    Hunk #2 succeeded at 271 (offset -4 lines).
[ALL  ]    Hunk #3 succeeded at 952 (offset -19 lines).
[ALL  ]    Hunk #4 succeeded at 1552 (offset -68 lines).
[ALL  ]    Hunk #5 succeeded at 1720 (offset -70 lines).
[ALL  ]    patch unexpectedly ends in middle of line
[DEBUG]    ==> Return status 0

GDBの開発メールアーカイブから適当にコピペしてパッチを作ったので、Hunkがずれてるよって怒られましたが、パッチ当ては成功しています。あまり気にしなくても良いでしょう。ビルド後は動作確認しましょう。

Crosstool-NGでパッチ追加後のバイナリ動作確認
$ cd ~/x-tools/riscv64-zephyr-elf/bin

$ ./riscv64-zephyr-elf-gdb --version

GNU gdb (crosstool-NG 1.24.0.254_fcf3233) 9.2
Copyright (C) 2020 Free Software Foundation, Inc.
License GPLv3+: GNU GPL version 3 or later <http://gnu.org/licenses/gpl.html>
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動きました。良かった良かった。

編集者:すずき(2023/09/24 12:01)

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