コグノスケ


link 未来から過去へ表示  link 過去から未来へ表示(*)

link もっと前
2019年11月13日 >>> 2019年12月13日
link もっと後

2019年11月26日

ROCKPro64とオーディオDAC - その1 - I2Cスレーブアドレスの謎

目次: ROCK64/ROCKPro64

昔LKMLに投稿したROCKPro64用のパッチが「動かない」という報告メールを貰いました。

設定ミスかと思ったのですが、メールのやり取りをするうちに、どうもAudio DACのI2C Slaveアドレスが私のボードと違っていて動かないことがわかりました。

もう一つ判明したことがあって、ROCKPro64のボードは複数バージョン(V2.0とV2.1)あり、メールをくれた人はV2.0、私のボードはV2.1を使っていることもわかりました。

  • 報告してくれた人のボード(V2.0): スレーブアドレス0x10
  • 私のボード(V2.1): スレーブアドレス0x11

V2とV2.1の回路図を見ましたが、Audio DAC周りの回路は全く同じで、スレーブアドレスも0x10が正しそうです。

私のボードは壊れているのだろうか…?と思っていたところ、他のV2.1所有者から「俺のボードもアドレス0x11だよ」と連絡がありました。てことはですね、

  • V2とV2.1には回路差分がある
  • V2.1の回路図は間違っている
  • 回路差分がAudio DACのI2C Slaveアドレスに影響する

シルクも書いてないボードで、こんな差分わからないよ。勘弁してくれ〜。

メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。

編集者:すずき(2020/10/30 00:55)

コメント一覧

  • コメントはありません。
open/close この記事にコメントする



2019年11月27日

ROCKPro64とオーディオDAC - その2 - V2.0ボードとV2.1ボード

目次: ROCK64/ROCKPro64

ROCKPro64のボードにシルクは一切ありませんので、回路図の抵抗やコンデンサの番号から、回路を辿ることはできません。小さいボードなので仕方ないとはいえ、今回のような症状が出て、ボードの配線を調べたいときは困ります……。

辿れないなりにも、実装されているチップ表面を見ればES8316の位置はわかりますし、公開されているES8316の仕様書を見れば端子の並びもわかります。

ROCKPro64の回路図を見る限りES8316のI2C Slaveアドレスを決めるCE端子には、R225とR226という抵抗が関係します。これらの抵抗はそれぞれ、

  • R225: 1.8V電源に繋がりDNPつまり未実装
  • R226: 接地していて0Ω

このようになっていてCE端子はLになっているのが正解のように思えるのですが、実際にROCKPro64のES8316のCE端子付近の抵抗(隣が未実装なので、おそらくR226だと思われる)をテスターで測ると、

  • R225と思われる部品: 未実装
  • R226と思われる部品: なぜか10kΩ で、電源を入れると1.8Vが掛かる

かなり謎の結果になります。測り間違っている可能性も大いにありますが、抵抗値まで違うのは何故だろう?うーん??

メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。

編集者:すずき(2020/10/30 00:55)

コメント一覧

  • コメントはありません。
open/close この記事にコメントする



2019年11月28日

ROCKPro64とオーディオDAC - その3 - Linuxのパッチ

目次: ROCK64/ROCKPro64

今まで見てきた結果からROCKPro64のV2.0とV2.1では、回路に何らかの差分がある可能性は高そうです。

ボードに部品番号のシルクがないため、回路のどこに原因があり、ES8316のI2Cスレーブアドレスが食い違うのか?正確な原因は追えません。しかし差がある以上、V2.0用とV2.1用にデバイスツリーを分けるしかないでしょう。

分け方が良くわからなかったのですが、とりあえず分けてLinuxのパッチを作って送っておきました。

編集者:すずき(2020/10/30 00:55)

コメント一覧

  • コメントはありません。
open/close この記事にコメントする



2019年12月13日

muslのmemset関数

目次: ベンチマーク

musl C library(サイトへのリンク)のmemset関数の実装はかなり気合が入っており、特に先頭&終端データの処理が面白いです。

こんなコードです。

musl memset関数のバッファ先頭&終端処理

if (!n) return dest;
s[0] = c;
s[n-1] = c;
if (n <= 2) return dest;
s[1] = c;
s[2] = c;
s[n-2] = c;
s[n-3] = c;
if (n <= 6) return dest;
s[3] = c;
s[n-4] = c;
if (n <= 8) return dest;

私はぱっと見では何をしてるのかさっぱりわかりませんでした。図を書いてみてやっと意味が分かりました。


処理開始前

領域のサイズnが1〜8の場合、このコードだけで処理が終わります。説明の都合上、ifを区切りとして、3つのかたまり(赤、緑、青)に分けました。n = 1, 2の場合は赤だけ、n = 3, 4, 5, 6の場合は赤+緑、n = 7, 8の場合は赤+緑+青が実行されます。

ゴチャゴチャ説明するより、1ステップずつ、実行した結果を図示した方がわかりやすいかと思います。


s[0] = cまで


s[n - 1] = cまで、 n = 1, 2はmemset完了


s[1] = c, s[2] = cまで


s[n - 2] = c, s[n - 3] = cまで、 n = 3, 4, 5, 6はmemset完了


s[3] = cまで


s[n - 4] = cまで、 n = 7, 8はmemset完了、それ以上のサイズは処理を継続

図を見るとわかるように、同じ領域に2回以上書く場合がありますが、memsetは同じ領域に2度書いても問題ありません(書き込む値は同じなので、何度書いても結果は同じ)。

この「何度書いても良い」性質を利用して、分岐を限界まで減らす戦略のようです。

ストアより分岐を減らす方がメリットがある、とみているわけですね。イマドキのCPUに合った最適化なのでしょうね。

メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。大幅に追記。

編集者:すずき(2023/09/24 08:54)

コメント一覧

  • コメントはありません。
open/close この記事にコメントする



link もっと前
2019年11月13日 >>> 2019年12月13日
link もっと後

管理用メニュー

link 記事を新規作成

<2019>
<<<11>>>
-----12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

最近のコメント5件

  • link 24年6月17日
    すずきさん (06/23 00:12)
    「ありがとうございます。バルコニーではない...」
  • link 24年6月17日
    hdkさん (06/22 22:08)
    「GPSの最初の同期を取る時は見晴らしのい...」
  • link 24年5月16日
    すずきさん (05/21 11:41)
    「あー、確かにdpkg-reconfigu...」
  • link 24年5月16日
    hdkさん (05/21 08:55)
    「システム全体のlocale設定はDebi...」
  • link 24年5月17日
    すずきさん (05/20 13:16)
    「そうですねえ、普通はStandardなの...」

最近の記事3件

  • link 24年6月27日
    すずき (06/30 15:39)
    「[何もない組み込み環境でDOOMを動かす - その4 - 自作OSの組み込み環境へ移植] 目次: RISC-V目次: 独自OS...」
  • link 22年12月13日
    すずき (06/30 15:38)
    「[独自OS - まとめリンク] 目次: 独自OS一覧が欲しくなったので作りました。自作OSの紹介その1 - 概要自作OSの紹介...」
  • link 21年6月18日
    すずき (06/29 22:28)
    「[RISC-V - まとめリンク] 目次: RISC-VSiFive社ボードの話、CoreMarkの話のまとめ。RISC-V ...」
link もっとみる

こんてんつ

open/close wiki
open/close Linux JM
open/close Java API

過去の日記

open/close 2002年
open/close 2003年
open/close 2004年
open/close 2005年
open/close 2006年
open/close 2007年
open/close 2008年
open/close 2009年
open/close 2010年
open/close 2011年
open/close 2012年
open/close 2013年
open/close 2014年
open/close 2015年
open/close 2016年
open/close 2017年
open/close 2018年
open/close 2019年
open/close 2020年
open/close 2021年
open/close 2022年
open/close 2023年
open/close 2024年
open/close 過去日記について

その他の情報

open/close アクセス統計
open/close サーバ一覧
open/close サイトの情報

合計:  counter total
本日:  counter today

link About www.katsuster.net
RDFファイル RSS 1.0

最終更新: 06/30 15:39