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RCSFILE

Section: File Formats (5)
Updated: 2001/07/22
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名称

rcsfile - RCS ファイルの書式  

解説

RCS ファイルの内容は以下の文法に基づき記述されます。

テキストはフリーフォーマットであり、 文字列中のスペース、バックスペース、 タブ、改行、垂直タブ、改頁、復帰 (まとめて 空白 と呼びます) は意味を持ちません。 例外として、id, num, sym 内では空白があってはならず、 RCS ファイルは改行で終わらなければなりません。

文字列は @ で括られます。文字列が @ 自身を含む場合、2 重化されなければならず、それ以外は任意の バイナリデータを含むことができます。

以下、簡便のためにメタ文法を用います。 `|' (縦棒) は選言を分けます。 `{' と `}' は省略可能な句を括ります。 `{' と `}*' は 0 回以上繰り返される句を括ります。 `{' と `}+' は 1 回以上繰り返される句を括ります。 終端記号は 太字 で、非終端記号は 斜体 で表記します。

rcstext     ::=  admin {delta}* desc {deltatext}*

admin       ::=  head         {num};
                 { branch     {num}; }
                 access       {id}*;
                 symbols      {sym : num}*;
                 locks        {id : num}*;  {strict  ;}
                 { comment    {string}; }
                 { expand     {string}; }
                 { newphrase }*

delta       ::=  num
                 date         num;
                 author       id;
                 state        {id};
                 branches     {num}*;
                 next         {num};
                 { newphrase }*

desc        ::=  desc         string

deltatext   ::=  num
                 log          string
                 { newphrase }*
                 text         string

num         ::=  {digit | .}+

digit       ::=  0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9

id          ::=  {num} idchar {idchar | num}*

sym         ::=  {digit}* idchar {idchar | digit}*

idchar      ::=  special を除く任意の可視文字 (visible graphic character)

special     ::=  $ | , | . | : | ; | @

string      ::=  @{任意の文字、ただし @ は 2 重化される}*@

newphrase   ::=  id word* ;

word        ::=  id | num | string | :

識別子は大文字小文字を区別します。 キーワードは小文字のみです。 キーワードと識別子の集合は重複可能です。 ほとんどの環境では、RCSISO 8859/1 エンコーディングを用います。 このコードでは、可視文字のコードが 041-176 と 240-377 で、 空白文字のコードが 010-015 と 040 です。

date キーワードの後に現れる日時は Y.mm.dd.hh.mm.ss という書式で、それぞれ Y が年を、 mm が月 (01-12) を、 dd が日 (01-31) を、 hh が時 (00-23) を、 mm が分 (00-59) を、 ss が秒 (00-60) を表します。 Y は 1900 年から 1999 年までは年の最後の 2 桁で表し、それ以降は 年のすべての桁で表します。 日付はグレゴリオ暦を用い、時刻は UTC (協定世界時) で表します。

文法中の newphraseRCS ファイル書式の今後の拡張のために予約されています。 すでに使われているキーワードでは newphrase は始まりません。

複数の delta ノードが集まって、木を形成します。 単一の組からなる番号のノード (例えば 2.3, 2.1, 1.3 など) は すべて幹 (trunk) であり、降順で next フィールドを通してリンクされています。 admin ノードの head フィールドは、このシーケンスの先頭 (head; すなわち最高位の組) を示します。 admin ノードの branch ノードは、 ほとんどの RCS 操作が利用するデフォルトの枝 (もしくはリビジョン) を示します。 もしこれが存在しなければ、幹の最高位の枝が用いられます。

2n 個 (n≥2) のフィールドからなる番号を持つ全 delta ノード (例えば 3.1.1.1, 2.1.2.2 など) は、次のようにリンクされます。 すなわち、先頭の 2n-1 個のフィールドの番号が等しい全ノードは、昇順で next フィールドを通してリンクされます。 シーケンス中の delta ノードの番号の先頭 2n-2 個分と等しい番号を持つ delta ノードは、そのシーケンスの分岐点と呼ばれます。 ノードの branches フィールドは、 そのノードが分岐点となっている全シーケンスに対し、 最初のノード番号のリストを保持しています。 このリストは昇順で並べられています。

以下の図は RCS ファイルの構成の例を示しています。







                           Head
                             |
                             |
                             v                        / \
                         ---------                   /   \
   / \          / \      |       |      / \         /     \
  /   \        /   \     |  2.1  |     /   \       /       \
 /     \      /     \    |       |    /     \     /         \
/1.2.1.3\    /1.3.1.1\   |       |   /1.2.2.2\   /1.2.2.1.1.1\
---------    ---------   ---------   ---------   -------------
    ^            ^           |           ^             ^
    |            |           |           |             |
    |            |           v           |             |
   / \           |       ---------      / \            |
  /   \          |       \  1.3  /     /   \           |
 /     \         ---------\     /     /     \-----------
/1.2.1.1\                  \   /     /1.2.2.1\
---------                   \ /      ---------
    ^                        |           ^
    |                        |           |
    |                        v           |
    |                    ---------       |
    |                    \  1.2  /       |
    ----------------------\     /---------
                           \   /
                            \ /
                             |
                             |
                             v
                         ---------
                         \  1.1  /
                          \     /
                           \   /
                            \ /




 

作者

Author: Walter F. Tichy, Purdue University, West Lafayette, IN, 47907.
Manual Page Revision: 1.5.2.1; Release Date: 2001/07/22.
Copyright © 1982, 1988, 1989 Walter F. Tichy.
Copyright © 1990, 1991, 1992, 1993, 1994, 1995 Paul Eggert.  

関連項目

rcsintro(1), ci(1), co(1), ident(1), rcs(1), rcsclean(1), rcsdiff(1), rcsmerge(1), rlog(1)
Walter F. Tichy, RCS--A System for Version Control, Software--Practice & Experience 15, 7 (July 1985), 637-654.


 

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