public class Random extends Object implements Serializable
2 つの Random
インスタンスが同じシードで生成されている場合、それぞれに対して同じシーケンスでメソッド呼び出しを行うと、同じシーケンスで数値が生成され返されます。この特性を保証するために、Random
クラスには固有のアルゴリズムが指定されています。Java コードの絶対的な移植性の保持のために、Java の実装はここに示されている Random
クラスのアルゴリズムをすべて使用する必要があります。ただし、Random
クラスのサブクラスは、すべてのメソッドの一般規約に準拠したものであればほかのアルゴリズムも使用できます。
Random
クラスによって実装されるアルゴリズムでは、各呼び出しで擬似乱数的に生成された最大 32 ビットを提供できる protected
ユーティリティメソッドが使用されます。
多くのアプリケーションの場合、Math.random()
メソッドを使うほうが簡単です。
java.util.Random
のインスタンスはスレッドセーフです。ただし、複数のスレッドで同じ java.util.Random
インスタンスを並行して使用すると、競合が発生してパフォーマンスが低下する可能性があります。マルチスレッド設計では、代わりに ThreadLocalRandom
を使用することを検討してください。
java.util.Random
のインスタンスには安全な暗号化が施されていません。セキュリティー保護を必要とするアプリケーションで使用するために安全な暗号化の施された擬似乱数ジェネレータを取得するには、代わりに SecureRandom
を使用することを検討してください。
コンストラクタと説明 |
---|
Random()
新規乱数ジェネレータを作成します。
|
Random(long seed)
単一の
long 型のシードを使って、新しい乱数ジェネレータを作成します。 |
修飾子と型 | メソッドと説明 |
---|---|
protected int |
next(int bits)
次の擬似乱数を生成します。
|
boolean |
nextBoolean()
この乱数ジェネレータのシーケンスを使って、一様分布の
boolean 型の次の擬似乱数値を返します。 |
void |
nextBytes(byte[] bytes)
ランダムバイトを生成し、ユーザー指定のバイト配列に配置します。
|
double |
nextDouble()
この乱数ジェネレータのシーケンスを使って、
0.0 から 1.0 の範囲で一様分布の double 型の次の擬似乱数値を返します。 |
float |
nextFloat()
この乱数ジェネレータのシーケンスを使って、
0.0 から 1.0 の範囲で一様分布の float 型の次の擬似乱数値を返します。 |
double |
nextGaussian()
この乱数ジェネレータのシーケンスを使って、平均
0.0 、標準偏差 1.0 のガウス (「正規」) 分布の double 型の擬似乱数値を返します。 |
int |
nextInt()
この乱数ジェネレータのシーケンスを使って、一様分布の
int 型の次の擬似乱数値を返します。 |
int |
nextInt(int n)
この乱数ジェネレータのシーケンスを使って、0 から指定された値の範囲 (0 は含むが、その指定された値は含まない) で一様分布の
int 型の擬似乱数値を返します。 |
long |
nextLong()
この乱数ジェネレータのシーケンスを使って、一様分布の
long 型の次の擬似乱数値を返します。 |
void |
setSeed(long seed)
単一の
long 型のシードを使って、この乱数ジェネレータのシードを設定します。 |
public Random()
public Random(long seed)
long
型のシードを使って、新しい乱数ジェネレータを作成します。シードとは、擬似乱数ジェネレータの内部状態の初期値のことです。この値は next(int)
メソッドによって維持管理されます。
呼び出し new Random(seed)
は次と等価です。
Random rnd = new Random();
rnd.setSeed(seed);
seed
- 初期シードsetSeed(long)
public void setSeed(long seed)
long
型のシードを使って、この乱数ジェネレータのシードを設定します。setSeed
の一般規約では、シードとして引数 seed
を使って作成されたばかりの状態と同じになるように、この乱数ジェネレータオブジェクトの状態を変更します。Random
クラスによる setSeed
メソッドの実装では、シードを次のように原始的に更新します。
(seed ^ 0x5DEECE66DL) & ((1L << 48) - 1)
また、nextGaussian()
によって使用される haveNextNextGaussian
フラグをクリアーします。
Random
クラスによる setSeed
の実装は、指定されたシードの 48 ビットだけを使用しています。ただし一般には、オーバーライドするメソッドは、long
引数の 64 ビットすべてをシード値として使用できます。
seed
- 初期シードprotected int next(int bits)
next
の一般規約では、int
型の値を返し、引数 bits
が 1
- 32
(1 と 32 を含む) の範囲の場合は、戻り値の多くの下位ビットが (ほぼ) 独立に選択されたビット値になり、それぞれの値は (ほぼ) 均等に 0
または 1
になります。Random
クラスによる next
メソッドの実装では、シードを
(seed * 0x5DEECE66DL + 0xBL) & ((1L << 48) - 1)
に原始的に更新し、次の値を返します。
(int)(seed >>> (48 - bits))
.
これは、D. H. Lehmer によって定義された、線形合同擬似乱数ジェネレータです。詳細は Donald Knuth 著『The Art of Computer Programming, Volume 3: Seminumerical Algorithms』のセクション 3.2.1 を参照してください。bits
- ランダムビットpublic void nextBytes(byte[] bytes)
Random
クラスによる nextBytes
メソッドの実装は、次と同等です。
public void nextBytes(byte[] bytes) {
for (int i = 0; i < bytes.length; )
for (int rnd = nextInt(), n = Math.min(bytes.length - i, 4);
n-- > 0; rnd >>= 8)
bytes[i++] = (byte)rnd;
}
bytes
- 乱数バイトを格納するバイト配列NullPointerException
- バイト配列が null である場合public int nextInt()
int
型の次の擬似乱数値を返します。nextInt
の一般規約では、1 つの int
型の値が擬似乱数として生成されて返されます。232 個の可能なすべての int
値が (ほぼ) 均等な確率で生成されます。
Random
クラスによる nextInt
メソッドの実装は、次と同等です。
public int nextInt() {
return next(32);
}
int
型の次の擬似乱数値public int nextInt(int n)
int
型の擬似乱数値を返します。nextInt
の一般規約では、指定された範囲内の 1 つの int
型の値が擬似乱数として生成されて返されます。n
個の可能なすべての int
値が (ほぼ) 均等な確率で生成されます。Random
クラスによる nextInt(int n)
メソッドの実装は、次と同等です。
public int nextInt(int n) {
if (n <= 0)
throw new IllegalArgumentException("n must be positive");
if ((n & -n) == n) // i.e., n is a power of 2
return (int)((n * (long)next(31)) >> 31);
int bits, val;
do {
bits = next(31);
val = bits % n;
} while (bits - val + (n-1) < 0);
return val;
}
上記の説明で「ほぼ」という言葉を使用しているのは、next メソッドが単にほとんど無関係に選択されたビットの中立的なソースだからです。ランダムに選択されたビットの完全なソースであるとすれば、示されたアルゴリズムは指定された範囲から完全な一貫性で int
型の値を選択することになります。
このアルゴリズムは多少扱いづらい面があります。このアルゴリズムは一様でない分布になる値を拒絶します (2^31 が n で割れないことによる)。値が拒絶される確率は n によって異なります。最悪のケースは n=2^30+1 で、この場合、拒絶の確率は 1/2 になり、ループが強制終了するまでの予想される反復回数は 2 回です。
このアルゴリズムは、n が 2 の累乗であるケースを特別に処理します。このアルゴリズムは、基になる擬似乱数ジェネレータから適切な数の上位ビットを返します。特別な処理がない場合は、適切な数の下位ビットが返されます。このクラスで実装されているような線形合同擬似乱数ジェネレータは、下位ビットの値のシーケンスで周期が短いことが知られています。そのため、この特別なケースでは、n が 2 の小さな累乗である場合、このメソッドの連続した呼び出しによって返される値のシーケンスの長さが大幅に長くなります。
n
- 返される乱数の限界値。正の値でなければならない0
(これを含む) から n
(これを含まない) の範囲の一様分布の int
型の次の擬似乱数値IllegalArgumentException
- n が正でない場合public long nextLong()
long
型の次の擬似乱数値を返します。nextLong
の一般規約では、1 つの long
型の値が擬似乱数として生成されて返されます。
Random
クラスによる nextLong
メソッドの実装は、次と同等です。
public long nextLong() {
return ((long)next(32) << 32) + next(32);
}
Random
クラスは 48 ビットのみを含むシードを使用するため、このアルゴリズムは可能なすべての long
値の一部しか返しません。long
型の次の擬似乱数値public boolean nextBoolean()
boolean
型の次の擬似乱数値を返します。nextBoolean
の一般規約では、1 つの boolean
型の値が擬似乱数として生成されて返されます。値 true
と false
が (ほぼ) 均等な確率で生成されます。
Random
クラスによる nextBoolean
メソッドの実装は、次と同等です。
public boolean nextBoolean() {
return next(1) != 0;
}
boolean
型の次の擬似乱数値public float nextFloat()
0.0
から 1.0
の範囲で一様分布の float
型の次の擬似乱数値を返します。
nextFloat
の一般規約では、0.0f
から 1.0f
の範囲 (0.0f は含むが、1.0f は含まない) から (ほぼ) 均等な確率で選択された 1 つの float
値が擬似乱数として生成されて返されます。m x 2-24 という形式 (m は 224 未満の正の整数) の 224 個の可能なすべての float
値が (ほぼ) 均等な確率で生成されます。
Random
クラスによる nextFloat
メソッドの実装は、次と同等です。
public float nextFloat() {
return next(24) / ((float)(1 << 24));
}
上記の説明で「ほぼ」という言葉を使用しているのは、next メソッドが単にほとんど無関係に選択されたビットの中立的なソースだからです。ランダムに選択されたビットの完全なソースであるとすれば、示されたアルゴリズムは指定された範囲から完全な一貫性で float
型の値を選択することになります。
[以前のバージョンの Java では、結果は次のように誤って計算されました。
return next(30) / ((float)(1 << 30));
これでもある程度等しく思われますが、実際には、浮動小数点数の丸めでのバイアスのために多少のばらつきが生じるので、有効数字の下位ビットが、1 よりも 0 になることが多くなりがちでした。]0.0
から 1.0
の範囲の一様分布の float
型の次の擬似乱数値public double nextDouble()
0.0
から 1.0
の範囲で一様分布の double
型の次の擬似乱数値を返します。
nextDouble
の一般規約では、0.0d
から 1.0d
の範囲 (0.0f は含むが、1.0f は含まない) から (ほぼ) 均等な確率で選択された 1 つの double
値が擬似乱数として生成されて返されます。
Random
クラスによる nextDouble
メソッドの実装は、次と同等です。
public double nextDouble() {
return (((long)next(26) << 27) + next(27))
/ (double)(1L << 53);
}
上記の説明で「ほぼ」という言葉を使用しているのは、独立して選択されたビットのソースとして next
メソッドが偏りがないのは、近似的にのみ成立するからです。ランダムに選択されたビットの完全なソースであるとすれば、示されたアルゴリズムは指定された範囲から完全な一貫性で double
型の値を選択することになります。
[以前のバージョンの Java では、結果は次のように誤って計算されました。
return (((long)next(27) << 27) + next(27))
/ (double)(1L << 54);
これでもある程度等しく思われますが、実際には、浮動小数点数の丸めでのバイアスのために大きなばらつきが生じるので、有効数字の下位ビットが 0 になることが 1 になることの 3 倍ありました。この程度のばらつきは実際には問題になりませんが、完全性を求めて修正を試みています。]0.0
から 1.0
の範囲の一様分布の double
型の次の擬似乱数値Math.random()
public double nextGaussian()
0.0
、標準偏差 1.0
のガウス (「正規」) 分布の double
型の擬似乱数値を返します。
nextGaussian
の一般規約では、平均 0.0
、標準偏差 1.0
のほぼ通常の正規分布から選択された 1 つの double
値が、擬似乱数として生成されて返されます。
Random
クラスによる nextGaussian
メソッドの実装は、次のスレッドセーフなバージョンと同等です。
private double nextNextGaussian;
private boolean haveNextNextGaussian = false;
public double nextGaussian() {
if (haveNextNextGaussian) {
haveNextNextGaussian = false;
return nextNextGaussian;
} else {
double v1, v2, s;
do {
v1 = 2 * nextDouble() - 1; // between -1.0 and 1.0
v2 = 2 * nextDouble() - 1; // between -1.0 and 1.0
s = v1 * v1 + v2 * v2;
} while (s >= 1 || s == 0);
double multiplier = StrictMath.sqrt(-2 * StrictMath.log(s)/s);
nextNextGaussian = v2 * multiplier;
haveNextNextGaussian = true;
return v1 * multiplier;
}
}
これは、Donald E. Knuth 著『The Art of Computer Programming』第 3 巻『Seminumerical Algorithms』のセクション 3.4.1 の C、アルゴリズム P で説明されている、G. E. P. Box、M. E. Muller、および G. Marsaglia の polar method を使用します。StrictMath.log
と StrictMath.sqrt
の 1 回ずつの呼び出しだけで 2 つの別々の値を生成することに注意してください。0.0
、標準偏差 1.0
のガウス (「正規」) 分布の double
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