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2009年11月18日

経過日を年月日に変換 - その2

前回(2009年11月16日の日記参照)は経過日から月日への計算を行いました。残るは年の計算です。

グレゴリオ歴の周期性

前回も紹介したとおり、グレゴリオ暦の平年、閏年には下記の法則があります。

  1. 平年は365日、閏年は366日
  2. 西暦が4で割り切れる年は閏年(1年が366日)
  3. 西暦が100で割り切れる年は平年(1年が365日)
  4. 西暦が400で割り切れる年は閏年(1年が366日)

4年周期は平年、平年、平年、閏年のパターンです。

100年周期は4年周期を25回繰り返すだけですが、最後の100年目だけは閏年ではありません。

400年周期は100年周期を4回繰り返すだけですが、最後の400年目だけは閏年になります。400年以上を扱うルールはありませんので、以降400年周期で同じパターンが続きます。

図示すると下記のようになります。オレンジの四角が閏年を表しています。


閏年のパターン

各周期の日数の計算式は下記の通りです。

  1. 1年は365日
  2. 4で割り切れるときは閏年、つまり最後の年だけ +1日
    365+365+365+366
    =365*4+1
    =1461
  3. 100で割り切れるときは平年 、つまり最後の年だけ -1日
    1461+1461+…++1461+1460
    =1461*25-1
    =36524
  4. 400で割り切れるときは閏年 、つまり最後の年だけ +1日
    36524+36524+36524+36525
    =36524*4+1
    =146097

パターンがわかってしまえば、与えられた経過日にこのパターンがいくつ含まれているか?を計算するのみです。

経過日から年への変換

では実際に経過日から年を計算してみます。しつこいですがパターンは下記4つです。経過日にこれらのパターンがいくつ含まれているか調べます。

  • パターンA: 400年 = 146097日
  • パターンB: 100年 = 36524日
  • パターンC: 4年 = 1461日
  • パターンD: 1年 = 365日

なぜ上記パターンの数を求めれば年数が出るのか?がわかる人は次の章を飛ばして読んでください。

桁の話

ここでは桁の概念についてと、年への換算にどう使うか?を補足させていただきます。

私たちにおなじみの10進数は1234のように書きますが、これってどういう意味でしょうか?

10進数の1桁目は10^0がいくつ含まれているか、2桁目は10^1がいくつ含まれているかを示します。n桁目は10^(n-1) がいくつ含まれているか?を示します。

ですから10進数で1234は(1 * 10^3 + 2 * 10^2 + 3 * 10^1 + 4 * 10^0 = 1234)という数(10進数表記)を表します。

当たり前?でもこれは m進数でも同様で、n桁目はm^(n-1) がいくつ含まれているか?を示します。

ですから8進数の1234は(1 * 8^3 + 2 * 8^2 + 3 * 8^1 + 4 * 8^0 = 668)という数(10進数表記)を表します。

経過日から年を求める場合も、これと似た考え方ができます。各パターンの数を桁と見なして(400年の桁、100年の桁、4年の桁、1年の桁)、10進数へと換算してやればよいのです。

各パターンの数(400年、100年、4年、1年)が1, 2, 3, 3であれば(1 * 400 + 2 * 100 + 3 * 4 + 3 * 1 = 615)という年(10進数表記)を表します。

このように各パターンの数を求めてあげることで、年数が計算可能なのです。

経過日から年への計算式

パターンAの数は(経過日 / 146097)です。余りの経過日は400年未満のどこか(0年3月1日〜399年2月29日)を表します。これはパターンBの計算に回します。

パターンBの数は(経過日 / 36524)です。余りの経過日は100年未満のどこか(0年3月1日〜99年2月28日)を表します。余りは同様にパターンCの計算に回します。

しかし146096日(399年2月29日)の場合に3となるべきところが4になり間違えてしまうため、特別に3とします。その際の余り経過日は99年2月29日ですから36525 - 1 = 36524日(開始が0日のため1引く)となります。

パターンCの数は(経過日 / 1461)です。余りの経過日は4年未満のどこか(0年3月1日〜3年2月29日)を表します。余りは同様にパターンDの計算に回します。

パターンDの数は(経過日 / 365)です。余りの経過日は1年未満のどこか(0年3月1日〜0年2月28日)を表します。ここの余りは経過日から月日を求める計算に回します。

しかし1460日(3年2月29日)の場合に3となるべきところが4になり間違えてしまうため、特別に3とします。その際の余り経過日は0年2月29日ですから366 - 1 = 365日(開始が0日のため1引く)となります。

実装例

実装する関数の仕様は下記の通りです。

date
400で割り切れる西暦(1600年、2000年など)の3月1日からの経過日を渡します。値域は正の整数です。
year
年を返します。値域は正の整数です。
mod
1年に満たない経過日を返します。値域は0〜365です。
返り値
成功ならば0を返します。エラーが起きた場合は -1を返します。

この処理をC言語で書くと下記のようになります。

経過日から年への変換、実装例

int date_to_year(int date, int *year, int *mod)
{
        int a400, a100, a4, a;
        int m400, m100, m4, m;

        if (date < 0) {
                return -1;
        }

        a400 = date / 146097;
        m400 = date % 146097;
        if (m400 == 146096) {
                a100 = 3;
                m100 = 36524;
        } else {
                a100 = m400 / 36524;
                m100 = m400 % 36524;
        }
        a4 = m100 / 1461;
        m4 = m100 % 1461;
        if (m4 == 1460) {
                a = 3;
                m = 365;
        } else {
                a = m4 / 365;
                m = m4 % 365;
        }

        if (year) {
                *year = a400 * 400 + a100 * 100 + a4 * 4 + a;
        }
        if (mod) {
                *mod = m;
        }

        return 0;
}

これで経過日から年への変換は完成ですが、まだテストが終わっていません。

月日の変換のときは、入力に対する答えがたかだか366通りと少なかったため、目でチェックしました。しかし今回は400年つまり146097日もの数をチェックしなければなりません。こんな数を目で一々チェックしていたら頭がおかしくなります。

テストの方法についてはまた次回に。

編集者:すずき(2009/11/23 02:32)

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2009年11月16日

経過日を年月日に変換

ある時点からの経過日(0基点)を年月日にする、なんていかにも学校の授業で出てきそうなアルゴリズムですが、世間では需要がないのか、名前が付いているようなアルゴリズムがありません。

練習問題にちょうど良かったので、いっちょ考えてみました。鈴木アルゴリズム完成!なーんて言えれば良かったんですけど、大した物はできませんでした。

その代わりといってはなんですが、考え方を細かくメモっていきたいと思います。今日は月日の変換、後日に年の変換を扱います。

文章をうだうだ読むのが面倒くせえ!って人のために、実装例も載せる予定です。ライセンスを特に明示していなければ、修正BSDライセンスを適用します。

グレゴリオ歴の性質

年月日のルールを決めるのは暦です。現在採用されている暦の主流は1582年頃に採用が始まった「グレゴリオ歴」です。下記の性質があります。

  • 1年は365日(平年)か366日(閏年)
  • 1年は12ヶ月
  • 1月は28日(平年2月)29日(閏年2月)30日(4,6,9,11月)31日(1,3,5,7,8,10,12月)のどれか
  • 1日は24時間
  • 1時間は60分
  • 1分は60秒

閏年は暦と地球の季節がずれないようにする仕組み(※1)です。もっと簡単に言うと、平年より1日長い年のことです。平年/閏年は下記のルールで決まります。

  1. 西暦が4で割り切れる年は閏年(1年が366日)
  2. 西暦が100で割り切れる年は平年(1年が365日)
  3. 西暦が400で割り切れる年は閏年(1年が366日)

変なルールに見えるかもしれませんが、人類が苦労して「時間とはなんぞや?暦とはなんぞや?」を定義してきた証なのでしょう。

(※1)地球の公転周期(1年)は自転周期(1日)の365倍と1/4日くらいです。単純に暦を1年 = 365日としてしまうと4年で1日分、季節と暦がずれてしまいます。その差を補正するために閏年が作られました。

邪魔な2月

初めに経過日→月日の変換を考えます。その際に邪魔なのが年によって長さが変わる2月です。

例として「1/1から60日後は何月何日か?」を考えてみます。平年(2月が28日間)ならば答えは3/2、閏年(2月が29日間)ならば答えは3/1です。2月の存在によって、経過日と月の対応関係がずれてしまうのです。

年によって計算方法を変えるのは面倒です。以下のように経過日の基準点を変えて一通りの計算方法で、経過日→月日を計算できるようにします。


3/1を経過日0日とし、2月を最後に持って行く

つまり3月を一年の始まり(正確には3/1を経過日0日とする)とし、来年の2月を当年の最終月14月として考えます。こうすると経過日と各月の対応関係が固定されるため、2月の長さが変化しても計算に影響が出ません(後ほどまた説明します)

経過日から月日への変換

では実際に経過日から月日を計算してみます。使うのは下記のテーブル(※2)です。

各月1日の経過日月の長さ
3 0 31日
4 31 30日
5 61 31日
6 92 30日
7 12231日
8 15331日
9 18430日
1021431日
1124530日
1227531日
1330631日
1433728 or 29日

テーブルの2列目は「その月の1日を表す経過日」を表しています。調べたい経過日と、2列目で大小比較すれば、調べたい経過日が何月なのかがわかります。何月なのかわかれば何日か?も簡単に分かります。

例として100を考えましょう。
まず92(6/1)< 100 < 122(7/1)から6月であることがわかります。
さらに100 - 92(6/1)= 8ですから6/1から8日後、つまり6/9だとわかります。

この計算方法の利点は、各月の1日に対応する経過日だけ考えれば計算できることです。さきほど2月の長さは気にしなくて良いと言った理由はここにあります。

2月は最終月のため、長さが変化しても各月の1日に対応する経過日は変化しません。というより各月の1日に対応する経過日を変化させないようにするために、わざわざ2月を最後に回したのです。

実装例

実装する関数の仕様は下記の通りです。

date
3/1からの経過日を渡します。値域は0〜365です。
month
変換後の月を返します。値域は3〜14(翌年2月)です。
days
変換後の日を返します。値域は1〜31です。
返り値
成功ならば0を返します。エラーが起きた場合は -1を返します。

この処理をC言語で書くと下記のようになります。

経過日から月日への変換、実装例

int date_to_month(int date, int *month, int *days)
{
        static int m_date[] = {
                0, 31, 61, 92, 122, 153, 184, 214, 245, 275, 306, 337,
        };
        int m, d;
        int i;

        if (date < 0 || 365 < date) {
                return -1;
        }

        for (i = 0; i < 12; i++) {
                if (date < m_date[i]) {
                        break;
                }
        }
        m = i + 2;
        d = date - m_date[i - 1] + 1;

        if (month) {
                *month = m;
        }
        if (days) {
                *days = d;
        }

        return 0;
}

負の値や、1年(最長366日)以上の日数に対しては正常に動作しません。エラー処理として366以上の値や負の値を渡したときにエラーを返すこととします。

きちんと変換できるか、異常値に対してエラーを返すかどうか、-3から369までの経過日を与えてテストします。

経過日から月日への変換、テスト関数

int main()
{
        int m, d;
        int result, i;

        for (i = -3; i < 370; i++) {
                result = date_to_month(i, &m, &d);
                if (result == -1) {
                        printf("date:%3d -> error\n", i);
                        continue;
                }
                printf("date:%3d -> %2d/%2d\n", i, m, d);
        }

        return 0;
}

実行結果は下記の通りです。適当に端折ってあります。

経過日から月日への変換、実行結果
date: -3 -> error
date: -2 -> error
date: -1 -> error
date:  0 ->  3/ 1
date:  1 ->  3/ 2
...(略)...
date:100 ->  6/ 9
date:101 ->  6/10
date:102 ->  6/11
...(略)...
date:364 -> 14/28
date:365 -> 14/29
date:366 -> error
date:367 -> error
date:368 -> error
date:369 -> error

この関数は月のパラメータに13月やら14月を返します。しかし後ほど翌年の1月、2月へ変換してつじつまを合わせますので、ここでは何も変換しません。

ある月の1日を表す経過日を求めるには、下記の漸化式を用います。
(ある月の1日を表す経過日) = (前月の1日を表す経過日) + (前月の長さ)
要はテーブルの2列目(各月1日の経過日)と3列目(月の長さ)を足すと、次の月の1日を表す経過日が計算できるということです。

また今度

経過日から月日へ変換できたところで、また今度。次は経過日から年への変換を書く予定です。

編集者:すずき(2009/11/23 02:32)

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2009年11月12日

重いだけ牧場

以前からmixiアプリのサンシャイン牧場というゲームをやっています。ゲームを一言で言えば「重い」です。とにかく重い。重すぎる。

その他にも下記のような特徴があります。

  • 開発元が中国だからなのか、漢字が変、日本語も変。
  • 何をするのもとにかく時間がかかる。
  • 突如、操作を受け付けなくなる。
  • 虫の数、作物の状態の表示が更新されない。
  • 操作中に「長時間操作していない」と言われ、タイトルに戻される。

どうもまともな部分がないな…。

ついに牧場ご臨終

そんなサンシャイン牧場ですが、今日は新たな一面を見せてくれました。


無人の牧場

畑は真っ白、牧場は無人、名前は「nullさん」だとさ。なんとまあ…。

最近、有料アイテム制度を追加しているようですが、こんな状態のまま金取るの?無神経すぎる。

編集者:すずき(2009/11/12 22:03)

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