PTHREAD_ATTR_SETSCOPE
Section: Linux Programmer's Manual (3)
Updated: 2017-09-15
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名前
pthread_attr_setscope, pthread_attr_getscope -
スレッド属性オブジェクトの contention scope 属性の設定/取得を行う
書式
#include <pthread.h>
int pthread_attr_setscope(pthread_attr_t *attr, int scope);
int pthread_attr_getscope(const pthread_attr_t *attr, int *scope);
-pthread でコンパイルしてリンクする。
説明
pthread_attr_setscope() 関数は、 attr が参照するスレッド属性オブジェクトの contention scope
属性を scope で指定された値に設定する。 contention scope 属性により、スレッドが CPU
などのリソースを取り合うスレッド集合が規定される。 POSIX.1 では scope に指定する値として 2 つの値が規定されている。
- PTHREAD_SCOPE_SYSTEM
-
スレッドは、同じスケジューリング割り当てドメイン (一つ以上のプロセッサ
のグループ) にある、システム上の全てのプロセスの自分以外の全ての
スレッドとリソースを取り合う。
PTHREAD_SCOPE_SYSTEM のスレッドは、スケジューリングポリシーと
優先度に基づき、互いに相対的にスケジューリングされる。
- PTHREAD_SCOPE_PROCESS
-
スレッドは、contention scope が PTHREAD_SCOPE_PROCESS で作成された
同じプロセスの自分以外の全てのスレッドとリソースを取り合う。
PTHREAD_SCOPE_PROCESS のスレッドは、スケジューリングポリシーと優先度
に基づき、同じプロセスの他のスレッドと相対的にスケジューリングされる。
POSIX.1 では、これらのスレッドがシステム上の他のプロセスのスレッド
や同じプロセス内の contention scope が PTHREAD_SCOPE_SYSTEM で作成
された他のスレッドとどのようにリソースを取り合うかは、
規定されないままになっている。
POSIX.1 で求められているのは、スレッド実装がこれらの contention scope のうち少なくとも 1 つをサポートすることだけである。
Linux は PTHREAD_SCOPE_SYSTEM をサポートしているが、 PTHREAD_SCOPE_PROCESS
はサポートしていない。
複数の contention scope をサポートしているシステムで、 pthread_create(3) を呼び出した際に
pthread_attr_setscope() で行ったパラメーター設定を有効にするには、 呼び出し側で
pthread_attr_setinheritsched(3) を使って 属性オブジェクト attr の inherit-scheduler
属性を PTHREAD_EXPLICIT_SCHED に設定しておかなければならない。
pthread_attr_getscope() は、
スレッド属性オブジェクト attr の contention scope 属性を
scope が指すバッファーに入れて返す。
返り値
成功すると、これらの関数は 0 を返す。
エラーの場合、0 以外のエラー番号を返す。
エラー
pthread_attr_setscope() は以下のエラーで失敗する場合がある。
- EINVAL
-
scope に無効な値が指定された。
- ENOTSUP
-
scope に値 PTHREAD_SCOPE_PROCESS が指定された。
この値は Linux でサポートされていない。
属性
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
インターフェース | 属性 | 値
|
pthread_attr_setscope(),
pthread_attr_getscope()
| Thread safety | MT-Safe
|
準拠
POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.
注意
PTHREAD_SCOPE_SYSTEM contention scope では、通常は、一つの
ユーザー空間スレッドは一つのカーネルスケジューリングエンティティに
直接結び付けられる。
Linux では、廃止予定の LinuxThreads 実装も新しい NPTL 実装もこれに
該当し、両方とも 1:1 で結び付けられるスレッド実装となっている。
POSIX.1 では、 contention scope 属性のデフォルト値は実装時で定義されるものと規定されている。
関連項目
pthread_attr_init(3), pthread_attr_setaffinity_np(3),
pthread_attr_setinheritsched(3), pthread_attr_setschedparam(3),
pthread_attr_setschedpolicy(3), pthread_create(3), pthreads(7)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
Index
- 名前
-
- 書式
-
- 説明
-
- 返り値
-
- エラー
-
- 属性
-
- 準拠
-
- 注意
-
- 関連項目
-
- この文書について
-
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