前回の日記(2012年11月8日の日記参照)でイコライザの設定を見ると、自分の好みはいわゆる「ドンシャリ」のようだ。と書きましたが、好み以外の要因も大きいようです。
人間の聴覚が感知する周波数帯は大体20Hz〜18kHz程度で、どの周波数帯も漏れなく認識できますが、感度は一定ではありません。具体的に言えば3〜4kHz付近は敏感に感じ取りますが、1kHz以下の低音や10kHz以上の高音は言ってしまえば「鈍い」です。
つまり20Hz〜18kHzまで物理的に一定の音圧で音を鳴らしても、人間には「低音」「高音」が小さく聞こえてしまうわけです。
音の大きさには2種類あります。音が持つ圧力の大きさ「音圧」と、人間が感じる音の大きさ「ラウドネス」です。
音圧は絶対値ではなくて、基準値となる圧力との比で表します。単位はデシベルSPL(dB Sound Pressuer Level)です。ちなみに0dB基準値の音圧は2x10^(-5) Pa=20μPaだそうです。
ラウドネスは基準値は1kHzの音圧で感じる音の大きさです。単位はホン(phon)です。周波数ごとに人間が感じる大きさの音は違いますので、1kHzのSin波ならdB SPL=phonとなるはずですが、他の周波数ではdB SPL≠phonとなります。
音圧≠ラウドネスなのは容易に理解できますが、じゃあ、人間に同じ大きさで聞こえる音って何?という疑問が沸きますよね。
そのものずばりをあらわした曲線があります。等ラウドネス曲線と言って、各周波数ごとに、人間が同じ大きさに聞こえる音圧を示した曲線です。Wikipedia(ラウドネス曲線の項)にグラフがあるので、ご参照ください。
人間は真ん中3〜4kHz付近が敏感(つまり低い音圧でも感じる)で、低域、高域は鈍い(高い音圧でないと感じない)ですから、等ラウドネス曲線は基本的に「なべ底型」になります。
さらに等ラウドネス曲線をよく見るとなべ底の「深さ」が違うことがわかると思います。大きく感じる音の底は浅く、小さく感じる音の底は深いです。
つまり人間は元々、高域、低域を感じにくいですが、小さい音になるほど高域と低域を「さらに」感じにくくなるということです。
言い換えれば、普段より小さい音で聴くだけで、普段より高域、低域を感じなくなるということです。機材や音源の影響が全くなかったとしても、そうなります。
つまり、小さめの音量で聴く人のイコライザ設定が、いわゆる「ドンシャリ」になるのは必然です。
もちろん好みの問題もありますから、ラウドネスが全てではありません。そこんとこ勘違いしないでね。
それでは楽しい音楽ライフを!
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