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2009年1月30日

ソフトウェアRAIDのディスク交換

RAID-5, 6あるいは1などでディスクが壊れた際の交換方法を紹介します。

ディスクが壊れた
# df
Filesystem           1K-blocks      Used Available Use% Mounted on
/dev/sda1             62498888   1879716  60619172   4% /
/dev/md0                521580    521580         0 100% /mnt/md0

# mdadm --detail /dev/md0
/dev/md0:
        Version : 00.90.03
  Creation Time : Sat Jan 31 16:05:28 2009
     Raid Level : raid5
     Array Size : 521600 (509.46 MiB 534.12 MB)
    Device Size : 104320 (101.89 MiB 106.82 MB)
(... 略 ...)

    Number   Major   Minor   RaidDevice State
       0       8       17        0      active sync   /dev/sdb1
       1       8       33        1      active sync   /dev/sdc1
       2       8       49        2      active sync   /dev/sdd1
       3       8       18        3      active sync   /dev/sdb2
       4       8       50        4      active sync   /dev/sdd2
       5       8       34        5      active sync   /dev/sdc2

# mdadm --fail /dev/md0 /dev/sdb1
mdadm: set /dev/sdb1 faulty in /dev/md0

# mdadm --detail /dev/md0
/dev/md0:
        Version : 00.90.03
  Creation Time : Sat Jan 31 16:15:28 2009
     Raid Level : raid5
     Array Size : 521600 (509.46 MiB 534.12 MB)
    Device Size : 104320 (101.89 MiB 106.82 MB)
(... 略 ...)

    Number   Major   Minor   RaidDevice State
       0       0        0        0      removed
       1       8       33        1      active sync   /dev/sdc1
       2       8       49        2      active sync   /dev/sdd1
       3       8       18        3      active sync   /dev/sdb2
       4       8       50        4      active sync   /dev/sdd2
       5       8       34        5      active sync   /dev/sdc2

       6       8       17        -      faulty spare   /dev/sdb1

LinuxでソフトウェアRAIDアレイをいじるにはmdadmコマンドを使います。使用中のRAIDアレイ(100MBディスク6本からなるRAID-5アレイ)で故障を発生させます。といっても実際にディスクを破壊するわけにはいきませんので、--failでシステムに故障を伝えます。故障したデバイスはfaulty spareという状態に変更されます。

次に故障したディスクを外します。

ディスクを取り除く
# mdadm --remove /dev/md0 /dev/sdb1
mdadm: hot removed /dev/sdb1

# mdadm --detail /dev/md0
/dev/md0:
        Version : 00.90.03
  Creation Time : Sat Jan 31 16:28:28 2009
     Raid Level : raid5
     Array Size : 521600 (509.46 MiB 534.12 MB)
    Device Size : 104320 (101.89 MiB 106.82 MB)
(... 略 ...)

    Number   Major   Minor   RaidDevice State
       0       0        0        0      removed
       1       8       33        1      active sync   /dev/sdc1
       2       8       49        2      active sync   /dev/sdd1
       3       8       18        3      active sync   /dev/sdb2
       4       8       50        4      active sync   /dev/sdd2
       5       8       34        5      active sync   /dev/sdc2

故障したディスク(faulty spare)を --removeに指定して、アレイから取り除きます。アレイから取り除けるのは、故障している、していないに関わらずスペアディスクのみです。活きているディスクを --removeしようとしても失敗します。

次に新たなディスクを追加します。

ディスクを追加する
# mdadm --add /dev/md0 /dev/sdb1
mdadm: added /dev/sdb1

# cat /proc/mdstat
Personalities : [linear] [raid0] [raid1] [raid10] [raid6] [raid5] [raid4] [multipath] [faulty]
md0 : active raid5 sdb1[6] sdd2[4] sdc2[5] sdb2[3] sdd1[2] sdc1[1]
      521600 blocks level 5, 64k chunk, algorithm 2 [6/5] [_UUUUU]
      [====>................]  recovery = 20.5% (22272/104320) finish=0.0min speed=22272K/sec

unused devices: <none>

# mdadm --detail /dev/md0
/dev/md0:
        Version : 00.90.03
  Creation Time : Sat Jan 31 16:58:28 2009
     Raid Level : raid5
     Array Size : 521600 (509.46 MiB 534.12 MB)
    Device Size : 104320 (101.89 MiB 106.82 MB)
(... 略 ...)

    Number   Major   Minor   RaidDevice State
       0       8       17        0      active sync   /dev/sdb1
       1       8       33        1      active sync   /dev/sdc1
       2       8       49        2      active sync   /dev/sdd1
       3       8       18        3      active sync   /dev/sdb2
       4       8       50        4      active sync   /dev/sdd2
       5       8       34        5      active sync   /dev/sdc2

新たなディスクを --addで加えることでディスクの数が6本に戻ります。するとリカバリが始まります。今まで通り --detailで見ても良いですが、/proc/mdstatにもっとわかりやすい進行表示が出ます。

素晴らしいことにRAID-5アレイを止めなくとも、上記の作業が全てできます。リカバリ処理もI/O帯域を食いつぶさないように加減しますから、ユーザは --removeしてディスク交換して --addすれば、後はシステムがよきに計らってくれるわけです。便利ですね。

編集者:すずき(2009/02/01 06:22)

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2009年1月25日

VAIOが嫌われた

SeaMonkeyでVAIO type Gのサイトを見ると100%フリーズします。一方IE7だと正常に表示されます。

SeaMonkeyがクラッシュするなら開発元にレポートを送れるけど、フリーズだとどうしようもないですね。しかもどういう条件で再現するのか試しているうちに、一切フリーズしなくなってしまいました。真相は闇の中です。

もちろん今も正常に表示されます。原因はフラッシュ周りかと思ったけど、IEは動いていたしなあ?一体なんだったんだろうか。キャッシュが壊れたのかなあ?

編集者:すずき(2009/02/08 14:55)

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2009年1月24日

アトム

最近話題の Intel Atom 330を買いました。1.60GHz駆動、デュアルコア&Hyper-Threadingで疑似4コアだそうです。HDDを外付けして静音ファイルサーバにする予定です。

静音性、値段、省スペース性から見て玄箱PROは有力な対立候補でしたが、肝心のPCI Expressスロットは箱から基盤をばらさないと使えなくて不便だし、CPUが非力(ARM9/400MHz)なので見送りました。

Atomプロセッサは単独では販売されておらず、マザーボードとセットで販売されています。価格は1万円くらいです。安いもんですね。

現時点でAtom 330を搭載する製品はIntel D945GCLF2とMSI Wind Board 330です。あとはECSからも出るとか出ないとか。どちらのボードもノースIntel 945GC、サウスICH7です。ネットワークやオーディオ周りが違うので要チェック。

ファイルサーバ

以下、ファイルサーバでやりたいことリスト。

  • e-SATAとポートマルチプライヤ
  • iSCSIターゲットかATA over Ethernetターゲット

ATA over Ethernetは以前VM上で実験して散々な結果でしたが、実機だとどうかなあ。

編集者:すずき(2009/01/25 05:29)

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2009年1月21日

ATA over Ethernet

EthernetをSANとして使う技術はSCSIプロトコルをTCP/IPでやりとりするiSCSIが有名ですが、ATAプロトコルをEthernetでやりとりする ATA over Ethernet(以降ATAoE)という技術もあります。

ATAoEの売りは複雑なTCP/IPスタックを省略することで、ATAoE対応ストレージ(ターゲットと呼ぶ)がiSCSIターゲットより安く(高速に?)できるという点です。

しかしTCP/IPを捨てたことはATAoEの欠点でもあります。特にルーティングができない…というよりEthernetにはルーティングという概念が元からありませんから、単一のセグメント内でしか使えない、という大きな欠点を抱えています。

個人向けならば別にルーティングなんざ必要ないので、ATAoEの「安さ」という点が活きると思いますが、IETFの標準にまで食い込んだiSCSIをひっくり返すのは難しそうだ…。

使ってみよう、Linuxの場合

Buffaloが個人向けの廉価なiSCSIターゲットを出していますが、ATAoEでは個人向けのターゲットは見かけません。

仕方ないのでLinux PC上でvbladeというソフトウェアを動かしてATAoEターゲットを構築します。

ATAoEターゲット(読み書きリクエストを処理する)側の設定
# aptitude install vblade
(省略)
# dd if=/dev/zero of=file bs=67108864 count=1
# vblade 1 2 eth0 ./file &
ioctl returned 0
67108864 bytes
pid 1603: e1.2, 131072 sectors

これで1-2という番号のついた64MBのATAoEターゲットがeth0のネットワークに対して公開されます。
今は実験なので適当に作った64MBのファイルをストレージ領域として使っていますが、本番では /dev/hdcなどのブロックデバイスを使います。やり方は同じです。

次にイニシエータ側を構築します。

ATAoEイニシエータ(読み書きリクエストを発行する)側の設定
# aptitude install aoetools
(省略)
# aoe-discover
# aoe-stat
      e1.2         0.067GB   eth0 up

# ls -l /dev/etherd
total 0
c-w--w----  1 root disk 152,   3 Jan 25  2009 discover
brw-rw----  1 root disk 152, 288 Jan 25 04:46 e1.2
cr--r-----  1 root disk 152,   2 Jan 25  2009 err
c-w--w----  1 root disk 152,   4 Jan 25  2009 interfaces
c-w--w----  1 root disk 152,   5 Jan 25  2009 revalidate

# fdisk /dev/etherd/e1.2
(省略)
# ls -l /dev/etherd
total 0
c-w--w----  1 root disk 152,   3 2009-01-25 13:45 discover
brw-rw----  1 root disk 152, 288 2009-01-25 04:53 e1.2
brw-rw----  1 root disk 152, 289 2009-01-25 04:53 e1.2p1
cr--r-----  1 root disk 152,   2 2009-01-25 13:45 err
c-w--w----  1 root disk 152,   4 2009-01-25 13:45 interfaces
c-w--w----  1 root disk 152,   5 2009-01-25 13:45 revalidate

まずaoe-discoverでターゲットを探し、デバイスファイルを作ります。すると /dev/etherdにe1.2というブロックデバイスが見えるはずです。この数字はターゲットを作ったときにつけた数字です。数字は適当で良いですが、他とかぶらないようにしましょう。

このブロックデバイスにfdiskなどでパーティションを作ると、e1.2p1のようにpと数字がついたデバイスが追加されるはずです。あとは通常のディスクを扱うようにmkfsをして、mountします。

Windowsの場合

Windowsをイニシエータにするには WinAoE というGPLのドライバを利用します。

サイトにあるwinaoe-0.97g.zipアーカイブを展開します。そして
[コントロールパネル] - [ハードウェアの追加] - [次へ]
- [はい、ハードウェアを接続しています(Y)] - [次へ]
- [新しいハードウェアデバイスの追加](リストの一番下にある) - [次へ]
- [一覧から選択したハードウェアをインストールする(詳細)(M)] - [次へ]
- [SCSIとRAIDコントローラ] - [次へ]
- [ディスク使用(H)] - [参照(B)]
先ほど展開したディレクトリにbinというディレクトリがあるので、その中のaoe.infを指定します。
- [AoE Driver] - [次へ] - [次へ]
署名されていないドライバなので、インストール時に警告が出ます。納得できるならインストールしてください。

ATAoEイニシエータ側の設定
> aoe scan
Client NIC          Target      Server MAC         Size
 00:01:xx:xx:xx:xx  e1.2        08:00:xx:xx:xx:xx  64M

> aoe mount 00:01:xx:xx:xx:xx 1 2
mounting e1.2 from 00:13:xx:xx:xx:xx

ターゲットを認識させるにはMS-DOSプロンプトからaoe scanを実行してターゲットのMACアドレスを得た後、aoe mountにてクライアントのMACアドレスとターゲットの番号を指定してマウントします。

あとはローカルのディスクを使うときと同じなのですが、一応説明しておくと、
[コントロールパネル] - [管理ツール] - [コンピュータの管理]
- [記憶域] - [ディスクの管理] - [ディスクn](新しくできているはず)
- 右クリックして [新しいパーティション(N)] - [次へ]
- [プライマリパーティション] - [次へ]
- サイズ入力して [次へ]
- ドライブ文字を割り当てて [次へ]
- フォーマットの条件を決めて [次へ]
- [完了]

これでエクスプローラにドライブが出現するはずです。

性能はいかに

簡単にベンチマークを取ってみたところ、結果はRead、Writeともに5MB/sという悲しい結果に…。Sambaだと16MB/s位出るのになあ…。

編集者:すずき(2009/01/25 15:23)

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