QTOOL
Section: Maintenance Commands (8)
Updated: $Date: 2000/12/15 19:50:41 $
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名前
qtool
- sendmail のキューを操作する
書式
qtool.pl
[options]
target_directory source [source ...]
qtool.pl [-d|-b]
[options]
source [source ...]
説明
qtool
は sendmail が使用するキューファイルをキューディレクトリ間で移動する。
sendmail と同じロック機構を使うので、
sendmail が稼働している間も安全に使用できる。
オプションが指定されていない場合、
qtool
は source で指定された全てのキューファイルを
ディレクトリ target_directory に移動する。
source は、キュー制御ファイル・キューファイルの ID・
キューディレクトリのどれでもよい。
-d オプションが指定された場合、qtool は source で指定されたメッセージを
移動ではなく削除する。
-b オプションが指定された場合、選択されたメッセージは
-OTimeout.queuereturn=now オプションをつけた sendmail を実行することにより
バウンスされる (送信者に送り返される)。
オプション
- -b
-
source で指定された全てのメッセージをバウンスする。
メッセージはすぐにバウンスされる。
メッセージの配送を試みない。
- -C configfile
-
sendmail の設定ファイルを指定する。
デフォルトは /etc/mail/sendmail.cf である。
- -d
-
source で指定された全てのメッセージを削除する。
- -e perl_expression
-
source で指定されたキューファイルについて、
perl_expression を評価する。
perl_expression が真と評価された場合、そのキューファイルは移動される。
perl_expression の詳細については、下記を参照すること。
- -s seconds
-
source で指定されたキューファイルのうち
修正時刻が seconds 秒より前のものだけを移動する。
Perl 表現
このプログラムでは Perl 表現を使うことができる。
Perl 表現の中では、キューに入れられたメッセージのデータだけでなく、
制御ファイルのフィールドの内容を含むハッシュにもアクセスできる。
ハッシュは %msg という名前である。
フィールドに複数の値がある ('Recipient' のような) 場合、
値は配列として返される。
値が 1 つの場合、値はスカラーで返される。
ハッシュ %msg を使って、以下の値にアクセスすることができる。
- auth
-
AUTH= パラメータ。
- body_type
-
ボディタイプ (8BITMIME, 7BIT, または未定義)。
- body_last_mod_time
-
ボディが最後に修正された時刻。紀元年 (epoch) から秒数で表す。
- body_size
-
ボディファイルのサイズ (バイト単位)。
- charset
-
文字セット (将来使用するためにある)。
- content-length
-
Content-Length: ヘッダー値 (Solaris の sendmail のみ)。
- controlling_user
-
制御しているユーザー。
- control_last_mod_time
-
制御ファイルが最後に修正された時刻。紀元年 (epoch) から秒数で表す。
- control_size
-
制御ファイルのサイズ (バイト単位)。
- creation_time
-
制御ファイルが生成された時刻。
- data_file_name
-
データファイル名 (使わない方が良い)。
- envid
-
ESMTP で送られてきたオリジナルのエンベロープの ID。
- error_recipient
-
エラーの場合の受信者 (使わない方が良い)。
- flags
-
以下の値を持つことできる文字配列。
-
- w
-
警告メッセージが送信された。
- r
-
エラー応答、または DSN。
- 8
-
ボディに 8 ビットのデータがある。
- b
-
Bcc: ヘッダーを削除する。
- d
-
エンベロープに DSN RET= パラメータがある。
- n
-
ボディを返さない。
- headers
-
これは Perl のハッシュで、rfc822 フィールド名をキー、
rfc822 フィールド値を値にしている。
フィールドに 1 つしか値がない場合、値は文字列として返される。
('Received' のように) フィールドに 2 つ以上の値がある場合、
値は文字列のリストとして返される。
- inode_number
-
データ (ボディ) ファイルの i ノード番号。
- next_delivery_time
-
次の配送が試みられる最も早い時刻。
- num_delivery_attempts
-
配送を試みた回数。
- macro
-
定義されたマクロ。
- message
-
エンベロープ状態のメッセージ。
- original_recipient
-
本来の受信者 (ORCPT= パラメータ)。
- priority
-
変更されたメッセージの優先度。
- recipient
-
コロンと受信者名が後に続く文字フラグの配列。フラグを以下に示す。
-
- N
-
NOTIFY= パラメータがある。
- S
-
要求した DSN が成功した。
- F
-
要求した DSN が失敗した。
- D
-
要求した DSN が遅れている。
- P
-
(alias または forward で展開される前の) 元々のアドレス。
- sender
-
送信者。
- version
-
制御ファイルのバージョン。
例
- qtool.pl q2 q1
-
キューディレクトリ q1 にあるキューファイルを
キューディレクトリ q2 に移動する。
- qtool.pl q2 q1/d6CLQh100847
-
キューディレクトリ q1 にある ID が d6CLQh100847 のメッセージを
キューディレクトリ q2 に移動する。
- qtool.pl q2 q1/qfd6CLQh100847
-
キューディレクトリ q1 にある ID が d6CLQh100847 のメッセージを
キューディレクトリ q2 に移動する。
- qtool.pl -e '$msg{num_delivery_attempts} == 3' /q2 /q1
-
今までに 3 回配送が試みられた全てのキューファイルを
キューディレクトリ q1 から q2 に移動する。
バグ
sendmail 8.12 では、メッセージの qf ファイルと df ファイルを
別々のキューに格納することができる。
この場合、qtool には df ファイルのパス名ではなく、
qf ファイルのパス名を指定しなければならない。
安全のため、絶対に qtool に df ファイルのパス名を指定してはならない。
関連項目
sendmail(8)
履歴
qtool
コマンドは
sendmail 8.10
で登場した。
Index
- 名前
-
- 書式
-
- 説明
-
- オプション
-
- Perl 表現
-
- 例
-
- バグ
-
- 関連項目
-
- 履歴
-
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