Java Mission Control クライアントは、JVM に接続して Java Mission Control に含まれるツールを起動するためのメインアプリケーションです。Java Mission Control クライアントはスタンドアロンアプリケーションとして、または Eclipse プラグインとして実行できます。Java Mission Control クライアントは必ずセキュアな環境で実行してください。Java Mission Control クライアントは、セキュリティーマネージャーを含まず、それと一緒には実行されません。この章では、Java Mission Control クライアントに付属する各種ツールについて説明し、次のトピックが含まれます。
このセクションでは、標準的な Java Mission Control クライアントに含まれるプラグインについて説明します。
JVM ブラウザでは、システム上で実行されているすべての JVM インスタンスを設定および管理できます。JVM ブラウザから、フライト記録を開始したり管理コンソールを接続したりなど、さまざまなツールをアクティブ化します。各 JVM インスタンスは接続と呼ばれます。
Java Mission Control クライアントからフライト記録が開始されると、指定された期間、JVM プロセスのステータスが記録されます。その後、記録されたデータを含むファイルがフライトレコーダーによって作成されます。この記録ファイルは記録完了時に、Java Flight Recorder ツールで自動的に開かれます。
Java Flight Recorder (JFR) は、システムクラッシュなどの破局的な障害が発生した場合でも診断情報をいつでも入手できる、パフォーマンスモニタリング/プロファイリングツールです。JFR とは簡単に言えば、オンデマンドでいつでも入手できる、診断/プロファイルデータのローテーションバッファーのことです。あるイベントに至るまでの診断データを過去に遡って収集できる、一種のタイムマシンとみなすことができます。ローテーションバッファーに格納されたデータには、JVM やアプリケーションのイベントが含まれます。
Java Mission Control クライアントのフライトレコーダーでは、フライトレコーダーに準拠した JVM バージョン (つまり JDK 7 Update 4 以降) を実行しているユーザーが、JVM の記録、現在の記録設定、および実行時パラメータを、パフォーマンスデータを論理的なタスクベースのグループに集約する一連のタブ上で表示できます。これらのタブ上のデータは、さまざまな計器、グラフ、表で表示されます。各タブの最上部には範囲ナビゲータと呼ばれるスライディングウィンドウがあり、これを使って報告の範囲を拡大または縮小できます。たとえば、あるイベントグループが特定期間の周囲に集中していることがわかった場合、範囲ナビゲータを調整してそれらのイベントのみが含まれるようにすれば、それらのイベントのみの結果データがタブコンポーネント上に表示されます。
アプリケーションや JVM のリアルタイム動作を表示するには、JVM のインスタンスに接続し、Java Mission Control クライアントの管理コンソール経由でリアルタイム情報を表示します。表示可能な標準的なデータは、スレッド使用状況、CPU 使用状況、およびメモリー使用状況です。すべてのグラフは構成可能であり、独自の属性を追加したり、それぞれのラベルを再定義したりできます。管理コンソールでは、特定のイベントでトリガーするルールを作成することもできます (たとえば、CPU 使用率が 90% に達したら電子メールを送信するなど)。
JMX エージェントを使って、プラットフォーム MBean サーバーに配備されたすべての MBean にアクセスできます。これらの MBean からは、ガベージコレクション一時停止時間などの属性情報を読み取ることができます。