Rich Internet Application の開発および配備 > Rich Internet Application 決定ガイド
アプレットと Java Web Start アプリケーションはどちらも、リッチインターネットアプリケーション (RIA) です。RIA は Web 経由で起動されるため、標準のアプリケーションより配布が簡単です。どちらの実行にもユーザーの許可が必要となるため、ユーザーがアプリケーションの実行に関して十分な情報に基づいた判断を下せるように、それらが信頼できる認証局からの有効な証明書を使って署名されていることが重要です。RIA は、ユーザーによって起動および許可されるときに拡張アクセスがリクエストされないかぎり、高度に管理された方法でしかユーザーのシステムにアクセスできません。
次の表は、それらの相違点の概要を示しています。
| 機能 | Applet | Java Web Start | 
|---|---|---|
| Java バージョン | 
 新しいプラグイン: 個々のアプレットが、使用する Java プラットフォームの正確なバージョン (またはバージョンの範囲) を指定する可能性があります。新しい Java Plug-in (Java SE 6 update 10 でリリースされたもの) は、静的なバージョン要求 (「5.0 Update 9」など) とファミリバージョン要求 (「5.0 ファミリ」など) の両方をサポートするとともに、Internet Explorer の静的およびファミリ ClassID などのいくつかの下位互換性メカニズムをサポートしています。詳細は、「アプレット配備」のパラメータを参照してください。 古いプラグイン: Java Plug-in は、そのプラグインが配布された Java のバージョンのみを実行できます。つまり、Java Plug-in で最新の機能を利用するには、Java も最新バージョンを使用する必要があります。さらに、配備セキュリティーポリシーの最近の変更では、クライアントマシンに配備された最新バージョンのみを使用する必要があります。Java のバージョンは一般に上位互換性があるため、通常、これは問題にはなりません。  | 
 Java Web Start もまた、システムにインストールされている最新の Java バージョンからのみ使用されますが、Java Web Start 実行のバージョンは、使用されている Java プラットフォームのバージョンには関係ありません。Java Web Start アプリケーションは、使用する Java プラットフォームの正確なバージョン (またはバージョンの範囲) を指定できます。  | 
| Cookie | 
 Java Plug-in アプレットはブラウザと同じセッションで実行されるため、すでにブラウザセッションに格納されている「持続的な」cookie と「セッション」cookie の両方にアクセスできます。  | 
 Java Web Start は、ブラウザプロセスの外部で実行されます。ブラウザによって格納された「持続的な」cookie には (Windows の WinINet API を使用して) アクセスできますが、java.net.CookieManager と java.net.CookieHandler の API を使用してそのアプリケーションに設定されていないかぎり「セッション」cookie にはアクセスできません。  | 
| ブラウザとの対話 | 
 Java Plug-in には、アプレットが共通 DOM API、Java から JavaScript への通信、および JavaScript から Java への通信を使用して現在のブラウザセッションと対話する機能が含まれています。  | 
 Java Web Start は、特定の URL を表示するためにデフォルトブラウザを呼び出す機能に制限されています (「JNLP API」を参照)。  | 
| Java Runtime | 
 新しいプラグイン: アプレットは、ほかのアプレットの起動に使用されるパラメータに影響を与えることなく、その特定のアプレットインスタンスを起動するために使用される Java ランタイムパラメータを指定できます。また、下位互換性のために、Java コントロールパネルでの Java ランタイムパラメータの指定もサポートされています。Java ランタイムパラメータが調整される方法の詳細は、「最終的な配備情報の決定」を参照してください。 古いプラグイン: Java Plug-in は、複数の Java アプレット間で 1 つの Java Runtime Environment を共有します。そのため、JRE の起動パラメータ (Java ランタイムパラメータ) を制御できるアプレットはありません。Java ランタイムパラメータは、ユーザーが Java コントロールパネルで (すべてのアプレットに対して) 設定する必要があります。  | 
 Java Web Start アプリケーションは、そのアプリケーションを起動するために使用される Java ランタイムパラメータを (制限付きで) 制御できます。  | 
| JNLP API | 
 Java Network Launching Protocol (JNLP) を使用して起動されたアプレットは、サンドボックスアプリケーションに永続ストレージ、ダウンロードの制御、ファイル入出力などへのアクセスを許可する JNLP API にアクセスできます。  | 
 Java Web Start は、JNLP API にアクセスできます。  | 
| ショートカット | 
 アプレットは、ショートカットを作成できません。  | 
 Java Web Start アプリケーションは、ブラウザには関係なく、そのアプリケーションをオンラインまたはオフラインのどちらでも再実行できるショートカットをインストールできます。  | 
以前のバージョンとの互換性を維持する必要性によって、その他の小さな相違がいくつか生じています。Java Web Start と Java Plug-in の具体的な相違点の詳細は、『移行ガイド』を参照してください。