Wikipediaに寄付しました。といっても5,000円ですけども。
Wikipediaの運営元(Wikimedia Foundation, Inc.)は広告なしでWikipediaのような巨大システムを維持していて、さすがだと思いますけど、寄付催促メールのしつこさはちょっと嫌ですね……。
メモ: 技術系?の話はFacebookから転記しておくことにした。
Twitterで「これ便利」と紹介されているのを見て知りました(製品紹介へのリンク)。エアコンハンガーというそうです。見た瞬間から「うわー!やめてくれー…エアコンは物干しじゃない」という感想しか浮かびません。
エアコン据付板の耐荷重はマチマチで、耐荷重ギリギリの可能性もあります。ハンガーの耐荷重(5kg)を追加で吊って、エアコン室内機が頭の上に落ちてきたら大ケガします(室内機の重さは10〜15kg)。
パナソニックのエアコン説明書にある山盛りの注意書きを見ましたが「エアコンにモノを吊り下げると、落下しケガする」とは書いていませんでした。家電のユーザーはメーカー想定を超える壊し方をすることは、一応知ってましたが、実例を目の当たりにしたのは初めてです。全く嬉しくないですね。
エアコンハンガーの利用で、事故やケガにあっている人がいないことを祈ります……。 ちなみに、エアコンハンガーのメーカー注意書きに、
「下地がしっかりしていない壁に取り付けられているエアコンには使用しないでください。エアコンが落下する恐れがあります。(例: 下地にベニア板の無い石膏ボードなど)」
と言い訳が書いてありますが、一般人が壁の素材と下地を知るわけないでしょう?本気で言ってるのか??
メモ: 技術系?の話はFacebookから転記しておくことにした。
目次: ROCK64/ROCKPro64
以前(2020年8月1日の日記参照)購入したSONY MDR-HW700DSが届きました。早速ROCKPro64でHDMIのビットストリームパススルーをテストしたいと思います。
ビットストリームパススルーは、SPDIFやHDMIに対して、圧縮音声データ(Dolby AC-3, DTS, MPEG2 AACなど)をデコードせず、そのまま送信する方式です。この方式の最大の利点としては、サラウンド音声が楽しめる点が挙げられます。
SPDIFは帯域が狭く、デコード後のサラウンド音声(LPCM 5.1ch)を送れません。しかしSPDIF上を圧縮音声のまま送信し、受信機であるホームシアターシステム側で音声をデコードすることで、SPDIFでもサラウンド音声が楽しめます。
HDMIの場合は利点がないかと言うとそうでもありません。LPCM 5.1chを送出できない機器もありますし、ホームシアターシステムに適したデコードやミキシングができる可能性もあります。
SPDIF/HDMIパススルーに対応したプレイヤーはいくつかあるようですが、今回はmpvを使用します。
GitHubにあるALSAのコンフィグファイル(GitHubへのリンク)を ~/.asoundrcなどに追記します。再生時にaudio-spdifオプションで出力フォーマットを指定します。再生するファイルの音声フォーマットと合っていれば、パススルーで出力されます。
$ mpv --no-video a.ac3 --audio-spdif=ac3 --audio-device="alsa/HDMI.pcm.hdmi.0:0" Playing: a.ac3 [ffmpeg/demuxer] ac3: Estimating duration from bitrate, this may be inaccurate (+) Audio --aid=1 (ac3 6ch 48000Hz) AO: [alsa] 48000Hz stereo 2ch spdif-ac3 ★AC3になっている A: 00:00:02 / 00:05:36 (0%)
SONY MDR-HW700DSのステータス画面は本体のインジケーターではなくHDMIの画像データにオーバーレイするタイプなので、HDMIディスプレイの写真を取りました。狙い通りにAC-3が再生されている様子がわかります。
オプションを間違えたり、オーディオデバイス番号を間違えてもエラーにはならず、再生が開始されますが、パススルーではなくデコードされLPCMで再生が開始されます。
$ mpv --no-video a.ac3 --audio-spdif=ac3 --audio-device="alsa/hw:0" ★間違えてhw:0にした Playing: a.ac3 [ffmpeg/demuxer] ac3: Estimating duration from bitrate, this may be inaccurate (+) Audio --aid=1 (ac3 6ch 48000Hz) ALSA lib conf.c:4898:(parse_args) Unknown parameter AES0 ALSA lib conf.c:5031:(snd_config_expand) Parse arguments error: No such file or directory ALSA lib pcm.c:2565:(snd_pcm_open_noupdate) Unknown PCM hw:0,AES0=6,AES1=130,AES2=0,AES3=2 [ao/alsa] Playback open error: No such file or directory [ao] Failed to initialize audio driver 'alsa' [ao] This audio driver/device was forced with the --audio-device option. [ao] Try unsetting it. AO: [alsa] 48000Hz stereo 2ch s32 ★LPCMになっている A: 00:00:02 / 00:05:36 (0%)
その他の注意点として、受信機側がパススルー出力で送った圧縮音声に対応していない場合、LPCMだと思って再生してしまい、バリバリバリ!!という凄まじい音量のノイズが再生されることがあります。お試しの際は、音量を小さくしてからテストしてください。
目次: ROCK64/ROCKPro64
今更ですが、メモしていなかった気がするので、ROCKPro64(Rockchip RK3399搭載)でHDMI Audioを有効にする方法です。
方法は簡単でLinuxのCONFIG_DRM_DW_HDMI_I2S_AUDIOと、CONFIG_GPIO_SYSCONを有効にすれば良いです。8/7時点のlinux-nextのツリーでは、make defconfigすると、GPIO_SYSCONはnで、ビルド対象外になっています。手動で下記の設定を有効にする必要があります。
Device Drivers ---> -*- GPIO Support ---> Memory mapped GPIO drivers ---> [*] GPIO based on SYSCON Graphics support ---> Display Interface Bridges ---> [*] Synopsys Designware I2S Audio interface [*] Sound card support ---> [*] Advanced Linux Sound Architecture ---> [*] ALSA for SoC audio support ---> CODEC drivers ---> [*] Everest Semi ES8316 CODEC
CONFIG_SND_SOC_ES8316はアナログオーディオを使いたい場合に有効にしてください。
目次: ROCK64/ROCKPro64
去年だったか、ROCKPro64のHDMI音声出力を有効化するパッチをlinux-nextに送ろうとしたことがあります。当時のレビューコメントでSPDIFとHDMIの音声ビットストリームパススルー出力(※1)は動くか?と聞かれたものの、テスト環境がなかったため、わからないまま挫折してしまいました。
今回、再チャレンジにあたり、テスト用にSPDIFとHDMIの音声ビットストリームをデコードできる機械を探しました。これがどうして、お手頃価格の良い商品が見当たらないです。
AmazonではSPDIFのみ対応の商品がありました。メーカーが怪しい、色んなバージョンが色んな店から売られている、そもそも動くの??など不安は募りますが、ダメ元で購入しました。
大手メーカー製を探すと、ホームシアター用ヘッドホンシステム3〜4万円、もしくはAVプリアンプ10万円over!のような大げさな商品しかありません。
音声ビットストリームパススルー出力が、いかに高コスト&需要がないか良くわかりました。普通の人は音声信号がLPCMかパススルーかなど細かいことは気にしませんから、当然の成り行きでしょうね。
(※1)音声信号としてLPCMではなく、Dolby Digital(AC-3)やDTSをデコードせず圧縮音声のままSPDIFやHDMIに出力する方式のことです。デコードは受信機器側で行います。
SPDIFパススルーのテスト用に、中国製と思われる謎の機械(型番なし、筐体にはHD AUDIO RUSHと書いてある)を購入しました。Amazonで4,000円くらいです。安い!事前の不安をよそに音は正常に鳴っています。素晴らしいです。
しかし本体にコーデックのインジケータがなく、LPCMか音声ビットストリームか全く判別がつきません。テスト用の機材としてはイマイチでした。10分に1回くらいSPDIF信号のPLLロックが外れた(?)と思われる、数秒レベルの音切れが発生します。ROCKPro64の出す信号が悪いのか、HD AUDIO RUSHが悪いのか、切り分けできず真因は不明です。
SPDIFだけだとLPCM 96kHz 16bit 2ch(3.072Mbps)のような、SPDIF(Max 1.5Mbps)の帯域を超える音声信号はテストできません。無理やり流すと酔っ払いが演奏してるみたいな変な音になります。HD AUDIO RUSHくん以外にHDMI用のテスト機材が必要です。
HDMIのテストならテレビ(Panasonic TH-L37DT3)で確認できるだろ、と思っていたら、HDMI音声入力はLPCM 2chのみの対応でした。LPCMは2ch以外にも5.1ch出力(※2)がありますがテストできません。ダメだこれ。
覚悟を決めてサラウンドヘッドフォンシステムSONY MDR-HW700DSを注文しました。37,000円くらいします、高い!まだ家に届いていませんが、来週辺りかな、人生初のSPDIF/HDMI音声ビットストリームパススルー対応機器が手に入ります。
(※2)身近な例でいうとNintendo Switchのサラウンドモードが、LPCM 5.1ch出力を使います。試しにSwitchをサラウンドモードにすると、テレビから全く音が出ませんでした。がっかり。
目次: 車
コロナ騒ぎが始まって、遠出することもなくなり、かれこれ4か月以上?車に乗らず放置していました。
骨折した奥さんを整形外科におくるため、JAFさんに車のバッテリー上がりを直してもらったんですけど、バッテリー電圧がなんと1Vしかありません。えー??
車のバッテリー(鉛蓄電池)の端子電圧は12V程度が正常ですから、10Vの見間違い?と思いましたけど、何回見ても1.0Vでした。乾電池だってもうちょっと電圧あるでしょう。
今まで何度となくバッテリー上がりさせ、バッテリー破壊もこれで4度目(2007年、2013年、2016年、2020年)ですけど、1Vまで下がったのは初めてです。
割とお高いGS YUASA 80D23L大容量バッテリーを使っていたのですが、いかなるバッテリーであろうと、このレベルの過放電には無力ですね。エンジン掛かった後も全く充電される気配がありませんでした。
近所のイエローハットまでバッテリー交換しに行く道中が一番嫌でした。
こんな状態で、産業道路〜環七〜第二京浜と走るのはかなり怖いです。無事に辿り着けて良かったけども。
また懲りずにPanasonic 85D23Lの大容量バッテリーに交換しておきました。3万円くらいしました。たっけぇ……。今年は車検もあるし、全然乗ってない割に金ばっかり掛かってます。不思議ですね。
メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。
目次: ROCK64/ROCKPro64
最近はたくさんのARMのシングルボードコンピュータ(SBC)が市販されています。2019年以降のボードも追加してみました。値段は変動するので参考です。
古い世代のSoCを採用したボード達です。
以前(2019年5月15日の日記参照)載せた情報も含んでいます。
目次: GCC
前回(2020年7月19日の日記参照)は四則演算と論理演算(and, or, xor)を定義しました。今回はNot演算を定義します。他の論理演算と異なり、Not演算は2オペランドしか取りませんから、define_insnを別に書く必要があります。
;; gcc/config/riscv/riscv.md
(define_insn "one_cmpl<mode>2"
[(set (match_operand:ANYV 0 "register_operand" "=v")
(not:ANYV (match_operand:ANYV 1 "register_operand" "%v")))]
"TARGET_VECTOR"
"vnot.vt%0,%1"
[(set_attr "type" "logical")
(set_attr "vecmode" "<MODE>")])
前回同様に、ベクトル拡張記法(Vector Extensions (Using the GNU Compiler Collection (GCC)))を使ってビット毎Notを使うプログラムを書きます。
typedef int __v64si __attribute__((__vector_size__(256)));
void test()
{
__v64si v10, v11;
static int b[1024 * 1024] = {0};
__asm__ volatile ("vlw.v %0, %1\n" : "=&v"(v10) : "A"(b[10]));
__asm__ volatile ("vlw.v %0, %1\n" : "=&v"(v11) : "A"(b[20]));
v10 = ~v11;
__asm__ volatile ("vsw.v %1, %0\n" : "=A"(b[40]) : "v"(v10));
}
コンパイルするとエラーが発生します。何かお気に召さないようです。
$ riscv32-unknown-elf-gcc b.c -nostdlib -Og -march=rv32gcv -mabi=ilp32f during RTL pass: reload dump file: b.c.282r.reload b.c: In function 'test': b.c:14:1: internal compiler error: in setup_operand_alternative, at lra.c:814 14 | } | ^ 0xea5c36 setup_operand_alternative gcc/gcc/lra.c:814 0xea70c2 lra_set_insn_recog_data(rtx_insn*) gcc/gcc/lra.c:1073 0xea30f9 lra_get_insn_recog_data gcc/gcc/lra-int.h:488 0xeab0b9 remove_scratches_1 gcc/gcc/lra.c:2058 0xeab4c4 remove_scratches gcc/gcc/lra.c:2094 0xeac629 lra(_IO_FILE*) gcc/gcc/lra.c:2396 0xe1a41f do_reload gcc/gcc/ira.c:5523 0xe1ae5c execute gcc/gcc/ira.c:5709
コードを見ると最後のオペランドに % を付けるべきではないそうです。確かにdefine_insnを見ると % が要らないのに付いています。
// gcc/lra.c
/* Setup info about operands in alternatives of LRA DATA of insn. */
static void
setup_operand_alternative (lra_insn_recog_data_t data,
const operand_alternative *op_alt)
{
int i, j, nop, nalt;
int icode = data->icode;
struct lra_static_insn_data *static_data = data->insn_static_data;
static_data->commutative = -1;
nop = static_data->n_operands;
nalt = static_data->n_alternatives;
static_data->operand_alternative = op_alt;
for (i = 0; i < nop; i++)
{
static_data->operand[i].early_clobber_alts = 0;
static_data->operand[i].is_address = false;
if (static_data->operand[i].constraint[0] == '%') //★★% が付いていればcommutative
{
/* We currently only support one commutative pair of operands. */
if (static_data->commutative < 0)
static_data->commutative = i;
else
lra_assert (icode < 0); /* Asm */
/* The last operand should not be marked commutative. */
lra_assert (i != nop - 1); //★★このアサートに引っかかる
}
}
...
素直に応じるとエラーは消えます。
(define_insn "one_cmpl<mode>2"
[(set (match_operand:ANYV 0 "register_operand" "=v")
(not:ANYV (match_operand:ANYV 1 "register_operand" " v")))] ★★% を消す
"TARGET_VECTOR"
"vnot.vt%0,%1"
[(set_attr "type" "logical")
(set_attr "vecmode" "<MODE>")])
四則演算、論理演算(3オペランド系)と、Not演算(2オペランド系)が揃いました。残りの頻出する演算はビットシフト系かな?
最後のオペランドをcommutativeにしてはいけない理由は、GCCのConstraintsの説明を見るとわかります。
`%' Declares the instruction to be commutative for this operand and the following operand. This means that the compiler may interchange the two operands if that is the cheapest way to make all operands fit the constraints. GCC can only handle one commutative pair in an asm; if you use more, the compiler may fail. Note that you need not use the modifier if the two alternatives are strictly identical; this would only waste time in the reload pass. The modifier is not operational after register allocation, so the result of define_peephole2 and define_splits performed after reload cannot rely on `%' to make the intended insn match.
難しいことを言っていますが、commutativeは % を付けたオペランドと「次」のオペランドが可換だと宣言することだそうです。最後のオペランドには「次」のオペランドがありませんから、% を付けてはいけません。なるほど。
RISC-Vの場合は論理演算のdefine_insnの2番目のオペランドに % が使われています。
;; gcc/config/riscv/riscv.md
;; This code iterator allows the three bitwise instructions to be generated
;; from the same template.
(define_code_iterator any_bitwise [and ior xor])
...
(define_insn "<optab><mode>3"
[(set (match_operand:X 0 "register_operand" "=r,r")
(any_bitwise:X (match_operand:X 1 "register_operand" "%r,r")
(match_operand:X 2 "arith_operand" " r,I")))]
""
"<insn>%i2t%0,%1,%2"
[(set_attr "type" "logical")
(set_attr "mode" "<MODE>")])
例えばand r1, r2, r3とand r1, r3, r2は結果が同じですから、2番目と3番目のオペランドは入れ替え可能です。3つの論理演算(any_bitwiseはand, or, xorのこと)はいずれも同様に入れ替え可能ですので、このような定義になっています。
目次: GCC
ベクトルのロード、ストアだけでは自動ベクトル化できるコードが少なすぎるので、他の演算も定義したいと思います。
;; gcc/config/riscv/riscv.md
(define_attr "vecmode" "unknown,V32SI,V64SI"
(const_string "unknown"))
...
;; Iterator for hardware supported vector modes.
(define_mode_iterator ANYV [(V32SI "TARGET_VECTOR")
(V64SI "TARGET_VECTOR")])
...
;;★★加算
(define_insn "add<mode>3"
[(set (match_operand:ANYV 0 "register_operand" "=v")
(plus:ANYV (match_operand:ANYV 1 "register_operand" " v")
(match_operand:ANYV 2 "arith_operand" " v")))]
"TARGET_VECTOR"
"vadd.vvt%0,%1,%2"
[(set_attr "type" "arith")
(set_attr "vecmode" "<MODE>")])
;;★★減算
(define_insn "sub<mode>3"
[(set (match_operand:ANYV 0 "register_operand" "=v")
(minus:ANYV (match_operand:ANYV 1 "register_operand" " v")
(match_operand:ANYV 2 "arith_operand" " v")))]
"TARGET_VECTOR"
"vsub.vvt%0,%1,%2"
[(set_attr "type" "arith")
(set_attr "vecmode" "<MODE>")])
;;★★乗算
(define_insn "mul<mode>3"
[(set (match_operand:ANYV 0 "register_operand" "=v")
(mult:ANYV (match_operand:ANYV 1 "register_operand" " v")
(match_operand:ANYV 2 "arith_operand" " v")))]
"TARGET_VECTOR"
"vmul.vvt%0,%1,%2"
[(set_attr "type" "arith")
(set_attr "vecmode" "<MODE>")])
;;★★除算
;; This code iterator allows unsigned and signed division to be generated
;; from the same template.
(define_code_iterator any_div [div udiv mod umod])
(define_insn "<optab><mode>3"
[(set (match_operand:ANYV 0 "register_operand" "=v")
(any_div:ANYV (match_operand:ANYV 1 "register_operand" " v")
(match_operand:ANYV 2 "arith_operand" " v")))]
"TARGET_VECTOR"
"v<insn>.vvt%0,%1,%2"
[(set_attr "type" "arith")
(set_attr "vecmode" "<MODE>")])
;;★★論理演算
;; This code iterator allows the three bitwise instructions to be generated
;; from the same template.
(define_code_iterator any_bitwise [and ior xor])
...
(define_insn "<optab><mode>3"
[(set (match_operand:ANYV 0 "register_operand" "=v")
(any_bitwise:ANYV (match_operand:ANYV 1 "register_operand" "%v")
(match_operand:ANYV 2 "arith_operand" " v")))]
"TAREGET_VECTOR"
"v<insn>.vvt%0,%1,%2"
[(set_attr "type" "logical")
(set_attr "vecmode" "<MODE>")])
四則演算、論理演算を使う下記のプログラムを書きます。自動ベクトル化で四則演算のループをベクトル化しても良いですが、ベクトル拡張記法(Vector Extensions (Using the GNU Compiler Collection (GCC)))を使ったほうが狙った演算が出しやすく、テストするときに楽です。
typedef int __v64si __attribute__((__vector_size__(256)));
void test()
{
__v64si v10, v11, v12, v13;0;
__asm__ volatile ("vlw.v %0, %1\n" : "=&v"(v10) : "A"(b[10]));
__asm__ volatile ("vlw.v %0, %1\n" : "=&v"(v11) : "A"(b[20]));
__asm__ volatile ("vlw.v %0, %1\n" : "=&v"(v12) : "A"(b[30]));
__asm__ volatile ("vlw.v %0, %1\n" : "=&v"(v13) : "A"(b[40]));
v10 = v11 + v12;
v11 &= v12 - v13;
v12 |= v13 * v10;
v13 ^= v10 / v11;
__asm__ volatile ("vsw.v %1, %0\n" : "=A"(b[40]) : "v"(v10));
__asm__ volatile ("vsw.v %1, %0\n" : "=A"(b[50]) : "v"(v11));
__asm__ volatile ("vsw.v %1, %0\n" : "=A"(b[60]) : "v"(v12));
__asm__ volatile ("vsw.v %1, %0\n" : "=A"(b[70]) : "v"(v13));
}
ビルド方法は何でも良いですが、最適化レベルをOgにするとアセンブラが見やすいと思います。
$ riscv32-unknown-elf-gcc b.c -nostdlib -g -Og -march=rv32gcv -mabi=ilp32f $ riscv32-unknown-elf-objdump -dS a.out ... __asm__ volatile ("vlw.v %0, %1\n" : "=&v"(v13) : "A"(b[40])); 10092: 0a028793 addi a5,t0,160 10096: 1207e207 vlw.v v4,(a5) v10 = v11 + v12; 1009a: 022081d7 vadd.vv v3,v2,v1 v11 &= v12 - v13; 1009e: 0a120057 vsub.vv v0,v1,v4 100a2: 26010057 vand.vv v0,v0,v2 v12 |= v13 * v10; 100a6: 9641a157 vmul.vv v2,v4,v3 100aa: 2a208157 vor.vv v2,v2,v1 v13 ^= v10 / v11; 100ae: 863020d7 vdiv.vv v1,v3,v0 100b2: 2e1200d7 vxor.vv v1,v1,v4 __asm__ volatile ("vsw.v %1, %0\n" : "=A"(b[40]) : "v"(v10)); 100b6: 0207e1a7 vsw.v v3,(a5) ...
うまくいっているようです。良かった良かった。
GitHubが北極にコードを保存する取り組み(私のソースコードが北極送りに? "GitHub" アカウントに謎のラベルが付与されたとの報告が多数 - やじうまの杜 - 窓の杜)をしているそうです。面白いこと考えますよね。
GitHub Arctic Code Vault Contributor
気づいたら自分のGitHubアカウントにもArctic Code Vault Contributorと出ていました。有名なOSSには関わってないし縁がないと思っていましたが、どうやらLinuxにコントリビュートしていたので出てきたっぽいです。いわれてみるとLinuxもGitHubにミラーされてました。
現代人をもってしても1000年前の文字の解読(例: ヒエログリフ、前3200年〜4世紀、19世紀頃に解読された)はとても苦労したこと、解読されていない古代文字がまだまだあることを考えれば、現代文字や文明を遺しても未来人が理解不能で終わってしまう可能性もあるわけです。
少なくとも未来文明は現代文明より遥か上の水準に発展していないと、仮に現代文字や文明を発見できても、真に理解するのは難しいでしょう。
こんなことを考えると、実はCode Vaultの取り組みは「地球の未来は今より進んでいるはず」という信頼や願望が前提になっていることが見て取れます。人類か、それ以外の生命体か、誰の手に渡るかわかりませんが、SF的なロマンがありますよね。
目次: GCC
GCCには自動ベクトル化(tree-vectorize)機能があります。ループ処理を自動的にSIMD命令に置き換えるために使われているようです。現状のGCCが可変長のベクトル長に対応しているかどうかはわかりません。未対応ならば可変長のベクトル長に対応する実装が必要になりますが、非常に難しそうです。
可変長のベクトルの扱いはひとまず横に置くとして、RISC-Vのベクトルを「とても長い固定長のSIMD」とみなして自動ベクトル化を動かします。
// gcc/config/riscv/riscv.c
/* Implement TARGET_VECTORIZE_AUTOVECTORIZE_VECTOR_MODES. */
static unsigned int
riscv_autovectorize_vector_modes (vector_modes *modes, bool)
{
if (TARGET_VECTOR)
{
modes->safe_push (V64SImode);
modes->safe_push (V32SImode);
}
return 0;
}
...
#undef TARGET_VECTORIZE_AUTOVECTORIZE_VECTOR_MODES
#define TARGET_VECTORIZE_AUTOVECTORIZE_VECTOR_MODES riscv_autovectorize_vector_modes
自動ベクトル化を有効にする方法は簡単で、これだけです。
void *cpy(void *dst, const void *src, int n)
{
int *d = dst;
const int *s = src;
int i;
for (i = 0; i < n / sizeof(*d); i++) {
d[i] = s[i];
}
return dst;
}
この関数がベクトル化あり、なしでどのように変わるか見ます。
//★★自動ベクトル化、あり
d[i] = s[i];
100b8: 1202e007 vlw.v v0,(t0)
100bc: 10038393 addi t2,t2,256
100c0: f0038793 addi a5,t2,-256
100c4: 10028293 addi t0,t0,256
100c8: 0207e027 vsw.v v0,(a5)
for (i = 0; i < n / sizeof(*d); i++) {
100cc: fee296e3 bne t0,a4,100b8 <cpy+0x44>
100d0: 00661293 slli t0,a2,0x6
100d4: 02568963 beq a3,t0,10106 <cpy+0x92>
100d8: 959a add a1,a1,t1
100da: 932a add t1,t1,a0
d[i] = s[i];
100dc: 0005a383 lw t2,0(a1)
//★★自動ベクトル化、なし
d[i] = s[i];
10080: 0005a303 lw t1,0(a1)
for (i = 0; i < n / sizeof(*d); i++) {
10084: 0591 addi a1,a1,4
10086: 0291 addi t0,t0,4
d[i] = s[i];
10088: fe62ae23 sw t1,-4(t0)
for (i = 0; i < n / sizeof(*d); i++) {
1008c: fe759ae3 bne a1,t2,10080 <cpy+0xc>
}
return dst;
}
10090: 8082 ret
ソースコードではベクトル型を使っていませんが、自動ベクトル化により256バイト(=64要素)ずつ処理され、vlw.v, vsw.v命令が使われるようになったことがわかります。
目次: OpenCL
OpenCLは複数のベンダーのデバイスを同時に扱うことができます。ICD(Installable Client Driver)というそうです。ICDはGPUなどのデバイスを制御し、アプリケーションとICDの間にICDローダーが存在します。
Debian TestingではICDローダーとしてocl-icd-2.2.12が使われています。
$ apt-cache search ocl-icd-libopencl1 ocl-icd-libopencl1 - Generic OpenCL ICD Loader
ローダーのソースコードはGitHub(リンク)にあります。
先程、図示したもの以外にもICDはいくつか実装があります。現時点のDebian Testingでは下記が提供されていました。
IntelはICDのソースコードを完全にオープンにしています。NVIDIAは公開していません。AMDもないのかな?
動作を追ってみたいと思います。アプリケーションにはclinfoを使います。ocl-icdは環境変数OCL_ICD_DEBUG=15に設定すると、動作時に詳細なログを出力します。デバッガで追うのと併用するとわかりやすいです。
ローダーが走査するディレクトリは /etc/OpenCL/vendorsがハードコードされていますが、環境変数OPENCL_VENDOR_PATHで変更できます。
ICDのロードの中心となる処理は _find_and_check_platforms() です。
プラットフォームは説明が難しいですが、OpenCL APIの実体+任意のドライバ固有のデータとでも言いましょうか。変数の型はcl_platform_id * 型です。cl_platform_idは少なくとも先頭のメンバはstruct _cl_icd_dispatch *dispatchでなければなりません。dispatchの後ろには他の情報が入っていても問題ないようです。
// ocl-icd/ocl_icd_loader.c
static inline void _find_and_check_platforms(cl_uint num_icds) {
cl_uint i;
...
cl_platform_id *platforms = (cl_platform_id *) malloc( sizeof(cl_platform_id) * num_platforms);
error = (*plt_fn_ptr)(num_platforms, platforms, NULL);
...
for(j=0; j<num_platforms; j++) {
debug(D_LOG, "Checking platform %i", j);
struct platform_icd *p=&_picds[_num_picds];
char *param_value=NULL;
p->extension_suffix=NULL;
p->vicd=&_icds[i];
p->pid=platforms[j]; //★★pid = platform IDのことらしい
/* If clGetPlatformInfo is not exported and we are here, it
* means that OCL_ICD_ASSUME_ICD_EXTENSION. Si we try to take it
* from the dispatch * table. If that fails too, we have to
* bail.
*/
if (plt_info_ptr == NULL) {
plt_info_ptr = p->pid->dispatch->clGetPlatformInfo; //★★dispatchメンバが存在することを前提としている
// ocl-icd/khronos-headers/CL/cl.h
typedef struct _cl_platform_id * cl_platform_id;
// ocl-icd/(build-dir)/ocl_icd_loader_gen.h
struct _cl_platform_id { struct _cl_icd_dispatch *dispatch; }; //★★dispatch以外は特に規定がなさそう
// ocl-icd/(build-dir)/ocl_icd.h
struct _cl_icd_dispatch {
#ifdef CL_VERSION_1_0
CL_API_ENTRY cl_int (CL_API_CALL*clGetPlatformIDs)(
cl_uint /* num_entries */,
cl_platform_id * /* platforms */,
cl_uint * /* num_platforms */
) CL_API_SUFFIX__VERSION_1_0;
#else
CL_API_ENTRY cl_int (CL_API_CALL* clUnknown0)(void);
#endif
#ifdef CL_VERSION_1_0
CL_API_ENTRY cl_int (CL_API_CALL*
clGetPlatformInfo)(
cl_platform_id /* platform */,
cl_platform_info /* param_name */,
size_t /* param_value_size */,
void * /* param_value */,
size_t * /* param_value_size_ret */
) CL_API_SUFFIX__VERSION_1_0;
#else
CL_API_ENTRY cl_int (CL_API_CALL* clUnknown1)(void);
#endif
...
//★★こんな調子で関数ポインタの定義が延々と続く
先頭のdispatchはたくさんの関数ポインタが並んだ巨大な構造体です。アプリケーションから見るとOpenCLのAPIはocl-icdが提供しているように見えますが、ocl-icdのAPI実装はdispatchの関数ポインタを呼ぶラッパー関数であり、関数ポインタと、OpenCL API実装の本体を提供するのは各ICDの役割です。
目次: ゲームに統合。
目次: ゲーム
MAD Tower Tycoonでゾーン方式のエレベータの作り方を悩んで色々やっていたら、いつのまにかレベル100、実績コンプリートしていました。ゲーム内時間は表示されないので詳しくはわかりませんが、おそらく700日くらい?
The Towerと比べて色々思うところはありますが、総合的にみれば面白いと思います。
序盤だけ金欠になりやすいですが、難易度はかなり低めですし、ビル建築シミュレーション初めての方にオススメしたいゲームです。
MAD Tower Tycoonは住人を追尾する機能があり、ビルの住人が困っていないか把握するのに便利です。基本的には目的地に行って、家に帰る(住人の場合)、もしくはビルから出る(ゲストの場合)だけですけど、大きなビルを作ると変な行動が目立ちます。
前回(2020年7月10日の日記参照)も書きましたが、MAD Tower Tycoonはゾーン方式のエレベーターを作る方法がわかりません。今はメンテナンス施設の射程(上下6Fに効果がある)の関係で、7階+8階(※)おきに乗り換え階を作っています。
どうもこの方式だと40階くらいで限界っぽいです。乗り換えに時間が掛かりすぎて、目的地に行くだけで半日費やしている気の毒な住民がいます。彼らはなぜか不満は言いませんが、見ていると不憫です……。
救いとしてはMAD Tower Tycoonはビルの横幅がめちゃくちゃ広く取れるので、45階もあれば、レベル100、五つ星ビルが余裕で作れることです。だけど、やっぱりThe Towerにあやかるなら、100階建て目指したいですよね?
(※)効率重視ならば7F, 14F乗り換えが最適ですが、スカイロビーを作成できるのは15Fからなので、あえて14Fを空きフロアにして、15F乗り換えにしています。
MAD Tower Tycoonは、The Towerとかなり似ているがゆえに、つい比較してしまいます。
良いところ
悪いところ
ゾーン方式のエレベーターが作れたら、高層ビルに効率的に人を運べるようになって、もっと面白くなるはずなのに。もったいないよ〜。
目次: ゲーム
STATIONflowの実績をコンプリートしました。「ラッキーセブン」と「東京」は自動化マクロを組まないと取れませんでした。
本来、このゲームにハマって色々なマップをずっと遊んでいたらいつのまにか取れていた、というタイプの実績ですが、申し訳ないことに、私はそこまでの情熱がなかったです。
ゲームやったらわかりますけど、この2つの実績だけ条件設定が異常すぎます。
実績の条件(総利用者数700万人、1,390万人)がいかに異常かがわかると思います。
自動化の方法は簡単で、PowerShellでEnterキーを3秒に1回送るマクロを組んで、会社行っている間や夜間に放置するだけです。2週間くらいで取れました。
STATIONflowは放置しても悪いイベントが起きない(=駅が壊れない)優しい仕様になっているため、自動化+放置が可能でしたが、他のシミュレーションゲームだと偶発的に悪いイベントが起きるため、この方法は使えません。
まあ、明らかに製作者の想定した取り方ではないし、こんな方法で実績取っても嬉しくないし、無理に実績取るのは今後はやめておきます。
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