Java Web アプリケーションの開発および配備 > アプレット開発者ガイド
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注:
このガイドの内容は、この更新リリースでの新機能を説明しており、関連する領域 (Java Web Start、配備、Java Plug-in など) におけるほかのすべての Java SE 6 ガイドに取って代わります。これらのガイドは、より凝縮性のある内容にするために、次のメージャーリリースで書き換えられる予定です。
はじめに
Java Runtime Environment に含まれている JavaTM テクノロジ (以降、「Java Plug-in」と呼ぶ) を使用すると、Java アプレットをデスクトップ上の一般的な Web ブラウザで実行できます。Java SE 6 Update 10 での新機能である次世代の Java Plug-in は、Web ブラウザ内のアプレットに強力な新しい機能を提供するとともに、下位互換性がある方法でアプレットの全体的な信頼性と機能を向上させます。
次世代の Java Plug-in では、完全に再設計されたアーキテクチャーが提供されます。新しいプラグインでは、アプレットを Web ブラウザと同じオペレーティングシステムプロセスで実行するのではなく、周囲の Web ページとの完全な相互運用性のためにブラウザに接続し直す 1 つ以上の Java 仮想マシンインスタンス (「JVM」) を実行します。このアーキテクチャーの変更によって多くの利点が提供されるとともに、いくつかの新機能が可能になります。
- 信頼性の向上。アプレットを実行している JVM は、オペレーティングシステムのレベルで Web ブラウザから切り離されます。アプレットの実行中に不具合が発生したり、非協力的なアプレットがシャットダウンを拒否したりした場合は、新しい Java Plug-in がエラー状態を検出して適切に処理するため、Web ブラウザは影響を受けません。
- 組み込みの JNLP サポート。新しいプラグインでは、アプレットを JNLP ファイルから直接起動する機能が提供されるため、ブラウザの内部とブラウザの外部 (Java Web Start を使用) の両方での Java コンテンツの配備が統一されます。開発者は、JavaFX 実行時ライブラリ、OpenGL を介した 3 次元グラフィックス、アプレット内での惑星規模の地形視覚化を含む高度な機能のために、JNLP 拡張機能を再利用できるようになりました。アプレットは現在、持続的データ記憶領域、ローカルファイルシステムへのアクセス、およびサンドボックス化されたコードからのその他の有効な機能のために JNLP API にアクセスできます。
- ユーザーの操作性の向上。新しい Java Plug-in はバックグラウンドでアプレットを起動するため、Web ブラウザの応答性が常に維持されます。アプレットは、実行の準備ができるとすぐに Web ページに表示されます。
- Java と JavaScript の間の通信の強化。Web ブラウザ内の JavaScript エンジンと Java プログラミング言語の間のブリッジが完全に再実装されました。この新しい実装は下位互換性があり、これらの機能によって、JavaScript を呼び出す Java と Java を呼び出す JavaScript の両方での信頼性、パフォーマンス、およびブラウザ間の移植性が向上しています。static Java メソッドを呼び出したり、新しい Java オブジェクトをインスタンス化したり、JavaScript からサードパーティーのパッケージを参照したりする機能などの、以前は Mozilla に特有であった「LiveConnect」機能が現在、すべてのブラウザで使用できます。
- アプレットのライフサイクル管理の機能強化。アプレットのライフサイクルメソッド
init
、start
、stop
、および destroy
への呼び出しの決定性が向上し、ブラウザ間の動作が機能強化されました。アプレットのクラスローダーキャッシュと、下位互換性のために必要な従来のアプレットのライフサイクルが完全にサポートされ、両方の動作が機能強化されました。
- 大きなヒープのサポートの強化。従来、Java コントロールパネルでアプレットに対して指定できる最大ヒープサイズは制限されていました。新しい Java Plug-in ではこの制限が修正され、アプレットは現在、コマンド行アプリケーションと同じ大きさのヒープスペースを利用できます。
- Windows Vista のサポートの強化。Microsoft の Windows Vista 上で保護モードの Internet Explorer で実行されている署名付きアプレットに、通常のユーザーアプリケーションと同じ特権が与えられるようになったため、このプラットフォームへの移植性の壁が解消されました。
- アプレットごとのコマンド行引数。JVM コマンド行引数を Web ページの HTML でアプレットごとに指定できるため、ヒープサイズや Java 2D ハードウェア高速化機能などのオプションをきめ細かく制御できるようになりました。
- 複数の JRE バージョンのサポート。個々のアプレットインスタンスが、実行に使用する JRE バージョンを個別に要求できます。この機能は、アプレットを特定の JRE バージョンまたは特定の JRE ファミリのどちらかに制限することを希望する企業カスタマのために設計されています。新しいプラグインでは、特定の JRE バージョン、または特定のファミリ内の任意の JRE バージョンの両方の選択がサポートされています。
このガイドでは、アプレットを開発する方法、Java Plug-in のアーキテクチャー、およびアプレット開発のためのベストプラクティスについて説明します。