注:この Java Plug-in ガイドでは、Java SE 6 update 10 リリースより前にリリースされた機能について説明します。最新情報については、Java Rich Internet Application の開発および配備を参照してください。
このセクションでは、次のトピックについて説明します。
このドキュメントの目的は、アプレットのデバッグを簡略化することです。ここでは、Java Plug-in でアプレットを開発する上で役立つ技術や提案を提供します。また、アプレット開発で発生しがちなエラーについても説明します。
アプレットは、Java デバッガユーティリティー jdb を使用してデバッグするようにしてください。 javac で .java ファイルをコンパイルするとき、必ず -g オプションを付けることも必要です。アプレットのデバッグを開始するには、次の操作を実行します。
「Java コントロールパネル」を開きます。「Java」>「表示」をクリックします。Java ランタイムパラメータで、次のパラメータを指定します。次に示すように、各パラメータをコンマで区切ります。
-agentlib:jdwp=transport=dt_shmem,address=jdbconn,server=y,suspend=n
デバッグに使用可能な実行時パラメータの詳細は、「JPDA の接続および呼び出し」を参照してください。
Internet Explorer または Mozilla ブラウザを起動して、デバッグ対象のアプレットを含むページをロードします。アプレットコードが、javac
の -g
オプションを付けてコンパイルされていることを確認してください。
DOS コマンドプロンプトで、コマンド jdb -attach <address>
を実行します。<address>
には、この手順で言及した名前を指定してください。たとえば、<address>
が jdbconn
の場合、実行するコマンドは次のようになります。
jdb -attach jdbconn
Java デバッガ (jdb) の詳細は、「Java デバッガ」を参照してください。
jdb
から VM への接続が確立されると、アプレット内にブレークポイントを設定できます。
ブラウザ内のアプレットがブレークポイントに達すると、実行は停止し、デバッガは待機状態に入ります。ユーザーが入力するまでデバッグは再開されません。
Java Plug-in でアプレットのデバッグを行う場合、一度に 1 つの接続アドレスを使用してデバッグを行うのは、ブラウザの 1 つのインスタンスだけであることを確認してください。このようにしない場合、ブラウザの各インスタンスの Java Runtime が接続アドレスへの排他的なアクセスを試みるため、競合が発生します。Internet Explorer とサポートされている Mozilla ブラウザの両方でアプレットをデバッグする場合、Java Plug-in とともに Internet Explorer またはサポートされている Mozilla ブラウザのどちらかを実行するようにします。ただし、一度に両方を実行しないでください。
Active Desktop 環境で Java Plug-in のアプレットをデバッグすることは推奨されていません。これは、ユーザーセッションの期間中、Internet Explorer のインスタンスが常にデスクトッププロセスで実行されているためです。
jdb の代わりに、Borland 社の JBuilder や Symantec 社の VisualCafe など、IDE からほかのデバッガを使用できます。これらのデバッガを使用するには、これらの IDE のプロジェクトオプションを変更し、同じマシンまたはリモートマシンのブラウザプロセス内に Java Plug-in を追加する必要があります。Java コントロールパネルに、別の Java 実行時のパラメータを設定することが必要な場合もあります。詳細は、Java デバッガまたは IDE マニュアルを参照してください。
Java コンソールは、System.out
および System.err
メッセージをすべてリダイレクトする単純なコンソールウィンドウです。コンソールウィンドウは、デフォルトで無効になっています。Java コントロールパネルまたはタスクバーで有効にできます。コンソールを有効にすると、ブラウザ内で Java Plug-in を使用する際にコンソールウィンドウが表示されます。Java コンソールの詳細は、Java コンソールのドキュメントを参照してください。
Java コンソールの詳細は、「配備ガイド」の「Java コンソール」セクションを参照してください。
Java Plug-in と Java Web Start は両方とも、トレース情報をトレースファイルに出力できます。これには JRE 自体からのログ情報と、アプリケーションから System.out
または System.err
に出力されるすべての情報が含まれます。
トレース情報にアクセスするには、次の手順に従ってください。
<JRE directory>/bin/ControlPanel
) を開きます。トレースファイルは Java 配備ホームディレクトリ内のログディレクトリに保存されます。ここは、主な構成ファイルが保持されている場所です。この場所は、オペレーティングシステムに固有です。
%APPDATA%\..\LocalLow\Sun\Java\Deployment
~/.java/deployment
ファイル名には、実行している対象によって javaws
または plugin
の接頭辞がつきます。プロセスにつき 1 つのトレースファイルが作成されますが、1 つのアプリケーションは複数のプロセスを使用して起動できます。
トレースファイルの詳細レベルを最大にするには、deployment.properties
ファイル (Java 配備ホームディレクトリにあります) を編集して次の行を追加します。
deployment.trace.level=all
デフォルトでは、最大 5 つのトレースファイルが作成されます。もっとも古いトレースファイルが自動的に削除されます。このトレースファイルの最大数の制限を変更するには、deployment.properties
ファイルに次の行を追加します。
deployment.max.output.files=<maximum number of trace files>
Java コンソールを使用して、実行中にトレースログを表示できます。デフォルトでは、Java コンソールは非表示です。これを Java コントロールパネルで有効にしてください。
Java Plug-in のトレースファイルは、すべてのデバッグ、System.out、および System.err メッセージを記録します。トレースファイルはデフォルトでは無効に設定されていますが、Java コンソールが有効になると、自動的にトレースファイルも有効になります。 トレースファイルは、デフォルトでは user.dir
内の C:\Documents and Settings\<username>\Application Data\Sun\Java\Deployment\log
に格納されます。トレースファイルの命名規則は、.plugin<version>.trace
です。<version> は、システムにインストールされている Java のバージョンです。
user.dir
ディレクトリには、さまざまなログファイルおよびトレースファイルがあります。Windows 2000 および Windows XP では、このファイルは次の場所にあります。
C:\Documents and Settings\<username>\Application Data\Sun\Java\Deployment.
Application Data フォルダとその内容は、Windows ではデフォルトで非表示になっています。
javaplugin.trace
プロパティーこのプロパティーは、Java Plug-in が実行時にトレースメッセージを出力するかどうかを制御します。これは、アプレットの開発者が Java Plug-in 内で起きていることを知るのに役立ちます。トレースを有効にするには、次の手順に従います。
java.security.debug
プロパティーこのプロパティーは、Java Runtime Environment のセキュリティーシステムが、実行時にトレースメッセージを出力するかどうかを制御します。これは、アプレット内でセキュリティー例外がスローされた場合、または署名付きアプレットが動作しない場合に有用です。サポートされるオプションは次のとおりです。
access
: checkPermission
の結果をすべて出力するjar
: jar の検証情報を出力するpolicy
: ポリシー情報を出力するscl
: SecureClassLoader
が割り当てたアクセス権を出力するaccess
には、次のオプションを指定できます。
stack
: スタックトレースを含むdomain
: コンテキスト内のすべてのドメインをダンプするfailure
: 例外をスローする前に、アクセス権を保持しないスタックおよびドメインをダンプするたとえば、checkPermission
の結果をすべて出力し、コンテキスト内のすべてのドメインをダンプするには、次の手順を実行します。
-Djava.security.debug=access:stack
と入力します。Java Plug-in の提供するドキュメントは、開発者が Java Plug-in のさまざまな機能を使用する上で役に立ちます。ドキュメント内の FAQ には、開発者がしばしば尋ねる質問が掲載されています。アプレットを開発する前に、これらのドキュメントを読んで理解しておくと、デバッグに費やす時間を大幅に節約できる場合があります。
Java Plug-in は Internet Explorer およびサポートされている Mozilla ブラウザ内で Java 2 Runtime Environment を提供するとはいえ、機能の大半は Java Plug-in ではなく、Java 2 Runtime 自体により提供されます。このため、Java Plug-in 内で問題が発生した場合、原因は Java Plug-in、Java 2 Runtime 自体、またはユーザーエラーのいずれかにあります。バグの原因がどこにあるかを識別するのは、バグの評価および修正の速度に影響するため、非常に重要です。次に、バグを特定するのに役立つ提案を示します。
appletviewer
でアプレットを実行します。Java Plug-in は主に appletviewer
から派生したものなので、appletviewer
からの問題点も継承しています。この手順は、Java Plug-in の提供する特定のブラウザ機能 (HTTPS や RSA 署名など) をアプレットが必要としない場合にだけ実行してください。appletviewer
で失敗する場合、問題はたいてい Java Plug-in にあるのではなく JRE にある可能性があります。 appletviewer
では失敗しない場合、Java Plug-in の問題かユーザーエラーのどちらかの可能性があります。アプレットのコードを表示して、実行環境に関して何らかの前提条件が存在するかどうかを確認してください。たとえば、appletviewer
では、カレントディレクトリが、appletviewer
起動時のシェル内のカレントディレクトリに設定されるのに対し、Java Plug-in のカレントディレクトリはブラウザのディレクトリに設定することが可能です。したがって、カレントディレクトリからのリソースのロードは appletviewer
では実行できますが、Java Plug-in ではできません。バグレポートを送信するときは、Java Development Connection の Bug Database に移動してください。バグレポートを送信する前に Bug Databese を検索して、同じバグがすでに報告されているかどうかを確認してください。場合によっては、回避方法が示されていることもあります。バグレポートが未提出であることを確認したら、新規バグレポートを Java Plug-in チームに送信してください。バグレポートには、次の情報を含めてください。
appletviewer
で問題が発生するかどうか機能要求を送信する場合は、「Report A Bug or Request a Feature」のページから行います。送信に際しては、次の情報が含まれていることを確認してください。