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2020年8月3日

ROCKPro64とSPDIF/HDMIビットストリームパススルー

目次: ROCK64/ROCKPro64

以前(2020年8月1日の日記参照)購入したSONY MDR-HW700DSが届きました。早速ROCKPro64でHDMIのビットストリームパススルーをテストしたいと思います。

おさらい

ビットストリームパススルーは、SPDIFやHDMIに対して、圧縮音声データ(Dolby AC-3, DTS, MPEG2 AACなど)をデコードせず、そのまま送信する方式です。この方式の最大の利点としては、サラウンド音声が楽しめる点が挙げられます。

SPDIFは帯域が狭く、デコード後のサラウンド音声(LPCM 5.1ch)を送れません。しかしSPDIF上を圧縮音声のまま送信し、受信機であるホームシアターシステム側で音声をデコードすることで、SPDIFでもサラウンド音声が楽しめます

HDMIの場合は利点がないかと言うとそうでもありません。LPCM 5.1chを送出できない機器もありますし、ホームシアターシステムに適したデコードやミキシングができる可能性もあります。

パススルーのやり方

SPDIF/HDMIパススルーに対応したプレイヤーはいくつかあるようですが、今回はmpvを使用します。

GitHubにあるALSAのコンフィグファイル(GitHubへのリンク)を ~/.asoundrcなどに追記します。再生時にaudio-spdifオプションで出力フォーマットを指定します。再生するファイルの音声フォーマットと合っていれば、パススルーで出力されます。

パススルーあり
$ mpv --no-video a.ac3 --audio-spdif=ac3 --audio-device="alsa/HDMI.pcm.hdmi.0:0"

Playing: a.ac3
[ffmpeg/demuxer] ac3: Estimating duration from bitrate, this may be inaccurate
 (+) Audio --aid=1 (ac3 6ch 48000Hz)
AO: [alsa] 48000Hz stereo 2ch spdif-ac3    ★AC3になっている
A: 00:00:02 / 00:05:36 (0%)


HDMIにDolby AC-3をパススルーで出力

SONY MDR-HW700DSのステータス画面は本体のインジケーターではなくHDMIの画像データにオーバーレイするタイプなので、HDMIディスプレイの写真を取りました。狙い通りにAC-3が再生されている様子がわかります。

オプションを間違えたり、オーディオデバイス番号を間違えてもエラーにはならず、再生が開始されますが、パススルーではなくデコードされLPCMで再生が開始されます。

パススルーなし(オーディオデバイスを指定し間違えた例)
$ mpv --no-video a.ac3 --audio-spdif=ac3 --audio-device="alsa/hw:0"    ★間違えてhw:0にした

Playing: a.ac3
[ffmpeg/demuxer] ac3: Estimating duration from bitrate, this may be inaccurate
 (+) Audio --aid=1 (ac3 6ch 48000Hz)
ALSA lib conf.c:4898:(parse_args) Unknown parameter AES0
ALSA lib conf.c:5031:(snd_config_expand) Parse arguments error: No such file or directory
ALSA lib pcm.c:2565:(snd_pcm_open_noupdate) Unknown PCM hw:0,AES0=6,AES1=130,AES2=0,AES3=2
[ao/alsa] Playback open error: No such file or directory
[ao] Failed to initialize audio driver 'alsa'
[ao] This audio driver/device was forced with the --audio-device option.
[ao] Try unsetting it.
AO: [alsa] 48000Hz stereo 2ch s32    ★LPCMになっている
A: 00:00:02 / 00:05:36 (0%)


HDMIにLPCMで出力

その他の注意点として、受信機側がパススルー出力で送った圧縮音声に対応していない場合、LPCMだと思って再生してしまい、バリバリバリ!!という凄まじい音量のノイズが再生されることがあります。お試しの際は、音量を小さくしてからテストしてください。

編集者:すずき(2020/10/30 01:11)

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2020年8月2日

ROCKPro64のHDMIから音を出すKconfig設定

目次: ROCK64/ROCKPro64

今更ですが、メモしていなかった気がするので、ROCKPro64(Rockchip RK3399搭載)でHDMI Audioを有効にする方法です。

方法は簡単でLinuxのCONFIG_DRM_DW_HDMI_I2S_AUDIOと、CONFIG_GPIO_SYSCONを有効にすれば良いです。8/7時点のlinux-nextのツリーでは、make defconfigすると、GPIO_SYSCONはnで、ビルド対象外になっています。手動で下記の設定を有効にする必要があります。

linux-nextで有効にするコンフィグ(元から有効になっているものも含む)
  Device Drivers  --->
    -*- GPIO Support  --->
      Memory mapped GPIO drivers  --->
        [*] GPIO based on SYSCON
    Graphics support  --->
      Display Interface Bridges  --->
        [*] Synopsys Designware I2S Audio interface
    [*] Sound card support  --->
      [*]   Advanced Linux Sound Architecture  --->
        [*]   ALSA for SoC audio support  --->
          CODEC drivers  --->
            [*] Everest Semi ES8316 CODEC

CONFIG_SND_SOC_ES8316はアナログオーディオを使いたい場合に有効にしてください。

編集者:すずき(2020/10/30 01:05)

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2020年8月1日

ROCKPro64と音声ビットストリームパススルー出力

目次: ROCK64/ROCKPro64

去年だったか、ROCKPro64のHDMI音声出力を有効化するパッチをlinux-nextに送ろうとしたことがあります。当時のレビューコメントでSPDIFとHDMIの音声ビットストリームパススルー出力(※1)は動くか?と聞かれたものの、テスト環境がなかったため、わからないまま挫折してしまいました。

今回、再チャレンジにあたり、テスト用にSPDIFとHDMIの音声ビットストリームをデコードできる機械を探しました。これがどうして、お手頃価格の良い商品が見当たらないです。

AmazonではSPDIFのみ対応の商品がありました。メーカーが怪しい、色んなバージョンが色んな店から売られている、そもそも動くの??など不安は募りますが、ダメ元で購入しました。

大手メーカー製を探すと、ホームシアター用ヘッドホンシステム3〜4万円、もしくはAVプリアンプ10万円over!のような大げさな商品しかありません。

音声ビットストリームパススルー出力が、いかに高コスト&需要がないか良くわかりました。普通の人は音声信号がLPCMかパススルーかなど細かいことは気にしませんから、当然の成り行きでしょうね。

(※1)音声信号としてLPCMではなく、Dolby Digital(AC-3)やDTSをデコードせず圧縮音声のままSPDIFやHDMIに出力する方式のことです。デコードは受信機器側で行います。

SPDIF用のテスト機材

SPDIFパススルーのテスト用に、中国製と思われる謎の機械(型番なし、筐体にはHD AUDIO RUSHと書いてある)を購入しました。Amazonで4,000円くらいです。安い!事前の不安をよそに音は正常に鳴っています。素晴らしいです。

しかし本体にコーデックのインジケータがなく、LPCMか音声ビットストリームか全く判別がつきません。テスト用の機材としてはイマイチでした。10分に1回くらいSPDIF信号のPLLロックが外れた(?)と思われる、数秒レベルの音切れが発生します。ROCKPro64の出す信号が悪いのか、HD AUDIO RUSHが悪いのか、切り分けできず真因は不明です。

SPDIFだけだとLPCM 96kHz 16bit 2ch(3.072Mbps)のような、SPDIF(Max 1.5Mbps)の帯域を超える音声信号はテストできません。無理やり流すと酔っ払いが演奏してるみたいな変な音になります。HD AUDIO RUSHくん以外にHDMI用のテスト機材が必要です。

HDMI用のテスト機材

HDMIのテストならテレビ(Panasonic TH-L37DT3)で確認できるだろ、と思っていたら、HDMI音声入力はLPCM 2chのみの対応でした。LPCMは2ch以外にも5.1ch出力(※2)がありますがテストできません。ダメだこれ。

覚悟を決めてサラウンドヘッドフォンシステムSONY MDR-HW700DSを注文しました。37,000円くらいします、高い!まだ家に届いていませんが、来週辺りかな、人生初のSPDIF/HDMI音声ビットストリームパススルー対応機器が手に入ります。

(※2)身近な例でいうとNintendo Switchのサラウンドモードが、LPCM 5.1ch出力を使います。試しにSwitchをサラウンドモードにすると、テレビから全く音が出ませんでした。がっかり。

編集者:すずき(2020/10/30 01:05)

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2020年7月28日

またバッテリー死す

目次:

コロナ騒ぎが始まって、遠出することもなくなり、かれこれ4か月以上?車に乗らず放置していました。

骨折した奥さんを整形外科におくるため、JAFさんに車のバッテリー上がりを直してもらったんですけど、バッテリー電圧がなんと1Vしかありません。えー??

車のバッテリー(鉛蓄電池)の端子電圧は12V程度が正常ですから、10Vの見間違い?と思いましたけど、何回見ても1.0Vでした。乾電池だってもうちょっと電圧あるでしょう。

今まで何度となくバッテリー上がりさせ、バッテリー破壊もこれで4度目(2007年、2013年、2016年、2020年)ですけど、1Vまで下がったのは初めてです。

割とお高いGS YUASA 80D23L大容量バッテリーを使っていたのですが、いかなるバッテリーであろうと、このレベルの過放電には無力ですね。エンジン掛かった後も全く充電される気配がありませんでした。

近所のイエローハットまでバッテリー交換しに行く道中が一番嫌でした。

  • 4か月ぶりの運転
  • バッテリー電圧が12V〜11Vくらいでグラグラ
  • アイドリングが不調で止まりそう(バッテリー上がりでエンジンの調整データが消えた?)
  • エンストしたら二度と掛からない

こんな状態で、産業道路〜環七〜第二京浜と走るのはかなり怖いです。無事に辿り着けて良かったけども。

また懲りずにPanasonic 85D23Lの大容量バッテリーに交換しておきました。3万円くらいしました。たっけぇ……。今年は車検もあるし、全然乗ってない割に金ばっかり掛かってます。不思議ですね。

メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。

編集者:すずき(2023/09/30 14:45)

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  • hdkさん(2020/07/30 21:40)
    さすがに月イチくらいは動かしてあげてください...
    ウチの原付は中古で買ってから8年半以上経っているんですが、バッテリーはそのままで未だにエンジン始動できています。買った半年後にやや電圧が低いようなことを言われていたのに、不思議です。
  • すずきさん(2020/07/30 22:19)
    乗る用事はないし、乗ろうと思って、いつも忘れてしまうんですよね。。。
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2020年7月21日

ARM SBCリスト2

目次: ROCK64/ROCKPro64

最近はたくさんのARMのシングルボードコンピュータ(SBC)が市販されています。2019年以降のボードも追加してみました。値段は変動するので参考です。

Amlogic S905X3
ボードHardkernel ODROID-C4, A55/2.0GHz x 4, 4GB DDR4-2666, 12nm, $50, 2020/04
Amlogic A311D (S922X + NPU)
ボードKhadas KVIM3-P-002, A73/2.2GHz x 4, A53/1.8GHz x 2, 4GB LPDDR4-????, 12nm, $160, 2019/06
Amlogic S912
ボードKhadas KVIM2-M-002, A53/1.5GHz x 8, 3GB DDR4-????, 28nm, $170, 2017/08
Broadcom BCM2711
ボードRaspberry Pi 4 Model B, A72/1.5GHz x 4, 8GB LPDDR4, 28nm, $75, 2019/11
HiSilicon Kirin 970
ボード96boards HiKey 970, A73/2.36GHz x 4, A53/1.8GHz x 4, 6GB LPDDR4-1866, 10nm, $299, 2018/??
MediaTek Helio X20
ボード96boards MediaTek X20, A72/2.1GHz x 2, A53/1.85GHz x 4, A53/1.4GHz x 4, 2GB LPDDR3-????, 20nm, $199, 2017/??
NVIDIA Xavier AGX
ボードNVIDIA Jetson Xavier AGX, Carmel/2.26GHz x 8, 8MB L2, 4MB L3, 32GB LPDDR4-2133, 12nm, $700, 2020/??
NVIDIA Xavier NX
ボードNVIDIA Jetson Xavier NX, Carmel/1.4GHz x 6, 6MB L2, 4MB L3, 8GB LPDDR4-1600, 12nm, $400, 2020/??
Rockchip RK3399
ボードFriendlyARM NanoPC-T4, A72/2GHz x 2, A53/1.5GHz x 4, 4GB LPDDR3-1866, 28nm, $109, 2018/??
Samsung S5P6818
ボードFriendlyARM NanoPC-T3 Plus, A53/1.4GHz x 8, 2GB DDR3, $75, 2018/??

古い世代のSoCを採用したボード達です。

AllWinner H6
ボードPINE64 PINE H64, A53 x 4, 2GB LPDDR3-1600, 28nm, $36
AllWinner H5
ボードFriendlyARM NanoPi NEO2, A53/1.5GHz x 4, 1GB DDR3, 40nm, $20
Amlogic S905
ボードHardkernel ODROID-C2, A53/1.5GHz x 4, 2GB DDR3-1866? (912MHz), 28nm, $39
Broadcom BCM2837B
ボードRaspberry Pi 3 Model B, A53/1.2GHz x 4, 1GB LPDDR2, 28nm, $35
HiSilicon Kirin 960
ボードHiKey 960, A72 x 4, A53 x 4, 3GB LPDDR4, 16nm FinFET, $239
NVIDIA Tegra X2 (Parker)
ボードJetson TX2, Denver/2GHz x 2, A57/2GHz x 4, 8GB LPDDR4, 16nm, $600
NVIDIA Tegra X1
ボードJetson TX1, A57/1.9GHz x 4, 4GB LPDDR4, 20nm, $500
Rockchip RK3328
ボードPINE64 ROCK64, A53/1.4GHz x 4, 4GB LPDDR3-1866, 28nm, $24.95 (1GB) $34.95 (2GB) $44.95 (4GB)

以前(2019年5月15日の日記参照)載せた情報も含んでいます。

編集者:すずき(2023/09/24 12:54)

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