ある時点からの経過日(0基点)を年月日にする、なんていかにも学校の授業で出てきそうなアルゴリズムですが、世間では需要がないのか、名前が付いているようなアルゴリズムがありません。
練習問題にちょうど良かったので、いっちょ考えてみました。鈴木アルゴリズム完成!なーんて言えれば良かったんですけど、大した物はできませんでした。
その代わりといってはなんですが、考え方を細かくメモっていきたいと思います。今日は月日の変換、後日に年の変換を扱います。
文章をうだうだ読むのが面倒くせえ!って人のために、実装例も載せる予定です。ライセンスを特に明示していなければ、修正BSDライセンスを適用します。
年月日のルールを決めるのは暦です。現在採用されている暦の主流は1582年頃に採用が始まった「グレゴリオ歴」です。下記の性質があります。
閏年は暦と地球の季節がずれないようにする仕組み(※1)です。もっと簡単に言うと、平年より1日長い年のことです。平年/閏年は下記のルールで決まります。
変なルールに見えるかもしれませんが、人類が苦労して「時間とはなんぞや?暦とはなんぞや?」を定義してきた証なのでしょう。
(※1)地球の公転周期(1年)は自転周期(1日)の365倍と1/4日くらいです。単純に暦を1年 = 365日としてしまうと4年で1日分、季節と暦がずれてしまいます。その差を補正するために閏年が作られました。
初めに経過日→月日の変換を考えます。その際に邪魔なのが年によって長さが変わる2月です。
例として「1/1から60日後は何月何日か?」を考えてみます。平年(2月が28日間)ならば答えは3/2、閏年(2月が29日間)ならば答えは3/1です。2月の存在によって、経過日と月の対応関係がずれてしまうのです。
年によって計算方法を変えるのは面倒です。以下のように経過日の基準点を変えて一通りの計算方法で、経過日→月日を計算できるようにします。
つまり3月を一年の始まり(正確には3/1を経過日0日とする)とし、来年の2月を当年の最終月14月として考えます。こうすると経過日と各月の対応関係が固定されるため、2月の長さが変化しても計算に影響が出ません(後ほどまた説明します)
では実際に経過日から月日を計算してみます。使うのは下記のテーブル(※2)です。
月 | 各月1日の経過日 | 月の長さ |
---|---|---|
3 | 0 | 31日 |
4 | 31 | 30日 |
5 | 61 | 31日 |
6 | 92 | 30日 |
7 | 122 | 31日 |
8 | 153 | 31日 |
9 | 184 | 30日 |
10 | 214 | 31日 |
11 | 245 | 30日 |
12 | 275 | 31日 |
13 | 306 | 31日 |
14 | 337 | 28 or 29日 |
テーブルの2列目は「その月の1日を表す経過日」を表しています。調べたい経過日と、2列目で大小比較すれば、調べたい経過日が何月なのかがわかります。何月なのかわかれば何日か?も簡単に分かります。
例として100を考えましょう。
まず92(6/1)< 100 < 122(7/1)から6月であることがわかります。
さらに100 - 92(6/1)= 8ですから6/1から8日後、つまり6/9だとわかります。
この計算方法の利点は、各月の1日に対応する経過日だけ考えれば計算できることです。さきほど2月の長さは気にしなくて良いと言った理由はここにあります。
2月は最終月のため、長さが変化しても各月の1日に対応する経過日は変化しません。というより各月の1日に対応する経過日を変化させないようにするために、わざわざ2月を最後に回したのです。
実装する関数の仕様は下記の通りです。
この処理をC言語で書くと下記のようになります。
int date_to_month(int date, int *month, int *days)
{
static int m_date[] = {
0, 31, 61, 92, 122, 153, 184, 214, 245, 275, 306, 337,
};
int m, d;
int i;
if (date < 0 || 365 < date) {
return -1;
}
for (i = 0; i < 12; i++) {
if (date < m_date[i]) {
break;
}
}
m = i + 2;
d = date - m_date[i - 1] + 1;
if (month) {
*month = m;
}
if (days) {
*days = d;
}
return 0;
}
負の値や、1年(最長366日)以上の日数に対しては正常に動作しません。エラー処理として366以上の値や負の値を渡したときにエラーを返すこととします。
きちんと変換できるか、異常値に対してエラーを返すかどうか、-3から369までの経過日を与えてテストします。
int main()
{
int m, d;
int result, i;
for (i = -3; i < 370; i++) {
result = date_to_month(i, &m, &d);
if (result == -1) {
printf("date:%3d -> error\n", i);
continue;
}
printf("date:%3d -> %2d/%2d\n", i, m, d);
}
return 0;
}
実行結果は下記の通りです。適当に端折ってあります。
date: -3 -> error date: -2 -> error date: -1 -> error date: 0 -> 3/ 1 date: 1 -> 3/ 2 ...(略)... date:100 -> 6/ 9 date:101 -> 6/10 date:102 -> 6/11 ...(略)... date:364 -> 14/28 date:365 -> 14/29 date:366 -> error date:367 -> error date:368 -> error date:369 -> error
この関数は月のパラメータに13月やら14月を返します。しかし後ほど翌年の1月、2月へ変換してつじつまを合わせますので、ここでは何も変換しません。
ある月の1日を表す経過日を求めるには、下記の漸化式を用います。
(ある月の1日を表す経過日) = (前月の1日を表す経過日) + (前月の長さ)
要はテーブルの2列目(各月1日の経過日)と3列目(月の長さ)を足すと、次の月の1日を表す経過日が計算できるということです。
経過日から月日へ変換できたところで、また今度。次は経過日から年への変換を書く予定です。
以前からmixiアプリのサンシャイン牧場というゲームをやっています。ゲームを一言で言えば「重い」です。とにかく重い。重すぎる。
その他にも下記のような特徴があります。
どうもまともな部分がないな…。
そんなサンシャイン牧場ですが、今日は新たな一面を見せてくれました。
畑は真っ白、牧場は無人、名前は「nullさん」だとさ。なんとまあ…。
最近、有料アイテム制度を追加しているようですが、こんな状態のまま金取るの?無神経すぎる。
最近はMakefileを自作せずに、GNU Toolchainの勉強も兼ねてGNU Automakeを使ってMakefileを生成しています。大したプログラムでもないのに ./configureとやるのはめんどくさいけど…。
Automakeで作ったMakefileはコマンドの実行履歴が大量に出ます。コンパイラに大量のオプションを渡すのと、そのオプションを全てログとして出力するためです。そのせいでコンパイラの警告やエラーがすっ飛んでいって消えてしまいます。
大量のログを見直すのはつらいです。いちいちスクロールバックしたり、パイプしてページャで見なければならないので、非常に面倒です。
この点優秀なのがLinux Kernel 2.6のビルドスクリプトです。単純にmakeとすると簡潔なログ、make V=1とすると詳細なログが出ます。
Linuxのmakeは以下のようなログが出ます。どのファイルに何をしている(CC, LD, CHKなど)か?だけが表示されます。
$ make scripts/kconfig/conf -s arch/x86/Kconfig CHK include/linux/version.h UPD include/linux/version.h (略) UPD include/linux/compile.h CC init/version.o ...
同じ部分の詳細出力(make V=1)は以下のようになります。
$ make V=1 make -f /home/katsuhiro/usr/src/linux-2.6.30/Makefile silentoldconfig make -f scripts/Makefile.build obj=scripts/basic mkdir -p include/linux include/config make -f scripts/Makefile.build obj=scripts/kconfig silentoldconfig gcc -o scripts/kconfig/conf scripts/kconfig/conf.o scripts/kconfig/zconf.tab. o -lncurses scripts/kconfig/conf -s arch/x86/Kconfig rm -f include/config/kernel.release echo 2.6.30 > include/config/kernel.release set -e; : ' CHK include/linux/version.h'; mkdir -p include/linux/; ( echo \#define LINUX_VERSION_CODE 132638; echo '#define KERNEL_VERSION(a,b,c) (( (a) << 16) + ((b) << 8) + (c))';) < /home/katsuhiro/usr/src/linux-2.6.30/Makefil e > include/linux/version.h.tmp; if [ -r include/linux/version.h ] && cmp -s inc lude/linux/version.h include/linux/version.h.tmp; then rm -f include/linux/versi on.h.tmp; else : ' UPD include/linux/version.h'; mv -f include/linux/versi on.h.tmp include/linux/version.h; fi (略) UPD include/linux/compile.h gcc -Wp,-MD,init/.version.o.d -nostdinc -isystem /usr/lib/gcc/i486-linux-gnu/ 4.3.2/include -Iinclude -I/home/katsuhiro/usr/src/linux-2.6.30/arch/x86/include -include include/linux/autoconf.h -D__KERNEL__ -Wall -Wundef -Wstrict-prototype s -Wno-trigraphs -fno-strict-aliasing -fno-common -Werror-implicit-function-decl aration -Os -m32 -msoft-float -mregparm=3 -freg-struct-return -mpreferred-stack- boundary=2 -march=i686 -mtune=generic -Wa,-mtune=generic32 -ffreestanding -DCONF IG_AS_CFI=1 -DCONFIG_AS_CFI_SIGNAL_FRAME=1 -pipe -Wno-sign-compare -fno-asynchro nous-unwind-tables -mno-sse -mno-mmx -mno-sse2 -mno-3dnow -fno-stack-protector - fno-omit-frame-pointer -fno-optimize-sibling-calls -Wdeclaration-after-statement -Wno-pointer-sign -fwrapv -D"KBUILD_STR(s)=#s" -D"KBUILD_BASENAME=KBUILD_STR( version)" -D"KBUILD_MODNAME=KBUILD_STR(version)" -c -o init/version.o init/ver sion.c ...
普段はmakeのシンプルなログで異常がないかどうかだけをチェックします。ビルドエラーに遭遇したらmake V=1で詳細なコンパイルオプションを眺めて原因を考えます。便利ですねえ。
良いモノは見習いましょう。Automakeでログを抑制する方法はないのでしょうか?
残念ながら、ネットでちょこっと調べた限りではやり方がわかりませんでした。誰かご存じないですか?
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