PARTX
Section: System Administration (8)
Updated: December 2014
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名前
partx - ディスク上のパーティションについてその存在と番号をカーネルに通知する
書式
partx [-a|-d|-P|-r|-s|-u] [-t type] [-n
M:N] [-] disk
partx [-a|-d|-P|-r|-s|-u] [-t type] partition
[disk]
説明
partx は、引き数としてデバイスやディスクイメージを渡されると、
パーティションテーブルを解析して、その内容を一覧表示しようとする。
また、partx はカーネルに指示して、あるパーティションをカーネルに登録したり、
登録から削除したりさせることもできる。
partition 引き数があるときは、disk 引き数の指定は任意である
(訳注: -a オプションでは、両方必要なこともある)。
あるパーティションを、それがディスク全体であるかのようにスキャンさせたいときは
(たとえば、パーティションの中にサブパーティションが入れ子になっていて、そのリストを表示したいときは)、
引き数に "-" (hyphen-minus) を使用すればよい。例を挙げよう。
-
- partx --show - /dev/sda3
-
こうすると、sda3 を 1
個のパーティションとしてではなく、ひとつの完全なディスクとして見ることになる。
partx は、fdisk プログラムの 1 種ではない。だから、partx
でパーティションを登録したり、削除したりしても、ディスクが変更されるわけではない。
ディスク上のパーティションについて、その存在と番号をカーネルに知らせているだけなのである。
オプション
- -a, --add
-
指定されたパーティションを登録する。
あるいは、ディスクを読んで、すべてのパーティションを登録する。
- -b, --bytes
-
出力項目 (column) SIZE を、人間が読みやすい形ではなく、バイト単位で表示する。
- -d, --delete
-
指定されたパーティション、またはすべてのパーティションを登録から削除する。
存在しないパーティションを消すのは、間違った使い方ではない。従って、このオプションは、
現在デバイス上にいくつパーティションがあるかを気にすることなく、
広い範囲を指定する --nr オプションと一緒に使うことができる。
- -g, --noheadings
-
--show や --raw オプションを使用したとき、ヘッダ行を表示しない。
- -l, --list
-
パーティションのリストを表示する。すべての数値は、512-byte
セクター単位の表示であることに注意していただきたい
(訳注: もちろん、SIZE は除く)。この出力フォーマットは非推奨であり、--show
を使った方がよい。これからスクリプトを書くのなら、このオプショを使うべきではない。
- -n, --nr M:N
-
パーティションの範囲を指定する。後方互換のために、M-N
という書き方も使用できる。範囲にはマイナスの数値が含まれていてもよく、たとえば
--nr -1:-1 は、最後のパーティションのことであり、--nr -2:-1
は、最後の二つのパーティションのことである。範囲の指定には、次のような表現が使える。
-
- M
-
パーティションを 1 個だけ指定する (例 --nr 3)。
- M:
-
範囲の下限のみを指定する (例 --nr 2:)。
- :N
-
範囲の上限のみを指定する (例 --nr :4)。
- M:N
-
範囲の下限と上限を指定する (例 --nr 2:4)。
- -o, --output list
-
--show, --pairs, --raw の出力でどんな出力項目 (columns)
を使うかを指定する。何をどんな順番で出力するかを全く指定しない場合は、
デフォルトの配列が使用される。指定できる項目すべてのリストを知るには、--help
オプションを使用すればよい。このオプションは、
--add, --delete, --update, --list
といったオプションと組み合わせて使うことはできない。
(訳注: このオプションの引き数 list は、出力項目をコンマで区切ったリストである。
また、+list という書式で、デフォルトの出力に項目を追加することもできる。)
- --output-all
-
引き数として渡されたデバイスやパーティションについて、使用できるすべての項目
(columns) を出力する。
- -P, --pairs
-
KEY="value" というフォーマットでパーティションのリストを表示する。
- -r, --raw
-
「生の」出力フォーマットでパーティションのリストを表示する。
-
- [訳注]
-
「生の」出力フォーマット (the raw output format)
というのは、未加工の出力フォーマット、すなわち、最小限の整形しかしないフォーマットのこと。
ちなみに、こうした raw の反対語は cooked である (そんなオプションはないけれど)。
- -s, --show
-
パーティションのリストを表示する。出力する項目は、--output
オプションを使って選択したり、並べ替えたりすることができる。
(SIZE 以外の) すべての数値は、512-byte セクタ単位の表記である。
- -t, --type type
-
パーティションテーブルのタイプを指定する。
- --list-types
-
サポートしているパーティションテーブルのタイプを一覧表示して、終了する。
- -u, --update
-
指定されたパーティションを更新 (update) する。
- -S, --sector-size size
-
デフォルトのセクタサイズを上書きする。
- -v, --verbose
-
饒舌モード
- -V, --version
-
バージョン情報を表示して終了する。
- -h, --help
-
ヘルプテキストを表示して終了する。
用例
partx --show /dev/sdb3
partx --show --nr 3 /dev/sdb
partx --show /dev/sdb3 /dev/sdb
-
この三つのコマンドは、どれも /dev/sdb の 3 番目のパーティションの情報を表示する。
partx --show - /dev/sdb3
-
/dev/sdb3 というパーティションにあるすべてのサブパーティションの情報を表示する
(/dev/sdb3 というデバイスをひとつの完全なディクスと見なす)。
partx -o START -g --nr 5 /dev/sdb
-
/dev/sdb の 5 番目のパーティションの開始セクタを、ヘッダを付けずに表示する。
partx -o SECTORS,SIZE /dev/sda5 /dev/sda
-
/dev/sda の 5
番目のパーティションの大きさを、セクタ数と人間に読みやすいサイズ表記で表示する。
partx --add --nr 3:5 /dev/sdd
-
/dev/sdd の 3 番目から 5 番目までの (両者を含む)
パーティションの内、利用できるのものすべてをカーネルに登録する。
partx -d --nr -1 /dev/sdd
-
/dev/sdd の最後のパーティションをカーネルの登録から外す。
関連項目
addpart(8), delpart(8), fdisk(8), parted(8), partprobe(8)
作者
Davidlohr Bueso <dave@gnu.org>
Karel Zak <kzak@redhat.com>
最初のバージョンを書いたのは、Andries E. Brouwer <aeb@cwi.nl> だった。
環境変数
- LIBBLKID_DEBUG=all
-
libblkid デバッグ出力を有効にする。
入手方法
この partx コマンドは、util-linux パッケージの一部であり、Linux Kernel Archive
<https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux/>
から入手できる。
Index
- 名前
-
- 書式
-
- 説明
-
- オプション
-
- 用例
-
- 関連項目
-
- 作者
-
- 環境変数
-
- 入手方法
-
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