Java IDL の FAQ

このドキュメントは Java IDL テクノロジの使用に関する質問にお答えするためのものです。

エラー

機能

互換性と相互運用性

一般

エラー

HelloServer を実行しようとすると次のようなメッセージが表示されるのはなぜですか。"Exception in thread "main" java.lang.NoClassDefFoundError: HelloServer/java"

多くの場合、Java IDL チュートリアルの HelloServer (HelloClient の場合も同様) を実行すると、このエラーが発生するのは、HelloServer がクラスパスに含まれていないためです。クラスパス変数の設定方法の詳細は、「クラスパスの設定」を参照してください。

2 番目に多い原因は、次のコード行の引用符と引用符の間に空白が追加されていることです。

NameComponent nc = new NameComponent("Hello", "");

引用符の間には空白を入れないでください。空白がなければ、この値は Null として渡されます。引用符の間に空白があると、空白文字が渡されます。

今回のリリースで既存のプログラムを実行できません。互換性に問題があるのですか。

J2SE 1.4.x と J2SE 5.0 の間の互換性に関する情報は、「CORBA の互換性情報 - J2SE 5.0」を参照してください。

IOR に 127.0.0.0 のホストアドレスが含まれていると、Linux サーバーから IOR を使用して接続できません。なぜですか。

Red Hat Linux をインストールした場合、InetAddress.getLocalHost() が、ループバックアドレス (127.0.0.1) に対応する InetAddress を返すことがあります。この問題が発生するのは、デフォルトのインストールによって、マシンのホスト名とループバックアドレスとの関連付けが /etc/hosts 内に作成されるためです。InetAddress.getLocalHost() によって確実に実際のホストアドレスが返されるようにするには、/etc/hosts ファイルまたはネームサービスの構成ファイル (/etc/nsswitch.conf) を更新して、ホストを検索する前に、dns または nis に問い合わせるようにします。

マイナーコードの意味はどうすればわかりますか。

最新バージョンの標準 (OMG) マイナーコード例外については、OMG の Web サイト (http://www.omg.org/) を参照してください。

よく遭遇する Sun のマイナーコード例外には、次のようなものがあります。

servertool を使用してサーバーを起動するとき、複数のクラスパスを追加できますか。

この質問は、もともと次のような内容でした。私のサーバーコードでは、クラスパスに複数の JAR ファイルが必要です。そこで、servertool を使用してサーバーを登録するときにクラスパスを指定しようとしたのですが、register コマンドで構文エラーが起こります。使用したコマンド行の長さが制限を超えているように思われます。

servertool でサーバーを登録するとき、非常に長いクラスパスを指定するにはどうしたらよいのでしょうか。

servertool そのものは複数の JAR ファイルを受け付けるのですが、現在のところ、servertool のコマンド行バッファーの長さに関してバグがあります。servertool ラッパーのバグ (4482166) の詳細を参照してください。

回避策として、servertool 内からサーバーを起動する代わりに、ServerTool クラスを呼び出してサーバーを起動することができます。たとえば、次のようにします。

${JAVA_HOME}/bin/java com.sun.corba.se.internal.Activation.ServerTool 
-ORBInitialPort ${ORB_INITIAL_PORT} -cmd register -server 
sample.MyServer -classpath jar1:jar2:jar3 -applicationName sample

servertool クラスの名前は、将来のリリースで変更になる可能性があることに注意してください。

Linux プラットフォームでネームサービス (tnameservorbd) を実行できない場合には、どうしたらよいでしょうか。

Linux 上でネームサービスの起動が失敗する場合は、/etc/hosts ファイルに次の行を組み込みます。
<Local Host IP Address>   localhost
<Local Host IP Address>   <HostName>

ここで <Local Host IP Address> は、ネームサービス (tnameservorbd) を起動するホストの IP アドレスです。

機能

今回のリリースで、CORBA の実装はどのようなスレッドモデルをサポートしていますか。

Java SE に同梱されている Java CORBA ORB はマルチスレッド化されています。サーバー側に用意されているスレッドプールでは、各着信要求が独立したスレッドによって処理されます。プールのスレッドがすべて使用中のときに新しい要求を受け取ると、新しいスレッドが作成されてプールに追加されます。このスレッドは、要求が完了すると、プールに戻されます。Java CORBA ORB は、スケーラビリティーと要求の同時処理を実現するために、スレッド化されています。POA スレッドポリシー用の SINGLE_THREAD オプションはサポートされていません。Java CORBA ORB のスレッドモデルは次のように暗黙的です。すなわち、ユーザーは、ORB のスレッドポリシーを設定しません。また、スレッドモデルやスレッド数を制御するための、公開された外部のユーザーレベル API はありません。

Java IDL には通知サービスやイベントサービスがありますか。インタフェースリポジトリはどうですか。

いいえ、ありません。これらのサービスが必要な場合は、自分で実装するか、既製品を購入するか、自由に利用できるサービスを探すことができます。そのようなサードパーティーのサービスは、INS テクノロジを使用して ORB にプラグインできます。

2 台のマシンで Hello World の例を実行する方法を教えてください。

ネームサーバーと同一のマシン上で実行されていないクライアントやサーバーを起動する場合、-ORBInitialHost< ネームサービスが起動されるホストの名前> オプションを使います。こうすると、クライアントとサーバーはネームサービスの場所を知ることができます。例は、「Java IDL: Hello World の例を 2 つのマシン上で実行する」にあります。

Java IDL テクノロジは CORBA 仕様に準拠していますか。

J2SE 5.0 に同梱されている CORBA テクノロジの準拠に関する情報は、「J2SE 5.0 での CORBA サポートの公式仕様」にある CORBA の準拠についての説明を参照してください。

互換性と相互運用性

J2SE 5.0 の CORBA 仕様への対応

J2SE 5.0 での CORBA サポートの公式仕様」を参照してください。

別の ORB を指定するにはどうすればよいでしょうか。

アプリケーション内で Java CORBA ORB 以外の ORB を使用するには、org.omg.CORBA.ORBClass プロパティーを、選択した ORB に設定します。たとえば、使用したい ORB 実装を ORB に設定するには、次の例のようなコードを使用します。
public class MyApp {

    public static void main( String args[] ) {
        Properties properties = System.getProperties();
        properties.put( "org.omg.CORBA.ORBClass",
            "<com.other_company.package.ORB>" );
        
        try {
             ORB orb = ORB.init( args, properties);
             
             ...

使用する ORB 実装に固有のプロパティー設定については、ベンダーのドキュメントを参照してください。

使用している JDK ORB クライアントが、別のベンダーの ORB 実装と通信できるかどうかをテストする方法を教えてください。

この ORB については、J2EE の検証プロセスの一環としてテストを実施済みです。ただし、すべてのベンダーのスタンドアロン CORBA ORB との相互運用性についてテストを実施したわけではありません。

使用する他ベンダーのサービスで INS がサポートされている場合は、それを試してみてください。INS を利用し、ORB.object_to_string() メソッドを使用して、他ベンダーの ORB サーバー上の Interoperable Object References (「Java ID: Interoperable Naming Service (INS) の例」を参照) を文字列に変換します。その文字列をファイルに書き込みます。

CORBA クライアントと EJB サーバーアプリケーションの使用例は提供されていますか。

C++ クライアントと Enterprise JavaBeans コンポーネントを使用したサンプルアプリケーションを含む開発者ガイドは、次の Web サイトに見つかります。Enterprise JavaBeans™ コンポーネントと CORBA クライアント: 開発者ガイド

Sun の ORB からサードパーティー製のネームサービスに接続する方法を教えてください。

サードパーティー製のネームサービスが Interoperable Naming Service (INS) をサポートしている場合は、「Java ID: Interoperable Naming Service (INS) の例」を使用する方法をお勧めします。

Sun ORB をほかのベンダーのネームサービスとともに使用するには

  1. ホスト <H> およびポート <P> 上でサードパーティー製のネームサーバーを起動します。
  2. 次の引数を ORB.init() に渡します。
            -ORBInitRef NameService=corbaloc:iiop:1.2@:/NameService
       
    

orb.resolve_initial_references("NameService") を実行すると、サードパーティー製のネームサービスに接続できるようになるはずです。接続できない場合は、次のトラブルシューティングに関するヒントを試してください。

C++ の CORBA サーバーとともに Java IDL ORB が使えますか。(相互運用性がありますか)

Java IDL ORB は完全に Java テクノロジを使用して記述された ORB です。idlj コンパイラは、「IDL to Java 言語マッピング仕様」で定義された規約に従うコードを生成します。Java ORB は、Java プラットフォーム以外の言語でコードを生成するコンパイラを提供しません。Java ORB とそれ以外の言語 (C++ など) で記述した ORB との相互運用性をテストする場合、その言語で記述した ORB とその言語マッピングに一致するコンパイラを探す必要があります。言語マッピング仕様は、Object Management Group の Web サイト (http://www.omg.org/) から入手できます。一方で Java プラットフォームを使用し、もう一方で C++ を使用するには、IDL を共有するだけで十分です。C++ ORB のツールを使って C++ ORB で使用するスタブとスケルトンを生成する必要がありますが、IDL は変更する必要がありません。CORBA ORB と、使用する言語の言語マッピングコンパイラを提供するベンダーは、「C++ CORBA ORB」などのキーワードで Web を検索します。

C++ クライアントと Enterprise JavaBeans コンポーネントを使用したサンプルアプリケーションを含む開発者ガイドは、次の Web サイトに見つかります。Enterprise JavaBeans™ コンポーネントと CORBA クライアント: 開発者ガイド

異なる言語で書かれた ORB 間での通信が可能なはずですが、Java ORB とほかのベンダーの ORB との相互運用性はまだテストされていません。

一般

Java IDL と Java RMI-IIOP テクノロジのどちらを使うべきか

これは基本的な問題であり、Java プログラミング言語と CORBA を統合する 2 つの方式の違いを理解することが重要です。

Java IDL テクノロジは、CORBA インタフェース定義言語 (Interface Definition Language、IDL) で定義されたインタフェースに基づいて Java プログラミング言語でプログラムを記述したい CORBA プログラマ向けです。これは「通常どおりの」CORBA プログラミングで、C++ や COBOL のようなほかの言語とまったく同じ方法で Java をサポートしています。

Java RMI-IIOP (Remote Method Invocation over Internet Inter-ORB Protocol) テクノロジは、IIOP を背後のトランスポートとして使用して Java Remote Method Invocation (Java RMI) インタフェースでプログラムを作成したい、Java プログラマ向けです。RMI-IIOP はさまざまな言語で実装される CORBA オブジェクトとの相互運用性を提供しますが、リモートインタフェースをあらかじめ Java RMI インタフェースとして定義しておく必要があります。EJB のリモートオブジェクトモデルは Java RMI テクノロジベースなので、Enterprise JavaBeans™ (EJB™) テクノロジを使うプログラマには特に重要です。

idltojava コンパイラはどこでダウンロードできますか。

idltojava コンパイラをダウンロードすることはできなくなりました。IDL-to-Java コンパイラ idlj の最新バージョンを使用することを強くお勧めします。

最新バージョンの IDL-to-Java コンパイラを入手するには、最新バージョンの Java™ Platform, Standard Edition (Java SE) をダウンロードしてください。Java SE をインストールすると、idljbin ディレクトリに格納されます。

J2SE v1.3 の idltojava に関するその他のトラブルシューティング情報については、「Java IDL FAQ」を参照してください。

Java テクノロジを使って CORBA アプリケーションを開発する場合にどのようなオプションがありますか。

Java 2 プラットフォームの一部である CORBA 技術は、Java 言語で書かれた Object Request Broker (ORB) (一部はネイティブコードで書かれている)、RMI プログラミングモデル、および IDL プログラミングモデルで構成されています。異なる言語間、異なるベンダー間の相互運用性は Internet InterORB Protocol (IIOP) という「魔法」を使って実現されました。IIOP は IDL または Java RMI のどちらかで書かれた分散アプリケーション用の伝送プロトコルにすることができます。IIOP を使えば、分散オブジェクトを OMG の CORBA 仕様に適合させることができます。IDL プログラミングモデルを使う場合は、インタフェースがすべてです。IDL では、リモートプロセスから呼び出ことができるエントリポイント (呼び出された手続きが受け入れる引数の型など) や、返された情報の値や出力パラメータなどを定義します。IDL を使うと、プログラマは通信プロセス間を移動するエントリポイントやデータ型を標準言語であるかのように扱うことができます。CORBA は言語から中立のシステムで、引数の値や戻り値は使用する実装言語で表すことができるものに制限されます。CORBA では、オブジェクトの方向は参照用に渡すことができるオブジェクトに制限されるか、または全体のフレームワークであらかじめ定義されています。オブジェクトコード自体をマシン間で渡すことができません。渡す型も戻す型もインタフェースで宣言されている必要があります。RMI では、IDL と実装言語は同一のものであり、お互いをマッピングするための心配はありません。言語レベルのオブジェクト (コード) をあるプロセスから次のプロセスに渡すことができます。値は、宣言された型ではなく実際の型で返されます。または、インタフェースをコンパイルして IIOP 対応のスタブとスケルトンを生成し、ほかの CORBA 対応言語で書かれている別のマシンのオブジェクトと通信することができます。

Java IDL と Java RMI-IIOP はどのように違うのですか。

これは基本的な問題であり、Java プログラミング言語と CORBA を統合する 2 つの方式の違いを理解することが重要です。Java IDL は、CORBA インタフェース定義言語 (IDL) で定義されたインタフェースに基づいて Java プログラミング言語でプログラムを記述したい CORBA プログラマ向けです。これは「通常どおりの」CORBA プログラミングで、C++ や COBOL のようなほかの言語とまったく同じ方法で Java 言語をサポートしています。Java RMI-IIOP (Remote Method Invocation over Internet Inter-ORB Protocol) は、IIOP を背後のトランスポートとして使用し、Java プログラミング言語を使用して Java RMI インタフェースをプログラミングしたい開発者向けです。Java RMI-IIOP はさまざまな言語で実装される CORBA オブジェクトとの相互運用性を提供しますが、すべてのリモートインタフェースをあらかじめ Java RMI インタフェースとして定義しておく必要があります。EJB のリモートオブジェクトモデルは RMI ベースなので、Enterprise JavaBeans (EJB) を使うプログラマには特に重要です。分散型 CORBA アプリケーションの作成にはいくつかの定義方法があります。次に一般的な方法を示します。

Java IDL や Java RMI-IIOP を使用する際、何か制限事項はありますか。

製品の制限の詳細については、「制限」を参照してください。

各種の標準タグについて知りたいのですが。

最新バージョンの標準タグ割り当てファイルについては、OMG の Web サイト (http://www.omg.org/) を参照してください。

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