注:この Java Plug-in ガイドでは、Java SE 6 update 10 リリースより前にリリースされた機能について説明します。最新情報については、Java Rich Internet Application の開発および配備を参照してください。
このセクションでは、次のトピックについて説明します。
ここでは、Java Media Framework (JMF) の単一の JAR ファイルを Java 拡張機能として配備する場合の、実際に動作する完全な例を示します。この例では、SimplePlayerApplet.java
と jmf.jar
を使って .avi
メディアファイルを再生します。この例では、raw インストール方法を使って s_my_jmf.jar
というファイルをインストールします。これは、jmf.jar
を再パッケージ化して署名したものです。通常、ほかの JAR ファイルも JMF とともにインストールされますが、SimplePlayerApplet.java
に必要なのは jmf.jar
の機能だけです。
簡単にするために、この例では次のように仮定しています。
C:\"Program Files"\Java\jdk1.6.0
に 1.6 JDK がインストールされているC:\plugin\keystores
ディレクトリに設定されているkeystore
名は thawte.p12
であるstorepass
と keypass
が等しい"New Technology Company's Thawte Consulting cc ID"
この場合、インストーラはありません。必要な JAR ファイル jmf.jar
をダウンロードし、<jre_location>/lib/ext
にコピーするだけで済みます。Plug-in と JRE の拡張機能メカニズムの連携によって、インストール処理 (ファイルのダウンロードとコピー) が行われます。
クロスプラットフォームインストール用の zip ファイル jmf-2_1_1e-alljava.zip
を Java Media Framework API
からダウンロードすることによって jmf.jar
を取得できます。jmf.jar
は、ほかの JAR ファイルとともにこの zip ファイルに含まれているので、そこから抽出できます。
jmf.jar
を取得できたら、jmf.jar
自体を C:\plugin\extensions\workspace1
などのディレクトリに抽出します。ここで、manifest.mf
ファイルには不要な署名情報が含まれているので、META-INF
ディレクトリが存在する場合はこのディレクトリを削除します。
次に、jmf.jar
に基づいて新しい JAR ファイルを作成し、独自のマニフェストファイルを作成します。作成したマニフェストファイルに jmf_manifest という名前を付けます。このファイルを、jar
ツールへの入力として指定します。この例で使用されている内容は次のとおりです。
Extension-Name: javax.media.s_my_jmf
Specification-Vendor: Sun Microsystems, Inc
Specification-Version: 2.1
Implementation-Vendor-Id: com.sun
Implementation-Vendor: Sun Microsystems, Inc
Implementation-Version: 2.1.1
まず、jmf.jar
に含まれていたファイルを新しい JAR ファイルにまとめ、my_jmf.jar
という名前を付けます。このファイルに署名し、それに s_my_jmf.jar
という名前を付けます。
workspace1
にあるファイルと新しいマニフェストファイル jmf_manifest
を JAR ファイルにまとめるために、cd
を使用して workspace1
ディレクトリに移動し、JDK の jar
ツールを次のように使用します。
C:\plugin\extensions\workspace1>C:\"Program Files"\Java\jdk1.6.0\bin\jar cmf jmf_manifest my_jmf.jar *.class codecLib com javax jmapps
codecLib
、com
、javax
、および jmapps
は、as *.class
と同様に JAR ファイルにまとめる必要があるサブディレクトリです。
thawte.p12
という Thawte キーストアが C:\plugin\keystores
にあり、storepass
と keypass
の両方のパスワードが同じであり、storetype
が "pkcs12"
、キーストア別名が"Sun Microsystems Inc.'s Thawte Consulting cc ID"
の場合、次のステップをスキップして、my_jmf.jar
の署名に進み、署名付き JAR ファイル s_my_jmf.jar
を作成できます。
次のコマンドを実行することによって、storepass
と keypass
の両方について同じパスワードを持つ thawte.p12
というキーストアを作成でき、キーストア別名は "New Technology Company's Thawte Consulting cc ID"
です。
C:\plugin\keystores>C:\"Program Files"\Java\jdk1.6.0\bin\keytool -genkey -alias "Sun Microsystems Inc.'s Thawte Consulting cc ID" -keypass password -keystore thawte.p12 -storetype pkcs12 -storepass password
この例では、jarsigner
ツールを使って新しい JAR ファイルに署名します。使用
C:\plugin\extensions\workspace1>C:\"Program Files"\Java\jdk1.6.0\bin\jarsigner -keystore C:\plugin\keystores\thawte.p12 -storepass password -keypass password -storetype "pkcs12" -signedjar s_my_jmf.jar my_jmf.jar "New Technology Company's Thawte Consulting cc ID"
この新しい署名付き JAR ファイルを次のように検証できます。
C:\plugin\extensions\workspace1>C:\"Program Files"\Java\jdk1.6.0\bin\jarsigner -verify s_my_jmf.jar
これで、raw インストール用の正しい manifest.mf
ファイルを持つ署名付き JAR ファイルが完成しました。
次に、アプレットの JAR ファイルを作成する必要があります。
このアプレットは単一のファイル SimplePlayerApplet.class
で構成されており、メディアファイルの再生に使用されます。アプレットのソースコードを見るには、ここをクリックしてください。ここでは、アプレットのマニフェストファイルを作成して applet_manifest
という名前を付け、アプレットとマニフェストを JAR ファイルにまとめてから、それに署名します。
アプレット applet_manifest
は、次のとおりです。
Extension-List: s_my_jmf s_my_jmf-Extension-Name: javax.media.s_my_jmf s_my_jmf-Specification-Version: 2.1 s_my_jmf-Implementation-Version: 2.1.1 s_my_jmf-Implementation-Vendor-Id: com.sun s_my_jmf-Implementation-URL: http://java.sun.com/products/plugin/extensions/examples/jmf/s_my_jmf.jar
上記のマニフェストは、拡張機能 JAR ファイル s_my_jmf.jar
が java.sun.com
Web サーバー (http://java.sun.com/products/plugin/extensions/examples/jmf
) からダウンロードできることを示しています。
SimplePlayerApplet.class
と applet_manifest
が C:\plugin\extensions\workspace2
にある場合、次のコマンドを使用してアプレットとマニフェストを JAR ファイルにまとめることができます。
C:\plugin\extensions\workspace2>C:\"Program Files"\Java\jdk1.6.0\bin\jar cmf applet_manifest my_SimplePlayerApplet.jar *.class
ここでも、jarsigner
を使用して JAR ファイルに署名します。
C:\plugin\extensions\workspace2>C:\"Program Files"\Java\jdk1.6.0\bin\jarsigner -keystore C:\plugin\keystores\thawte.p12 -storepass password -keypass password -storetype "pkcs12" -signedjar s_my_SimplePlayerApplet.jar my_SimplePlayerApplet.jar "Sun Microsystems Inc.'s Thawte Consulting cc ID"
このファイルを次のように検証します。
C:\plugin\extensions\workspace2>C:\"Program Files"\Java\jdk1.6.0\bin\jarsigner -verify s_my_SimplePlayerApplet.jar
これで、署名付きのアプレット JAR ファイル s_my_SimplePlayerApplet.jar
が完成しました。そのマニフェストに含まれている情報によって、必要な拡張機能 JAR ファイル s_my_jmf.jar
が <jre_location>/lib/ext
に存在しないか古いバージョンである場合は、インストールがトリガーされます。
次に、アプレットの HTML を作成する必要があります。
いくつかの方法を選択できます。このページにアクセスするユーザーのシステムに Java Plug-in バージョン 1.3.1_01 以降がインストールされていることを前提として、従来の APPLET
タグを使用できます。(従来の APPLET タグでアプレットを起動するには、1.3.1_01 以降の Java Plug-in が必要です。) JDK の bin
ディレクトリにある HTML コンバータ (<sdk_location>/bin/HtmlConverter.exe
) を使用して、アプレットをさまざまな形式に変換することもできます。ここでは、次に示す従来のアプレット形式を使用します。
SimplePlayerApplet-1.html
<html>
<head>
<title>SimplePlayerApplet</title>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=iso-8859-1">
</head>
<body bgcolor="#FFFFFF" text="#000000">
<applet code="SimplePlayerApplet.class" archive="s_my_SimplePlayerApplet.jar" width=320 height=300>
<param name="file" value="0720crt1.avi">
</applet>
</body>
</html>
メディアファイルは 0720crt1.avi
です。
この例では、java.sun.com
Web サーバー (http://java.sun.com/products/plugin/extensions/examples/jmf
) に、次のファイルが置かれています。
0720crt1.avi
s_my_jmf.jar
s_mySiplePlayerApplet.jar
SimplePlayerApplet-1.html
次のリンクをクリックすることによって、設定をテストできます。
ブラウザに URL を指定すると、まずアプレット JAR ファイルがダウンロードされ、キャッシュされます。拡張機能がインストールされていない場合は、次の「Java Request Download」ダイアログが表示されます。「The applet requires installation of optional package. Do you want to continue?」。続行またはキャンセルするオプションがあります。「OK」ボタンを押してインストールを続行する場合は、拡張機能 JAR ファイルの「セキュリティー警告」ダイアログが表示されます。「実行」ボタンを押すことで、パッケージのインストールを続行できます。拡張機能が <jre_location>/lib/ext
にインストールされ、アプレットが実行されます。