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2018年7月22日

ROCK64購入

目次: ROCK64/ROCKPro64

Rockchip RK3328搭載のシングルボードコンピュータ、ROCK64 4GB版を買いました。秋月電子で6,500円くらいでした。メモリの少ない1GB版にすると、さらにお安いです。

ROCK64はSDカードから起動できます。OSイメージは開発元が用意しているEtcherを使うと(GitHubからダウンロードできます)ダウンロード+SDカードへの書き込みが簡単にできます。便利です。

しかし手持ちのSDカードが4GBだったため、Etcherに8GBのカードを入れろと言われてしまい、OSイメージが書き込めませんでした。

最近は暑すぎて、電器屋に行くのさえ辛いですが、こればかりは行くしかないですね。昼の外出は危険だと思い、夕方にしましたが、それでも暑いです。

汗だくになりつつ16GBのSDカードを買ってきてDebianを書き込み、起動しましたがシリアルが出ません。何でだ。

ROCK64の爆速UART

どうしてROCK64のUARTが表示されないのかなと思ってググってみたら、ボーレートがまさかの1.5Mbpsでしたサポートフォーラムへのリンク)。UARTで1.5Mbpsなんてボーレート初めて使いました。

偶然、手持ちのFT232R(USB-UART変換チップ)が1.5Mbpsに対応していてラッキーでした。一方のHC06(Bluetooth-UART変換チップ)は1.5Mbpsに対応しておらず、UARTを無線化しようと思ってせっかく買いましたが撃沈です…。

シリアルを見ていると、独自ローダー(?)、ATF(ARM Trusted Firmware)、U-Bootの順に動いており、U-Bootはdistro bootを使ってLinux 4.4.77をロードしているようです。

リセットからU-Boot手前までのログ
DDR version 1.06 20170424
In
SRX
LPDDR3
786MHz
Bus Width=32 Col=11 Bank=8 Row=15/15 CS=2 Die Bus-Width=32 Size=4096MB
ddrconfig:7
OUT
Boot1 Release Time: 2017-05-18, version: 2.43
ChipType = 0x11, 187
emmc reinit
emmc reinit
SdmmcInit=2 20
SdmmcInit=0 0
BootCapSize=0
UserCapSize=14832MB
FwPartOffset=2000 , 0
StorageInit ok = 48105
Raw SecureMode = 0
SecureInit read PBA: 0x4
SecureInit read PBA: 0x404
SecureInit read PBA: 0x804
SecureInit read PBA: 0xc04
SecureInit read PBA: 0x1004
SecureInit ret = 0, SecureMode = 0
LoadTrustBL
No find bl30.bin
No find bl32.bin
Load uboot, ReadLba = 2000
Load OK, addr=0x200000, size=0x92d74
RunBL31 0x10000
NOTICE:  BL31: v1.3(debug):f947c7e
NOTICE:  BL31: Built : 09:28:45, May 31 2017
NOTICE:  BL31:Rockchip release version: v1.3
INFO:    ARM GICv2 driver initialized
INFO:    Using opteed sec cpu_context!
INFO:    boot cpu mask: 1
INFO:    plat_rockchip_pmu_init: pd status 0xe
INFO:    BL31: Initializing runtime services
WARNING: No OPTEE provided by BL2 boot loader, Booting device without OPTEE initialization. SMC`s destined for OPTEE will return SMC_UNK
ERROR:   Error initializing runtime service opteed_fast
INFO:    BL31: Preparing for EL3 exit to normal world
INFO:    Entry point address = 0x200000
INFO:    SPSR = 0x3c9
U-Bootの起動ログ
U-Boot 2017.09-g5aef9f7 (Oct 12 2017 - 09:11:39 +0000), Build: jenkins-linux-build-rock-64-136

Model: Pine64 Rock64
DRAM: 4 GiB
MMC: rksdmmc@ff500000: 1, rksdmmc@ff520000: 0
*** Warning - bad CRC, using default environment

In: serial@ff130000
Out: serial@ff130000
Err: serial@ff130000
Model: Pine64 Rock64
Net: eth0: ethernet@ff540000
Hit any key to stop autoboot: 0

U-Bootの日付は2017年で、まだ新し目ですが、Linuxはかなり古いですね。後でUpstreamカーネルに入れ替えてみましょうか。

編集者:すずき(2020/10/30 01:19)

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2018年7月21日

Bluetooth UART変換

UARTをBluetoothに変換してくれるHC-06(モジュールの販売サイト、仕様書も置いてある)モジュール搭載ボードを買いました。技適マークが無いように見えます、これ日本で使ったらダメな奴かな…?

電源は5Vで、UARTは3.3Vです。ArduinoとかRaspberry Pi用のUSB - UART変換ケーブルを使えば、電源からUARTまで全ての線が揃っているはずです。Raspberry Piに繋いでも動きます。

私が購入したボード(HiLetgo製ZS-040)の場合、電源を入れるとLEDが点滅し始めます。この状態でBluetoothデバイスの検索を行うとHC-06という名前(変更可)のデバイスが見つかりますので、ペアリングします。PINは1234です(変更可)。

ペアリングするとCOMが2つ増えると思います。なぜ2つなのか良くわかりません。片方はうんともすんとも言いませんので、使いません。もうひとつのやや接続に時間が掛かる方を使います。

2つのCOMのどちらを使うべきかは、LEDで見分けることができます。LEDが点滅→点灯に変わる方が本物(?)です。まあ、両方繋いでも問題は起きないようなので、面倒なら両方繋いでしまえば良いと思います。

設定の変更

ペアリングを解除した状態(LEDが点滅)にすると、HC-06の設定を変更することができます。シリアルの設定は、ボーレート9600、8ビット、パリティなしにします。

このデバイスは送った文字をエコーバックしないので、ローカルエコーを強制的にONにしてください。またキーボードで入力すると、ATコマンド先頭のAT二文字を打った段階で「OK」が返ってきてしまい、コマンド発行ができません。コマンド全体をメモ帳などに打ち、コピペで貼り付けるとうまくいきます。

メモ帳からコピペはイマイチなので、ライン編集モードをONにすれば良いだろと思ったら、行の最後にCRが送られてしまうためか、AT+PINコマンドなどがうまくいかなくなります。

デバイス名、つまりBluetoothデバイスの検索のときに出てくる名前です。デバイス名を変更するにはAT+NAMEの後に名前を打ちます。例えば "HC-06-1" に変えたければAT+NAMEHC-06-1を送ります。大文字と小文字は区別されます。返事にOKsetnameと返ってくれば成功です。

またPINを変える際はAT+PINを送ります。例えば8888に変えたければAT+PIN8888です。返事にOKsetPINと返ってくれば成功です。

シリアルの設定を変更するコマンドもあります。興味があれば仕様書を見てくださいまし。

編集者:すずき(2018/07/22 04:22)

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2018年7月17日

エアコンが臭い

「エアコンの嫌なニオイが完全に消えた」 "窓全開、16度で1時間つけっぱなし" で本当にニオイが取れる理由 - ねとらぼ を読んで。

こんなの嘘だろ…、と思ってうちの8年モノ(2010年製)のエアコンにやってみたら、素晴らしい効き目でした。運転開始から冷風がでるまでの、放置した雑巾のような臭いが、完全に消えました。

この効果はいつまで持つのか気になるので、また臭くなった時に備えて、いつ浄化したか思い出せるようにしておきます。

騒音に注意

ちなみにエアコンを16度で全開運転すると、壊れるんじゃないかと思うくらい、室外機が唸り始めて、非常にうるさいです。

暑いけれど、昼にやった方が良いと思います。夜やると近所迷惑です。

メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。

編集者:すずき(2018/07/17 22:53)

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2018年7月16日

AArch64向けLinux開発環境の構築 その2

目次: GCC

目次: Linux

昨日の続きです。AArch64(64ビットARM)向けのLinux開発環境を構築しました。使用するツールは下記の通りです。

  • クロスコンパイラ: crosstool-NG
  • カーネル: linux-next
  • ルートファイルシステム: buildroot
  • エミュレータ: qemu

カーネルのビルドまで終わりましたので、次はルートファイルシステムです。

ルートファイルシステム

ルートファイルシステムの構築にはbuildrootを使います(Gitリポジトリへのリンク)。

buildrootコード取得、セットアップ、ビルド
$ git clone https://git.buildroot.net/buildroot
$ cd buildroot

$ make menuconfig
- Target options  --->
    Target Architecture (i386)  --->
      AArch64 (little endian) に変更する

- Toolchain  --->
    Toolchain type (Buildroot toolchain)  --->
      External toolchainに変更する

    Toolchain (Linaro AArch64 2018.05)  --->
      Custom toolchainに変更する

    () Toolchain path (NEW)
      /home/username/x-tools/aarch64-unknown-linux-gnuに変更する(チルダ ~ は使えないので、注意)

    ($(ARCH)-linux) Toolchain prefix
      aarch64-unknown-linux-gnuに変更する

    External toolchain gcc version (4.3.x)  --->
      8.xに変更する(crosstool-NGの設定と合わせる)

    External toolchain kernel headers series (2.6.x)  --->
      4.16.xに変更する(crosstool-NGの設定と合わせる)

    External toolchain C library (uClibc/uClibc-ng)  --->
      glibc/eglibcに変更する(crosstool-NGの設定と合わせる)

    Toolchain has C++ support? (NEW)
      設定する

- Filesystem images  --->
    cpio the root filesystem (for use as an initial RAM filesystem)
      設定する

$ make
/usr/bin/make -j1 O=/home/katsuhiro/share/projects/oss/buildroot/output HOSTCC="/usr/lib/ccache/gcc" HOSTCXX="/usr/lib/ccache/g++" silentoldconfig
...(snip)...

マシン性能によりますが、ほぼbusyboxしかビルドしませんので、カーネルよりは短い時間で終わるはずです。生成されたファイルはoutputディレクトリに集められています。output以下は下記のようになっているはずです。

buildroot生成物
$ ls output
build  host  images  staging  target

$ ls output/images/
rootfs.cpio  rootfs.tar

ディレクトリには2つファイルがありますが、cpioフォーマットの方(rootfs.cpio)を使います。

エミュレータ

エミュレータはqemu(Gitリポジトリへのリンク)を使います。qemuのビルドは後回しにして、とりあえず今までビルドしてきたカーネル+ルートファイルシステムを実行してみます。

Debianの場合はapt-get install qemu-systemでインストール可能です。

qemu実行
$ qemu-system-aarch64 -machine virt -cpu cortex-a57 -kernel linux-next/arch/arm64/boot/Image -initrd buildroot/output/images/rootfs.cpio -serial stdio
[    0.000000] Booting Linux on physical CPU 0x0000000000 [0x411fd070]
[    0.000000] Linux version 4.18.0-rc4-next-20180713 (katsuhiro@blackbird) (gcc version 8.1.0 (crosstool-NG 1.23.0.418-d590)) #1 SMP PREEMPT Mon Jul 16 14:38:51 JST 2018
[    0.000000] Machine model: linux,dummy-virt
[    0.000000] efi: Getting EFI parameters from FDT:
[    0.000000] efi: UEFI not found.
...(snip)...
[    3.409356] ALSA device list:
[    3.410631]   No soundcards found.
[    3.419281] uart-pl011 9000000.pl011: no DMA platform data
[    3.534574] Freeing unused kernel memory: 1344K
Starting logging: OK
Initializing random number generator... [    5.446846] random: dd: uninitialized urandom read (512 bytes read)
done.
Starting network: OK

Welcome to Buildroot
buildroot login: root

# uname -a
Linux buildroot 4.18.0-rc4-next-20180713 #1 SMP PREEMPT Mon Jul 16 14:38:51 JST 2018 aarch64 GNU/Linux

オプションでハマったのは -cpu cortex-a57です。省略するとAArch64に対応していないCPUがデフォルトで選ばれるようで、全く動かないです。明示的にARMv8のCPUを指定してください。また -serial stdioを付けないと、シリアルが出力されません。

このときinitramfsを指定し忘れると、起動はしますが下記のようなメッセージを表示して停止します。

Linuxがpanicで止まる
$ qemu-system-aarch64 -machine virt -cpu cortex-a57 -kernel linux-next/arch/arm64/boot/Image -serial stdio
[    0.000000] Booting Linux on physical CPU 0x0000000000 [0x411fd070]
[    0.000000] Linux version 4.18.0-rc4-next-20180713 (katsuhiro@blackbird) (gcc version 8.1.0 (crosstool-NG 1.23.0.418-d590)) #1 SMP PREEMPT Mon Jul 16 14:38:51 JST 2018
[    0.000000] Machine model: linux,dummy-virt
...(snip)...
[    2.777433] ALSA device list:
[    2.777760]   No soundcards found.
[    2.785662] uart-pl011 9000000.pl011: no DMA platform data
[    2.793530] VFS: Cannot open root device "(null)" or unknown-block(0,0): error -6
[    2.794033] Please append a correct "root=" boot option; here are the available partitions:
[    2.794757] Kernel panic - not syncing: VFS: Unable to mount root fs on unknown-block(0,0)
[    2.796280] CPU: 0 PID: 1 Comm: swapper/0 Not tainted 4.18.0-rc4-next-20180713 #1
[    2.796760] Hardware name: linux,dummy-virt (DT)
[    2.797221] Call trace:
[    2.797472]  dump_backtrace+0x0/0x148
[    2.797837]  show_stack+0x14/0x20
[    2.798087]  dump_stack+0x90/0xb4
[    2.798352]  panic+0x120/0x27c
[    2.798577]  mount_block_root+0x1a0/0x250
[    2.798875]  mount_root+0x11c/0x148
[    2.799126]  prepare_namespace+0x128/0x16c
[    2.799423]  kernel_init_freeable+0x208/0x228
[    2.799732]  kernel_init+0x10/0x100
[    2.800005]  ret_from_fork+0x10/0x18
[    2.800694] Kernel Offset: disabled
[    2.801107] CPU features: 0x21806082
[    2.801400] Memory Limit: none
[    2.802136] ---[ end Kernel panic - not syncing: VFS: Unable to mount root fs on unknown-block(0,0) ]---

このようにmount_rootでpanicする場合は、qemuの -initrdオプションか、指定しているファイルをご確認ください。

編集者:すずき(2024/07/16 17:51)

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2018年7月15日

AArch64向けLinux開発環境の構築 その1

目次: GCC

目次: Linux

AArch64(64ビットARM)向けのLinux開発環境を構築しました。超有名ツールの組み合わせだし、簡単だろうと思っていたのですが、意外とハマって1日掛かってしまったのでメモしておきます。使用するツールは下記の通りです。

  • クロスコンパイラ: crosstool-NG
  • カーネル: linux-next
  • ルートファイルシステム: buildroot
  • エミュレータ: qemu

クロスコンパイラ

クロスコンパイラを生成するためcrosstool-NG(GitHubへのリンク)を使います。crosstool-NGはARM向け以外にもクロスコンパイラやツールチェインの構築が簡単にできて便利です。

私の環境(Debian Testing)だとlibtool-binパッケージがインストールされていなくてハマったので、インストールしておくと良いかもしれません。

crosstool-NGコード取得、セットアップ
$ git clone https://github.com/crosstool-ng/crosstool-ng
$ cd crosstool-ng

$ ./bootstrap
INFO  :: *** Generating package version descriptions
INFO  :: Master packages: android-ndk autoconf automake avr-libc binutils cloog duma elf2flt expat gcc gdb gettext glibc-ports glibc gmp isl libelf libiconv libtool linux ltrace m4 make mingw-w64 mpc mpfr musl ncurses newlib strace uClibc zlib
INFO  :: Generating 'config/versions/android-ndk.in'
INFO  :: Generating 'config/versions/autoconf.in'
...(snip)...
INFO  :: Generating comp_libs.in (menu)
INFO  :: *** Gathering the list of data files to install
INFO  :: *** Running autoreconf
INFO  :: *** Done!

$ ./configure --enable-local
checking for a BSD-compatible install... /usr/bin/install -c
checking whether build environment is sane... yes
checking for a thread-safe mkdir -p... /bin/mkdir -p
...(snip)...
config.status: creating config.h
config.status: config.h is unchanged
config.status: executing depfiles commands

$ make
/usr/bin/make  all-recursive
make[1]: Entering directory '/home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-ng'
Making all in kconfig
make[2]: Entering directory '/home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-ng/kconfig'
bison -y -l -b zconf -p zconf  -ozconf.c zconf.y
...(snip)...
/bin/mkdir -p docs && ( /bin/sed -e 's,[@]docdir[@],/usr/local/share/doc/crosstool-ng,g' -e 's,[@]pkgdatadir[@],/usr/local/share/crosstool-ng,g' -e 's,[@]pkglibexecdir[@],/usr/local/libexec/crosstool-ng,g' -e 's,[@]progname[@],'`echo ct-ng | sed 's,x,x,'`',g' | /bin/bash config.status --file=- ) < docs/ct-ng.1.in >docs/ct-ng.1-t && mv -f docs/ct-ng.1-t docs/ct-ng.1
make[2]: Leaving directory '/home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-ng'
make[1]: Leaving directory '/home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-ng'

カレントディレクトリにct-ngという名前のファイルが生成されます。通常はクロスコンパイラをインストールして使いますが、私はインストールしないで欲しい(適宜入れ替えたいから)ので、--enable-localオプションを付けています。

crosstool-NGビルド
$ ./ct-ng menuconfig
- Target options  --->
    Target Architecture (alpha)  --->
      armに変更する

    Bitness: (32-bit)  --->
      64-bitに変更する

- Operating System  --->
    Target OS (bare-metal)  --->
      linuxに変更する

- C compiler  --->
    C++ (NEW) を選択する

$ ./ct-ng build
[00:34] /

ビルド中は多少メッセージも出ますが、基本的に経過時間と棒がくるくる回るだけです。ログが見たい方は、ct-ngと同じディレクトリにあるbuild.logをtail -fなどで表示すると良いでしょう。

マシン性能によりますが、./ct-ng buildによるクロスコンパイラのビルドは1時間くらい掛かると思います。ビルドが終わると、ホームディレクトリにx-toolsというディレクトリが作られていると思います。AArch64用のクロスコンパイラ(gcc 8)をビルドした場合、x-tools以下は下記のようになっているはずです。

crosstool-NG生成物
$ cd ~/x-tools

$ ls
aarch64-unknown-linux-gnu

$ ls aarch64-unknown-linux-gnu
aarch64-unknown-linux-gnu  bin  build.log.bz2  include  lib  libexec  share

$ ls aarch64-unknown-linux-gnu/bin
aarch64-unknown-linux-gnu-addr2line     aarch64-unknown-linux-gnu-gcov-dump
aarch64-unknown-linux-gnu-ar            aarch64-unknown-linux-gnu-gcov-tool
aarch64-unknown-linux-gnu-as            aarch64-unknown-linux-gnu-gfortran
aarch64-unknown-linux-gnu-c++           aarch64-unknown-linux-gnu-gprof
aarch64-unknown-linux-gnu-c++filt       aarch64-unknown-linux-gnu-ld
aarch64-unknown-linux-gnu-cc            aarch64-unknown-linux-gnu-ld.bfd
aarch64-unknown-linux-gnu-cpp           aarch64-unknown-linux-gnu-ld.gold
aarch64-unknown-linux-gnu-ct-ng.config  aarch64-unknown-linux-gnu-ldd
aarch64-unknown-linux-gnu-dwp           aarch64-unknown-linux-gnu-nm
aarch64-unknown-linux-gnu-elfedit       aarch64-unknown-linux-gnu-objcopy
aarch64-unknown-linux-gnu-g++           aarch64-unknown-linux-gnu-objdump
aarch64-unknown-linux-gnu-gcc           aarch64-unknown-linux-gnu-populate
aarch64-unknown-linux-gnu-gcc-7.3.0     aarch64-unknown-linux-gnu-ranlib
aarch64-unknown-linux-gnu-gcc-ar        aarch64-unknown-linux-gnu-readelf
aarch64-unknown-linux-gnu-gcc-nm        aarch64-unknown-linux-gnu-size
aarch64-unknown-linux-gnu-gcc-ranlib    aarch64-unknown-linux-gnu-strings
aarch64-unknown-linux-gnu-gcov          aarch64-unknown-linux-gnu-strip

クロスコンパイラは~/x-tools/aarch64-unknown-linux-gnu/bin以下にあります。今後、このクロスコンパイラを使います。

カーネル

カーネルはLinuxの開発版linux-nextを使います(Gitリポジトリへのリンク)。StableカーネルやLTSカーネルも同じ手順で良いと思いますが、古いカーネルをビルドするときは、crosstool-NGでgcc 7かgcc 6を選択したほうが良いかもしれません(ビルド時に警告が出てくると邪魔なので…)。

linux-nextコード取得、セットアップ、ビルド
$ git clone git://git.kernel.org/pub/scm/linux/kernel/git/next/linux-next.git
$ cd linux-next

$ export ARCH=arm64
$ export CROSS_COMPILE=~/x-tools/aarch64-unknown-linux-gnu/bin/aarch64-unknown-linux-gnu-

$ make defconfig

$ make all
scripts/kconfig/conf  --syncconfig Kconfig
  WRAP    arch/arm64/include/generated/uapi/asm/ioctl.h
  WRAP    arch/arm64/include/generated/uapi/asm/errno.h
  WRAP    arch/arm64/include/generated/uapi/asm/ioctls.h
...(snip)...
  LD [M]  sound/soc/generic/snd-soc-simple-card-utils.ko
  LD [M]  sound/soc/generic/snd-soc-simple-card.ko
  LD [M]  sound/soc/sh/rcar/snd-soc-rcar.ko

マシン性能によりますが、カーネルのビルドは数十分くらい掛かると思います。AArch64用のカーネルをビルドした場合、arch/arm64/boot以下は下記のようになっているはずです。

linux-next生成物
$ cd arch/arm64/boot

$ ls
Image  Image.gz  Makefile  dts  install.sh

ビルドが終わると、arch/arm64/boot以下にImageという名前のファイルが作られていると思います。このイメージファイルを後で使います。

編集者:すずき(2024/07/16 17:51)

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