注:この Java Plug-in ガイドでは、Java SE 6 update 10 リリースより前にリリースされた機能について説明します。最新情報については、Java Rich Internet Application の開発および配備を参照してください。
このセクションでは、次のトピックについて説明します。
アプレットをキャッシュすると、再度参照する際にアプレットをダウンロードする必要がなくなります。これにより、アプレットの起動時間が短縮されます。Java Plug-in のアプレットによって使用されるすべてのファイルタイプがキャッシュされるようになりました。
アプレットキャッシングの新しい方式が提供されました。この方法では、アプレットを配布する際、アプレットを「スティッキー」にするべきかどうかを判断できます。スティッキーなアプレットは、Java Plug-in によって作成および制御され、ブラウザによって上書きされないディスクキャッシュ内に格納されます。スティッキーなアプレットがダウンロードされるのは、アプレットがサーバー上で更新された場合だけです。アプレットが更新されないかぎり、常に高速で読み込むことができます。コアビジネスアプリケーションを提供するアプレットは、起動時のパフォーマンスを改善するため、スティッキーにすることをお勧めします。
この新機能は、次に示すように、OBJECT/EMBED
タグに新しい値 cache_archive
、cache_version
、および cache_archive_ex
を含めることによって有効になります。
注:
|
cache_archive 属性には、キャッシュするファイルのリストを指定します。
<PARAM NAME="cache_archive" VALUE="a.jar,b.jar,c.jar">
APPLET タグの archive 属性と同様に、cache_archive 属性の .jar
ファイルのリストには完全な URL は含まれていませんが、常に codebase からダウンロードされます。
cache_version は、オプション属性です。使用する場合、この属性にはキャッシュするファイルバージョンのリストを含めます。
<PARAM NAME="cache_version" VALUE="1.2.0.1, 2.1.1.2, 1.1.2.7">
各バージョン番号は、xxxx.xxxx.xxxx.xxxx
の形式になります (x
は 16 進数)。各バージョン番号は、cache_archive 内の各 .jar
ファイルに対応します。
.jar
ファイルの事前ロードを許可するために、HTML パラメータ cache_archive_ex
を使用できます。このパラメータでは .jar
ファイルを事前ロードする必要があるかどうかを指定でき、オプションで .jar
ファイルのバージョンも指定できます。cache_archive_ex
の VALUE
の形式は、次のとおりです。
VALUE="<jar_file_name>;<preload(optional)>;<jar_file_version(optional)>,<jar_file_name>; <preload(optional)>;<jar_file_version(optional)>,..."
オプションの preload
および jar_file_version
タグは、jar_file_name
のあとに「;」で区切って任意の順序で置くことができます。複数のエントリは「,
」で区切ります。
これらのタグを HTML ページ内で使用する方法を次に示します。
<OBJECT .... |
上の例では、a.jar
は archive
内で指定されていますが、b.jar
、c.jar
、および d.jar
は cache_archive
内で指定されています。b.jar
、c.jar
、および d.jar
のバージョンもそれぞれ 0.0.0.1
、0.0.2A.1
、および 0.3D.22.FFFE
と指定されています。cache_archive_ex
では、applet.jar
を事前ロードするように指定されています。util.jar
も事前ロードするように指定されていますが、バージョンも指定されています。tools.jar
については、バージョンだけが指定されています。
Java Plug-in は、HTML パラメータ cache_archive
で指定されている .jar
ファイルすべてのバージョンが指定されていなければ、バージョンを比較しません。cache_archive
が cache_version
なしで使用された場合、cache_archive
で指定されている .jar
ファイルは、HTML パラメータ archive
で指定されている .jar
ファイルとまったく同じように処理されます。事前ロードとバージョンのオプションが指定されていない場合、cache_archive_ex
で指定されている .jar
ファイルも同じように処理されます。
クラスファイルとリソースは、HTML パラメータによって指定された .jar
ファイルから次の順序で検索されます。
cache_archive_ex
cache_archive
archive
デフォルトでは、cache_version 属性を指定しない場合、次の状況でアプレットキャッシュが更新されます。
ただし、状況によっては、HTTP/HTTPS 経由で Web サーバーから返される「Last-Modified」値が、実際のバージョンのアプレットを反映しない場合があります。たとえば、Web サーバーがクラッシュし、すべてのファイルが復元された場合、サーバー上の cache_archive の変更日付は異なったものになります。この場合、たとえ cache_archive が更新されていない場合でも、すべての Java Plug-in クライアントに対し、cache_archive の再ダウンロードが強制されます。
バージョンの更新を強制する場合、cache_version 属性を使用してアプレットを配備することをお勧めします。
cache_version
を使用する場合、cache_archive に対応した cache_version が、アプレットキャッシュにローカルに格納されたものよりも大きいと、アプレットキャッシュが更新されます。バージョン番号は更新をトリガーするために使用されます。実際のバージョン番号は Web サーバーの .jar
ファイルには添付されません。実際、更新のトリガーにバージョンが使用されない場合には、Web サーバー上のアプレットを cache_archive 内にアプレットがなくても更新できることはあり得ます。
cache_version を使用することで、Web サーバーに接続して cache_archive の「Modification-Date」および「Content-Length」を取得する必要がなくなります。ほとんどの場合、これによりパフォーマンスが向上します。
スティッキーなアプレットはローカルにキャッシュされますが、それでも元のコードベースおよび署名者が定義したセキュリティーポリシーには準拠します。
Java Plug-in 6 のアプレットは、HTML ファイル内にリストされている JAR リソースを起動するために JNLP バージョンダウンロードプロトコルを使用できます。バージョン管理は、JarDiff もサポートします。バージョン管理サポートを使用するには、archive_x
タグを使用します。x は、番号を指定します。archive_x
タグの構文を次に示します。
preload
を使用しますversion=
は、jar ファイル要求のバージョン文字列を指定するために使用されますarchive_x タグを使用できるさまざまな方法を、次に示します。
<PARAM NAME="archive_1" VALUE="a.jar, preload, version=2.0+">
<PARAM NAME="archive_1" VALUE="a.jar, preload, version=2.0*">
<PARAM NAME="archive_2" VALUE="b.jar, version=0.0.0.3">
注:アプレットに archive_x タグが指定された場合、古いスタイルのタグ (cache_archive、cache_version、cache_archive_ex) は無視されます。 |
JNLP スタイルバージョンサポートを使用するアプレットは、JNLPDownloadServlet を使用してアプレットリソースをホストするようにしてください。JNLP Version Download プロトコルおよび JNLPDownloadServlet の詳細は、「JNLP ガイド」を参照してください。
.jar
ファイルを、Java Plug-in のキャッシュを使用してキャッシュすることは現在できません。codebase
に対する相対 URL にする必要があります。cache_archive では、完全指定の URL はサポートされません。java.io.IOException: Caching not supported for
...」は、指定された JAR ファイルの有効期限および最終変更日付を Java Plug-in が Web サーバーから取得できなかったためにスローされます。Java Plug-in が日付情報を取得できない場合、JAR ファイルは使用のたびにダウンロードされます。