目次: Zephyr
前回の続きです。ZephyrのDevice Tree Overlay(2022年1月3日の日記参照)で独自のbindingsを定義(compatibleやプロパティの定義)する方法を紹介します。
前回はこんなノードを追加しました。
/* samples/hello_world/boards/qemu_riscv64.overlay */
/ {
resources {
compatible = "test-overlay";
value1 = <1>;
value2 = <10>;
};
};
ノードを追加しただけではエラーにはなりませんが、コードからvalue1の値を参照しようとするとビルドエラーになって怒られます。
詳細はZephyrのDevice Tree APIマニュアル(Devicetree API - Zephyr Project Documentation)が参考になります。
// samples/hello_world/src/main.c
#include <zephyr.h>
#include <sys/printk.h>
void main(void)
{
printk("Hello World! %s\n", CONFIG_BOARD);
printk("value1:%d\n", DT_PROP(DT_INST(0, test_overlay), value1));
printk("value2:%d\n", DT_PROP(DT_INST(0, test_overlay), value2));
}
$ ninja ... zephyr/include/generated/devicetree_unfixed.h:308:34: error: 'DT_N_S_resources_P _value1' undeclared (first use in this function); did you mean 'DT_N_S_resources _PATH'? 308 | #define DT_N_INST_0_test_overlay DT_N_S_resources | ^~~~~~~~~~~~~~~~ このあとも大量に怒られる……。
Zephyrはコード内でデバイスツリーの値を参照すると、ビルド時に全て解決される仕組みです。そのためデバイスツリーに不都合な点があるとビルド時に猛烈に怒られます。Zephyrのデバイスツリー処理はPythonとマクロマジックが駆使されていて、コンパイルエラーのメッセージからエラーの原因がすぐにわからないのが難点ですね……。
Linuxは実行時に参照、書き換えが可能なので、ZephyrとLinuxの大きく異なる部分と言えましょう。
問題の解決にはdts/*.yamlを追加する必要があります。ファイル名はcompatible名.yamlになります。このファイルもOverlayファイル同様に追加するだけでビルドシステムが勝手に感知して処理してくれます。便利ですね。
samples/hello_world/ ├──CMakeLists.txt ├──README.rst ├──boards │ └──qemu_riscv64.overlay ├──dts │ └──bindings │ └──test-overlay.yaml ★これ★ ├──prj.conf ├──sample.yaml └──src └──main.c
# samples/hello_world/dts/bindings/test-overlay.yaml
description: |
This binding provides AAA and BBB, something for CCC application in Zephyr.
compatible: "test-overlay"
properties:
value1:
type: int
required: true
description: |
Identity of AAA of something. This is ...
value2:
type: int
required: true
description: |
Identity of BBB of something. This is ...
追加したyamlファイルは非常にシンプルで、compatibleの名前と、value1, value2というint型のプロパティが必須だよ、ということを定義しただけです。
その他のbindingsの定義については、Zephyrのマニュアル(Devicetree bindings - Zephyr Project Documentation)をご覧ください。
ファイルを追加したら改めてビルド&実行しましょう。
$ ninja ... [123/123] Linking C executable zephyr/zephyr.elf Memory region Used Size Region Size %age Used RAM: 23700 B 256 MB 0.01% IDT_LIST: 0 GB 2 KB 0.00% $ ninja run [0/1] To exit from QEMU enter: 'CTRL+a, x'[QEMU] CPU: riscv64 *** Booting Zephyr OS build v2.7.99-3416-g7dac931e3662 *** Hello World! qemu_riscv64 value1:1 value2:10
うまく行きました。Device Tree Overlayとbindingsは同じCコードでボードごとに設定だけ変えたい場合に有用です。
この仕組みはtests下にあるコードでよく使われています。例えばGPIOのテストがわかりやすいでしょう。2つのポートが通信できるか?割り込みが正常に入るか?などがGPIOテストの内容です。
実際に動作させるにはボードごとに配線やピン設定が違いますから、ボードAはピン10と11を使う、ボードBは21と22を使う、というようにボードごとに違う設定を与える必要があります。
設定はコードに書かずにDevice Tree Overlayに逃がして、コードはテストしたい内容のみを記述することで設定もコードもすっきりする、ってわけです。
目次: 射的
以前、ガスブローバックタイプのエアガンを買ったのですが、家だとうるさいし狭いです。往来の人に危険が及ぶので公の場所(公園、河川敷など)で撃つのも厳禁!!です。というわけで単なる飾りと化していました。
さすがに置物にするのは勿体ないので、どこか撃てる場所はないだろうか?と思って探すと、秋葉原に7mのシューティングレンジのあるカフェ(バー?)がありました。末広町にあるトリガーハッピーというお店(お店のサイトへのリンク)です。
やってみた感想は「当たるけど当たらない」ですね。
エアガンの出来はとても良く、狙った方向に飛ぶので正しく狙えば当たります。けど、狙っている私が明後日の方向に狙いを付けているのでぜーんぜん当たりません。7m先と思われる9個の的を倒すのに16秒くらいでした。たぶん早い人は半分くらいのタイムでクリアできるんじゃないかな……。
結果はさておき、普段できない遊びでなかなか面白かったです。また行ってみるかー。
目次: 電池
今までニッケル水素電池(以降Ni-MH電池)の充電にはPanasonic BQ-391を使っていました。が、端子の一部が青く錆びてきたため、先日、跡継ぎとしてPanasonic BQ-CC87を購入しました。Amazonで2400円くらいでした。BQ-CC87はUSBでの充電、USBの出力(つまりモバイルバッテリー)もできる1台2役の優れものです。
通常の充電器の使い方だと継ぎ足し充電は避けるべきですが、BQ-CC87は継ぎ足し充電もできる(Panasonicのサイトへのリンク)とのことで、とても良い商品だと思います。が……どうも我が家の電池達と相性が悪くて困っています。
我が家にあるNi-MH電池は5種類あって、
どれを使ってもスマホやタブレットを充電しようとすると、一瞬だけ0.6Aくらい出力しますが、すぐに出力が停止します。運が良いと出力が続きますが、
こんな感じでまともに動作しているように見えません。うーん。
最初は機械側を疑ったんですが、新しいNi-MH電池を新たに4本買い(Panasonic EVOLTA BK-4HCD, 単4 930mAh)、スマホの充電を試したところ1A出力できました。機械は壊れていないようです。
ここから推測できることは、単純に我が家にある電池がヘタっているor BQ-CC87で使うには気合が足りないってことです。
もうひとつ困ったことにBQ-CC87は充電する場合も我が家の電池と相性が悪く、すぐに止まってしまいます。その結果DC出力も充電もできない、どうしようもない状態の電池がどんどん増えてしまいます。
うちの電池そんなにダメなの?困ったね。
目次: Zephyr
ZephyrはプロジェクトごとにDevice Treeを上書きできます。Device Tree Overlayと呼ばれたりもしますね。やり方は違いますがLinuxでも似たような仕組みがあります。
具体的にはsamples/hello_worldの下にboardsというディレクトリを作成し、ボード名.overlayというファイルを作成するだけです。Zephyrのビルドシステムが勝手に検知してくれます。便利ですね。
今回はqemu_riscv64向けに作りますからファイル名はqemu_riscv64.overlayになります。
samples/hello_world/ ├──CMakeLists.txt ├──README.rst ├──boards │ └──qemu_riscv64.overlay ★これ★ ├──prj.conf ├──sample.yaml └──src └──main.c
/* samples/hello_world/boards/qemu_riscv64.overlay */
/ {
resources {
compatible = "test-overlay";
value1 = <1>;
value2 = <10>;
};
};
Overlayが効いているかどうかはビルド後に生成されるzephyr/zephyr.dtsを見るとわかります。
/dts-v1/; / { #address-cells = < 0x1 >; #size-cells = < 0x1 >; compatible = "riscv-virtio"; model = "riscv-virtio,qemu"; flash@20000000 { bank-width = < 0x4 >; reg = < 0x20000000 0x2000000 0x22000000 0x2000000 >; compatible = "cfi-flash"; }; /* (略) */ chosen { zephyr,console = &uart0; zephyr,shell-uart = &uart0; zephyr,sram = &ram0; }; resources { /* ★追加された★ */ compatible = "test-overlay"; value1 = < 0x1 >; value2 = < 0xa >; }; };
Overlayのcompatibleとプロパティは適当です。当然compatibleに対応するコードはありませんが、今の段階ではエラーにはなりません。
デフォルトで無効化されているデバイスを有効にする(status = "okay"; を足したい)くらいであれば、Overlayファイルの追加だけでも十分に役立ちます。
しかしZephyrはもう少し複雑な機能も提供しています。次回は独自のcompatibleを扱う方法をご紹介したいと思います。
目次: GCC
目次: Linux
Linuxをデバッグするにはkgdbを使うと思いますが、QEMU + GDBでよりお手軽にデバッグができます。お手軽とは書いたものの、実際やったところQEMUでかなり苦戦したのでメモしておきます。
対象のアーキテクチャはAArch64を選びました。お好きなアーキテクチャを使っていただいて構いませんが、Linuxのコンフィグをどうするべきかと、QEMUの動かし方を知っているアーキテクチャにしてください。せっかくLinuxをビルドしても動かせなくて詰みます。
ツールチェーンの構築の方法は昔の日記(2018年7月15日の日記参照)で構築手段をご紹介しています。crosstool-ngはデフォルトだとGDBがビルドされなかった気がするので、
CT_DEBUG_GDB=y Debug facilities ---> [*] gdb --->
この変更が必要になると思います。
Linuxカーネルはlinux-nextを使いました。新し目のLTSカーネルなども十分動くはずです。コンフィグの変更点は下記のとおりです。
CONFIG_RANDOMIZE_BASE=n(gdbでデバッグするときは、アドレスをランダムに変えられると困るため) Kernel Features ---> [ ] Randomize the address of the kernel image CONFIG_DEBUG_INFO_REDUCED=n(yだとgdbで構造体などの情報が見えなくなるため) Kernel hacking ---> Compile-time checks and compiler options ---> [*] Compile the kernel with debug info [ ] Reduce debugging information CONFIG_MODULES=n(モジュールのインストールが面倒なので) [ ] Enable loadable module support ----
デフォルトのコンフィグだと、やたらと色々なドライバをビルドするので時間がかかります。グラフィクス系のドライバなどの明らかに不要なドライバは外しても良いと思います。
QEMUは様々なハードウェアを模倣できます。そのなかにRaspberry Pi 3bがありましたのでこれを使います。initrdイメージはbuildrootで作りました。
qemu-system-aarch64 \ -machine raspi3b \ -kernel arch/arm64/boot/Image \ -append "earlycon=pl011,0x3f201000 console=ttyAMA0" \ -dtb arch/arm64/boot/dts/broadcom/bcm2837-rpi-3-b.dtb \ -initrd ../buildroot/output/images/rootfs.cpio \ -serial stdio \ -s
起動してプロンプトまで表示されますが、キー入力を全く受け付けず操作不能になってしまいます。解決方法がわからなかったので諦めました。
ちなみに最近のlinux-nextを使う場合は、GPIOとpinctrlの初期化順を修正するパッチを当てないといけません。これを当てないとpinctrlが無効になってしまい、連鎖的にpinctrlに依存しているSDカードのドライバなども無効化され「rootfsがマウントできない!」とpanicになってしまいます。
この問題に気づくまでかなり時間がかかりました。バグだと思ってめっちゃ調べたのに、もうパッチがLKMLに投稿されていたという体験は、linux-nextを使っていると珍しくないですけどね。よりによってRaspberry Piだけで起きるバグをタイムリーに引くとは思わなかった……完全に油断してた。
Raspberry Piマシンの代わりにvirtマシンを使うことにしました。
今回はユーザーランドは動けばOKですから、Raspberry PiのディスクイメージRaspberry Pi OS Lite 64bit(公式ダウンロードサイト)を使用します。
QEMUで起動する場合virtioを使用します。QEMUのvirtマシンは残念ながらSDやmtdには対応していません。パラレルフラッシュはサイズが64MBまでのためにRaspberry Pi OSのイメージは大きすぎると言われ起動できません。
qemu-system-aarch64 \ -machine virt -cpu cortex-a53 -smp 1 \ -kernel arch/arm64/boot/Image -append "rw root=/dev/vda2" \ -drive file=2022-01-28-raspios-bullseye-arm64-lite_resize.img,format=raw,if=virtio \ -serial stdio \ -s
最後の -sオプションはGDBの接続をポート1234で待機するオプション -gdb tcp::1234の短縮形です。カーネルのブート部分などをデバッグする場合は、GDBを接続するまで停止していてほしいので -Sも一緒に付けると良いです。
前置きがだいぶ長くなりましたがこれでデバッグ環境が整いました。GDBをQEMUに接続するにはtarget remoteコマンドを使います。
$ aarch64-unknown-linux-gnu-gdb vmlinux GNU gdb (crosstool-NG 1.24.0.501_5bf4485) 10.2 Copyright (C) 2021 Free Software Foundation, Inc. License GPLv3+: GNU GPL version 3 or later <http://gnu.org/licenses/gpl.html> This is free software: you are free to change and redistribute it. There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law. Type "show copying" and "show warranty" for details. This GDB was configured as "--host=x86_64-build_pc-linux-gnu --target=aarch64-unknown-linux-gnu". Type "show configuration" for configuration details. For bug reporting instructions, please see: <https://www.gnu.org/software/gdb/bugs/>. Find the GDB manual and other documentation resources online at: <http://www.gnu.org/software/gdb/documentation/>. For help, type "help". Type "apropos word" to search for commands related to "word"... Reading symbols from vmlinux... (gdb) b start_kernel Breakpoint 1 at 0xffff800009e10c64: file init/main.c, line 931. (gdb) target remote :1234 Remote debugging using :1234 0x0000000040000000 in ?? () (gdb) c Continuing. Breakpoint 1, start_kernel () at init/main.c:931 931 {
実行、ブレーク、ソースコードの表示もできています。良い感じですね!
目次: OpenOCD
HiFive1のJTAGを使う際はJ-Linkの設定(tcl/interface/jlink.cfg)を使えばOKです。しかしSEGGER J-LinkのJTAG箱が見当たらないのに、なぜこの設定で動くのか若干気になりました。調べたら納得だったのでメモしておきます。
回路図を見るとマイコンでUSB-JTAG変換を実現しています。USB端子はNXP MK22FN128VLH10(MK22FN128VLH10 Product Information - NXP)に接続されており、このICからJTAGの信号(TDIなど)が出ています。JTAGの信号線はSiFive FE310に接続されています。
なぜ突然NXPのマイコンICが出てくるのか?J-Linkはどこから来た??と思いきや、実はこれSEGGER J-LinkのオンチップJTAG、J-Link-OBというシリーズの1つで使われているマイコンです(参考: J-Link OB Debug Probe - SEGGER)。SEGGER J-Linkは専用のICがあるわけではなく、NXPやSTのマイコンで実現しているんですね、なるほど。
カタログ上はCortex-M/Cortex-A用となっていますが、これはSEGGER独自の機能が使えるか使えないかを表しているのでしょう。JTAGは4つの信号線(TMS, TCK, TDI, TDO)でJTAGのプロトコルを理解するデバイスが相手であれば良くて、CPUの種類は特に気にしないはず……。
目次: OpenOCD
SiFiveのHiFive1というボード(SiFiveのサイトへのリンク)をデバッグするときは、HiFive1のオンボードUSB-JTAGを使うことが多いと思います。
非常に便利ですがUSB接続ゆえに近くにPCが必要です。PCを作業机の横に置けば何の問題もないんですけど、我が家の場合は諸事情でちょっと困った配置になっています。
PCを作業机の横に持ってくる手も考えましたが、悪あがきとしてRaspberry Pi 3でOpenOCDを実行してサーバー代わりにしてみました。結果から言うと、思っていたよりうまく動いてくれました。嬉しい、Raspberry Pi偉い。
各機器の接続関係はこんな感じです。各ソフトに改造は不要です。GDBのTCP経由でデバッグできる機能と、OpenOCDのGDB serverとして振る舞う機能の合わせ技で実現できます。
(通常) PCのGDB <-(TCP local接続)-> PCのOpenOCD <-(USB)-> HiFive1 (今回) PCのGDB <-(TCP接続)-> Raspberry Pi 3のOpenOCD <-(USB)-> HiFive1
こんな変な使い方まで想定内とは驚きです。GDBもOpenOCDも良くできています。
Raspberry Pi 3ではOpenOCDを実行します。
$ ./src/openocd -c 'bindto 0.0.0.0' -f tcl/interface/jlink.cfg -f ./tcl/board/sifive-hifive1-revb.cfg Open On-Chip Debugger 0.11.0+dev-00551-gaad871805 (2022-01-16-22:30) Licensed under GNU GPL v2 For bug reports, read http://openocd.org/doc/doxygen/bugs.html Warn : Interface already configured, ignoring Info : J-Link OB-K22-SiFive compiled Nov 22 2019 12:57:38 Info : Hardware version: 1.00 Info : VTarget = 3.300 V Info : clock speed 4000 kHz Info : JTAG tap: riscv.cpu tap/device found: 0x20000913 (mfg: 0x489 (SiFive Inc), part: 0x0000, ver: 0x2) Info : datacount=1 progbufsize=16 Info : Disabling abstract command reads from CSRs. Info : Examined RISC-V core; found 1 harts Info : hart 0: XLEN=32, misa=0x40101105 Info : starting gdb server for riscv.cpu.0 on 3333 Info : Listening on port 3333 for gdb connections Info : Found flash device 'issi is25lp032' (ID 0x0016609d) Ready for Remote Connections Info : Listening on port 6666 for tcl connections Info : Listening on port 4444 for telnet connections Info : JTAG tap: riscv.cpu tap/device found: 0x20000913 (mfg: 0x489 (SiFive Inc), part: 0x0000, ver: 0x2) Warn : keep_alive() was not invoked in the 1000 ms timelimit. GDB alive packet not sent! (1606 ms). Workaround: increase "set remotetimeout" in GDB Info : JTAG tap: riscv.cpu tap/device found: 0x20000913 (mfg: 0x489 (SiFive Inc), part: 0x0000, ver: 0x2) Warn : keep_alive() was not invoked in the 1000 ms timelimit. GDB alive packet not sent! (1523 ms). Workaround: increase "set remotetimeout" in GDB Info : JTAG tap: riscv.cpu tap/device found: 0x20000913 (mfg: 0x489 (SiFive Inc), part: 0x0000, ver: 0x2) Warn : keep_alive() was not invoked in the 1000 ms timelimit. GDB alive packet not sent! (1599 ms). Workaround: increase "set remotetimeout" in GDB Info : JTAG tap: riscv.cpu tap/device found: 0x20000913 (mfg: 0x489 (SiFive Inc), part: 0x0000, ver: 0x2) Warn : keep_alive() was not invoked in the 1000 ms timelimit. GDB alive packet not sent! (1610 ms). Workaround: increase "set remotetimeout" in GDB Warn : Error writing to GDB socket. Dropping the connection. Info : dropped 'gdb' connection Info : accepting 'gdb' connection on tcp/3333 Info : JTAG tap: riscv.cpu tap/device found: 0x20000913 (mfg: 0x489 (SiFive Inc), part: 0x0000, ver: 0x2) Warn : keep_alive() was not invoked in the 1000 ms timelimit. GDB alive packet not sent! (1614 ms). Workaround: increase "set remotetimeout" in GDB
PC側からmonitor resetを実行すると「1,000ms以内に返事が来ない!タイムアウトしたぞ!」というWarningログが頻発します。HiFive1の反応が遅いのか、Raspberry Pi 3の判断が遅いのか、どちらかよくわかりません。両方かな……?
PCではGDBを実行します。例ではZephyrのバイナリを送っていますが、Zephyr以外でも手順は同じです。
$ riscv64-zephyr-elf-gdb build/zephyr/zephyr.elf GNU gdb (crosstool-NG 1.24.0.378_e011758) 9.2 Copyright (C) 2020 Free Software Foundation, Inc. License GPLv3+: GNU GPL version 3 or later <http://gnu.org/licenses/gpl.html> This is free software: you are free to change and redistribute it. There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law. Type "show copying" and "show warranty" for details. This GDB was configured as "--host=x86_64-build_pc-linux-gnu --target=riscv64-zephyr-elf". Type "show configuration" for configuration details. For bug reporting instructions, please see: <http://www.gnu.org/software/gdb/bugs/>. Find the GDB manual and other documentation resources online at: <http://www.gnu.org/software/gdb/documentation/>. For help, type "help". Type "apropos word" to search for commands related to "word"... Reading symbols from build/zephyr/zephyr.elf... (gdb) target remote 192.168.1.106:3333 Remote debugging using 192.168.1.106:3333 0x00001004 in ?? () (gdb) monitor reset halt JTAG tap: riscv.cpu tap/device found: 0x20000913 (mfg: 0x489 (SiFive Inc), part: 0x0000, ver: 0x2) keep_alive() was not invoked in the 1000 ms timelimit. GDB alive packet not sent! (1615 ms). Workaround: increase "set remotetimeout" in GDB
GDBもタイムアウトがどうのこうのと怒っています。特に異常動作はしないので放っておいても良いですけど、邪魔であればメッセージのおススメ通りにset remotetimeoutの値を伸ばすと良いでしょう。
基本的には以上です動きました良かったね!で終わりなんですけど、Raspberry Pi 3のdmesgを見ていたら見慣れないエラーが出ていたのでメモしておきます。
[ 253.885123] usb 1-1.5: new full-speed USB device number 6 using dwc_otg [ 254.021413] usb 1-1.5: New USB device found, idVendor=1366, idProduct=1051, bcdDevice= 1.00 [ 254.021440] usb 1-1.5: New USB device strings: Mfr=1, Product=2, SerialNumber=3 [ 254.021475] usb 1-1.5: Product: J-Link [ 254.021490] usb 1-1.5: Manufacturer: SEGGER [ 254.021505] usb 1-1.5: SerialNumber: 000979016829 [ 254.023795] cdc_acm 1-1.5:1.0: ttyACM0: USB ACM device [ 254.027758] cdc_acm 1-1.5:1.2: ttyACM1: USB ACM device [ 254.031278] usb-storage 1-1.5:1.5: USB Mass Storage device detected [ 254.032081] scsi host0: usb-storage 1-1.5:1.5 [ 254.875197] Under-voltage detected! (0x00050005) ★★★★これと★★★★ [ 255.037642] scsi 0:0:0:0: Direct-Access SEGGER MSD Volume 1.00 PQ: 0 ANSI: 4 [ 255.038948] sd 0:0:0:0: Attached scsi generic sg0 type 0 [ 255.043115] sd 0:0:0:0: [sda] 21829 512-byte logical blocks: (11.2 MB/10.7 MiB) [ 255.052887] sd 0:0:0:0: [sda] Write Protect is off [ 255.052914] sd 0:0:0:0: [sda] Mode Sense: 0b 00 00 08 [ 255.055179] sd 0:0:0:0: [sda] No Caching mode page found [ 255.055202] sd 0:0:0:0: [sda] Assuming drive cache: write through [ 255.148361] sda: [ 255.166356] sd 0:0:0:0: [sda] Attached SCSI removable disk [ 259.035120] Voltage normalised (0x00000000) ★★★★これ★★★★
このエラーはRaspberry Pi 3とHiFive1のUSB端子を接続したときに出現します(私の環境だと接続のたびに必ず発生)。電力供給ラインであるUSBのVBus端子電圧が下がっているという意味ですかねえ……?可能性としてはHiFive1が起動時だけ一気に大電力を消費することが考えられますが、深追いしておらず真相はわかりません。
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